競馬界のレジェンドの原点、函館競馬場と武豊と名馬たち
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テレビ東京で放送された「武豊-THE ORIGIN-~始まりの地・函館~」。
この番組では競馬界のレジェンドとして知られる武豊のルーツがあるという北海道・函館を武豊自身がゆかりの地を巡り、自身の原点を紹介。
そこには父・邦彦氏の生まれ育った街やこれからの競馬界を背負うであろう子供たちと触れ合う様子が放送され、話題を呼んだ。
武豊にとってゆかりが深い函館の街にある函館競馬場は、現存するJRAの競馬場では最古の歴史を誇ることでも知られている。
この地で武豊は重賞4勝を挙げるなど活躍を見せているが......今回は武豊とともに函館競馬場で活躍した名馬たちを紹介する。
※馬齢は当時の表記のまま

写真:Newscom/アフロ
■アグネスワールド
武豊が函館で始めて重賞を制した際のパートナーが彼。
半兄にスプリンターズSを制したヒシアケボノを持つ良血馬として夏の函館競馬場で武豊を背にデビューすると持ち前のスピードを生かして快勝。
続く函館3歳Sでも武豊とタッグを組むとスタートから楽に前に付けていき、直線でも早々と先頭に立って押し切るという強い内容で勝利。
タイムは2歳レコードとなり、この勝利によって武豊はJRA全10場での重賞勝利を達成するというメモリアルなものとなった。
その後は有り余るほどのスピードを武器にしたレース運びを見せ、5歳秋にフランスへ遠征するとロンシャン競馬場で行われたアベイユ・ド・ロンシャン賞で2番手から抜け出して勝利してGⅠ初制覇。さらに翌年の夏にはイギリスへ遠征し、ジュライCを優勝。
日本調教馬として初めて競馬発祥の地・イギリスでのGⅠ制覇を成し遂げるという快挙を達成するなど、その名の通り武豊とともにワールドワイドな活躍を収めた。

写真:山根英一/アフロ
■トウケイヘイロー
番組内で武豊が「印象深い1頭」と語っていたのがこの馬。夏の新潟競馬場でデビューし、3戦目のカンナSで武豊と初めてコンビを組むなどしたが、本格化したのは古馬になってから。
鳴尾記念を制してから挑んだ函館記念ではトップハンデとなる57.5キロという背負うことになったが、武豊とともにスタートから抜群のダッシュを見せて逃げの手を打つと、後続馬に捕まるどころか、2着馬に1馬身3/4差をつけて快勝。その実力を証明した。
続く札幌記念(この年は函館競馬場で開催)は小雨が降り、これまで好走実績がない重馬場という厳しい条件でレースを迎えたが、ここも武豊とともに好スタートを決めて逃げると、そのままマイペースで逃げ切り、2着馬に6馬身差をつける圧勝を披露してサマー2000シリーズの王者となった。
この年の暮れには香港へ遠征し、香港Cでは2着に入るなど函館で磨いた力強い走りを武器に好走を続けた。

写真:東京スポーツ/アフロ
■ダイアトニック
コロナ禍より、無観客でのレースとなった2020年の函館開催。
競馬場内に入れないファンたちがガラス張りのエリアからパドックを眺めていた姿が思い出深いと武豊は番組内で語っていたが、その時期にパートナーとなったのがダイアトニック。
4歳時にクリストフ・スミヨンの手綱でスワンSを制するなど、実力派のスプリンターとして知られる存在だったが、武豊と初タッグを組んで臨んだのがこの年の函館スプリントSだった。
好スタートからあっさりと2番手につけると、前半3ハロン33秒3という速いペースを追走し、直線に入って残り200mを過ぎたころに鞭が入ると逃げていたダイメイフジを捕まえて先頭に。
その後は持ったままで後続を寄せ付けることなく抜け出してそのまま押し切って勝利。格の違いを見せるかのような快勝となった。その後も重賞を3勝するなど長きにわたりトップスプリンターの座に君臨した。

写真:山根英一/アフロ
■ファインモーション
デビュー前から武豊に「この馬でダービーに行きたい」「海外でレースをさせたい」と言わしめた逸材だったが、デビュー戦を勝利した後は馬体の充実を待ち、2戦目として迎えたのは函館で開催された500万以下の条件戦。
ここで松永幹夫とタッグを組んでレースに臨むとほとんど追われることなく、古馬を6馬身突き放すという圧勝をマーク。秋には武豊とともに秋華賞、エリザベス女王杯を連勝するなど文句なしの実力を満天下に示した。
このコンビが函館に現れたのは5歳夏の函館記念。57キロの斤量を背負わされ、大外を回るロスがあるなど不利が重なったためにクラフトワークの2着と敗れたが、天才騎手とその天才が見初めた牝馬との共演は函館競馬場にやってきたファンを大いに盛り上げたのは間違いない。
■文/福嶌弘