【パリ五輪】メダルの裏に隠された真実 ~女子マラソン・高橋尚子 2000年シドニー大会~

シドニー五輪 女子マラソン 高橋尚子が金メダル獲得 (C)SANKEI
<パリ2024オリンピック競技大会 7月26日(金)~8月11日(日)>
パリオリンピックが現地時間26日(金)に開幕する。今大会で33回目となる夏季オリンピック競技大会はフランス・パリを中心に8月11日まで開催される。
パリでオリンピックが開催されるのは1900年、1924年に続き3回目。本大会では32競技329種目が実施され、開会式ではパリ中心部を流れるセーヌ川が舞台となる。
4年に一度開催される世界的なスポーツの祭典の開幕を前に、夏季オリンピックの日本選手メダリストをピックアップして当時を振り返ってみる。
2000年シドニー大会 女子マラソン・高橋尚子
20世紀最後のオリンピック、シドニー(オーストラリア)大会では多くのドラマが誕生した。
柔道女子48キロ級では、"柔ちゃん"こと田村亮子(当時 25)が自身初の金メダルを獲得。同じく柔道男子100キロ超級決勝、篠原信一(27)が"世紀の誤審"により敗れたシーン等々...
そんなシドニー大会の中で、最も日本を明るくしてくれたのは女子マラソンで金メダルを獲得した"Qちゃん"こと高橋尚子(28)だろう。
オリンピック記録の更新、日本女子陸上選手初の金メダルなど記録づくめのレースとなったが、「すごく楽しい42キロでした」と満面の笑みでインタビューに答える姿はお茶の間を笑顔満開にしてくれた。
そのレース中、高橋は日本選手の絆で助けられている。
17.5キロの給水地点。実は高橋、10キロと15キロの給水地点でスペシャルドリンクを取り損なっていた。並走していた山口衛里(27)はその状況を見ていたので、普通の水の入ったペットボトルを給水地点でつかむと高橋に渡した。
後日、高橋は「給水ができていない私を見て、17.5キロの給水地点にある普通の水を山口さんが取って手渡してくれました。それがとてもうれしくて、心の中に温かいものが芽生えたような気がしたのです。前を走る市橋さんも水をとれていないことがわかったので、この嬉しい気持ちを市橋さんにも伝えなくては、と思い、市橋さんめがけて走っていったらペースが速くなっちゃった。えーい、このまま行っちゃえ、という感じで無理なくスパートできたことがとても大きかったですね。あれがなければ、その後のレース展開が全然違うものになっていたと思います」と振り返った。
高橋はこのまま後続を振り切り金メダル。
一方の山口は...5キロ過ぎの給水ポイントで他選手と接触して転倒。その影響か、高橋がスパートした後は20位近くまで順位を落とすも、徐々に巻き返して最終的には7位入賞でフィニッシュ。
メダルには届かなかったものの、アクシデントを考えれば素晴らしい成績を残した。

パリオリンピック 写真:ロイター/アフロ