【阪神JF】アルマヴェローチェが文句なしの完勝!実力でもぎ取った女王の座「来年はもっと良くなる」

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2024.12.8

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第76回阪神ジュベナイルフィリーズはアルマヴェローチェが優勝(c)SANKEI

ゴールまで残り100mほどの地点で6頭が横並びになった瞬間、アルマヴェローチェが何かを訴えているように見えた。

まるで、「私の走りを見ていなさい!」と言っているかのように――。

昨年の勝ち馬アスコリピチェーノや一昨年の女王リバティアイランドのような絶対的な存在がいなかった今年の阪神JF。

ただでさえ混戦模様とされたメンバーの中に史上初となる外国馬、メイデイレディもランフランコ・デットーリを従えて参戦してきたことでますます難解な一戦に。

そのため人気も割れて、1番人気に支持されたブラウンラチェットを筆頭に単勝オッズが10倍を切る馬が4頭も現れた。

その中で埋もれてしまったように感じられたのが、アルマヴェローチェだった。

夏の札幌で迎えたデビュー戦では牡馬相手に逃げ切り勝ちを収め、続く札幌2歳Sでは中団から動くという初戦とは異なる走りを見せてマジックサンズの2着に。

敗れたとはいえハナ差まで迫ったその走りはもっと評価されてもおかしくなかったが、単勝オッズは10.5倍の5番人気にとどまった。

8月以来の実戦となること、鞍上がテン乗りな上、これまでにGⅠを制していない岩田望来に乗り替わったことか、そして初めてマイルを走るというのが嫌われたのか......

牡馬相手の重賞で2着に入ったことがある馬にしては思ったほどの人気を得られなかった。

小雨の中で行われたパドックでも、アルマヴェローチェはゆったりと周回していた。

484キロというバランスのいい好馬体を誇る彼女の様子を見ると、気合が入っているのは間違いなかったが......良くも悪くも特に目立つことはなかった。

そのためか、ファンは前走からマイナス12キロとやや細く見えたブラウンラチェットや440キロに満たない小型のショウナンザナドゥの様子に注意を払い、アメリカからやってきたメイデイレディのパワフルな雰囲気が伝わる歩様に注目しているように見えた。

返し馬を終え、いよいよゲート入り......という時も、アルマヴェローチェの隣のゲートに入っていたクリノメイが突然暴れ出してしまい、スターターが黄色い旗を振って外枠発走に。

この時、他の馬たちはもちろん、ゲート内で大人しくしていたアルマヴェローチェに注目しているファンはほとんどいなかっただろう。

そうして迎えた今年の阪神JF。メイデイレディが好スタートを決めたほか、どの馬も出遅れることなくゲートを出る。

外からリリーフィールド、内からモズナナスターとミストレスがハナ争いを演じ、これを見ストレスが制するとその3頭のすぐ後ろに2番人気に支持されたショウナンザナドゥが付けるという意外な位置取りに。

それらを見ながらアメリカのメイデイレディが5番手に付け、それを見る形で後ろに1番人気のブラウンラチェット、ほぼ最後方という位置に3番人気のコートアリシアンが追走していった。

そんな馬群の中でアルマヴェローチェは中メイデイレディのすぐ後ろ、そしてブラウンラチェットの前という中団よりやや前目の位置取りを選択。

例年とは異なる京都開催ということもあってかレースの流れも極端なものにならず、前半の800mは46秒5という平均的な速さ。

混戦を象徴するかのように馬群もばらけることなく、団子状態のままで進んでいった。

3コーナーを過ぎたところで逃げるミストレス、リリーフィールドにショウナンザナドゥが迫り、さらにメイデイレディも動く。そしてその外からアルマヴェローチェも動き始めた。

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4コーナーを回って迎えた最後の直線。逃げ粘ろうとするミストレス、最内でもう一度先頭に立とうと踏ん張るモズナナスター。

さらにこれを捕まえようと早めに動いたショウナンザナドゥと外へと進路を取ったビップデイジーが横並びになり、さらに大外からアルマヴェローチェが伸びてきた。

残り100mを過ぎまさにこの6頭が並んだ瞬間、スタンドは大きく沸いた。混戦と称された今年の阪神JFを象徴するかのような光景がファンの目の前に広がり、まさにがっぷり四つ。

どの馬が勝ってもおかしくないという状況になったが......そこで力を見せたのがこれまで目立たなかったアルマヴェローチェだった。

ビップデイジーと馬体を併せるように伸びていくアルマヴェローチェは鞍上・岩田望来の右鞭に応えるようにスピードを上げて先頭に立つ。

鞍上の岩田はまるで父・康誠のように手綱を激しく動かして追いアルマヴェローチェのストライドを広げていく。

そして迎えたゴール。61度目となるGⅠ挑戦で初めての勝利を掴んだ岩田は左拳を握りしめて喜びを噛みしめた。

デビュー6年目の若武者にGⅠタイトルをプレゼントしたアルマヴェローチェは最終的に2着のビップデイジーに1馬身1/4の差を付け、文句なしの完勝。

力強い走りで見事に2歳女王の座を射止めてみせた。

「状態も良かったし、自信を持って乗りました。来年はもっと良くなると思います」

――レース後のインタビューで岩田はアルマヴェローチェのことをこう称えた。

レース前はなかなかスポットライトが当たらなかった彼女はレース後、誰よりも注目を集めていた。

来年の春、アルマヴェローチェはどの馬たちよりも注目を集めてクラシック戦線へ挑むことだろう。多くのファンたちが熱視線を送る中でどんな走りを見せるだろうか。来年の春が早くも楽しみになってきた。


■文/福嶌弘

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第76回阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)着順
2024年12月8日(日)7回京都4日 発走時刻:15時40分

着順 枠順 馬名(性齢 騎手)
1着 6-12 アルマヴェローチェ(牝2 岩田望来)5
2着 1-1 ビップデイジー(牝2 幸英明)8
3着 1-2 テリオスララ(牝2 M.デムーロ)7
4着 5-9 ショウナンザナドゥ(牝2 池添謙一)2
5着 8-16 スリールミニョン(牝2 永島まなみ)16
6着 7-13 コートアリシアン(牝2 戸崎圭太)3
7着 8-18 ミーントゥビー(牝2 古川吉洋)18
8着 4-7 ミストレス(牝2 坂井瑠星)6
9着 3-6 モズナナスター(牝2 田口貫太)15
10着 2-4 ジャルディニエ(牝2 北村友一)13
11着 7-14 ランフォーヴァウ(牝2 松山弘平)10
12着 7-15 リリーフィールド(牝2 武豊)12
13着 8-17 メイデイレディ(牝2 L.デットーリ)4
14着 6-11 クリノメイ(牝2 荻野琢真)14
15着 3-5 ジューンエオス(牝2 藤岡佑介)17
16着 5-10 ブラウンラチェット(牝2 C.ルメール)1
17着 2-3 ダンツエラン(牝2 団野大成)9
18着 4-8 カワキタマナレア(牝2 鮫島克駿)11
※結果・出馬表・成績・オッズ等は主催者発表のものと照合してください。

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