ACLE決勝進出の川崎フロンターレ 初のアジアタイトル獲得へ

サッカー

2025.5.3

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川崎フロンターレ 写真:ロイター/アフロ

アジアクラブNO1を決めるAFCチャンピオンズリーグエリート202425が5月3日(日本時間4日深夜)決勝を迎える。

日本から出場している川崎フロンターレが準決勝でタレント軍団のアルナスル(サウジアラビア)に3-2で勝って初めて決勝へ進出。

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初のアジアタイトル獲得へ、開催地ジッダをホームとするアルヒラルとの大一番に臨む。

「名前でプレーするわけじゃない」

4月30日の準決勝アルナスル戦を前に、淡々とそう言ったのは川崎フロンターレの長谷部茂利監督だった。

ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドやリバプールなどで活躍したサディオ・マネ、コロンビア代表のジョン・デュランら名の知られたタレントを揃えたサウジアラビア強豪に対して、川崎指揮官は平常心で自分たちのプレーを発揮するように促した。

その思いがしっかり届いたことは、アジアの舞台で初めて臨んだ4強対決を3-2で制した結果に表れている。

延長120分でアルサッド(カタール)に勝利した4月27日の準々決勝を経て、アルナスルより1日少ない中2日で迎えた準決勝。

川崎は前の試合からFW神田奏真とMF大関友翔のU20代表の2人やFW伊藤達哉を含めて先発5人を入れ替え、高い守備意識を維持しながらチャンスに得点を奪う戦いを徹底した。

前半10分に「前日ぐらいからボレーシュートの当て感がすごく良かった」という伊藤が見事なボレーで先制に成功した。

28分にロングパスでの展開からマネに決められて同点にされたが、41分に伊藤のシュートリバウンドに詰めていた大関が決めて、川崎が前半のうちに再びリード。

76分にはMF家長昭博がFWエリソン選手の緩急をつけて相手を欺く仕掛けから3-1とし、途中出場の2人で追加点を奪った。

その後の相手の反撃で1点を返され、終盤にはロナウドにFKやゴール前に攻め込む機会を与えてゴールを脅かされたが、GK山口瑠伊や途中出場のDF佐々木旭の好プレーでゴールを死守した。

ロナウドやマネらビッグネームを相手にしても、萎縮する様子は見られず、DF高井幸大はロナウドを「ゲームで使っていた。思い入れはあったので対峙できてうれしかった」と明かし、試合中にベテランのポルトガル代表FWの出方を見て守り方を修正するなど、溌剌としたプレーを披露。

佐々木は「相手にオーラがある選手いて、足を振らせたら決められる雰囲気がった。だからこそ全員が集中して守れた」と話した。

大関も「奏真と自分が使ってもらえるのは(相手の良さを)消せる走力、若さで補える部分。中2日でフレッシュな2人が出ていけるのがチームの強み」と述べて、ブロゾビッチ封じで相手にペースを握らせなかった。長谷部監督は大関と神田のU20代表での国際舞台慣れにも期待したと明かした。

4月29日の準々決勝で横浜F・マリノスに4-1と勝利していたアルナスルを分析。

相手のキーマンの一人、MFマルセロ・ブロゾビッチを自由にさせないなど、分析をもとに、メンバーが入れ替わってもゲームプランを遂行。川崎はチーム全体の組織力の高さを示した。

地元アルアハリとの決勝へ

川崎は、5月3日(日本時間4日深夜)の決勝ではジッダの試合会場キング・アブドゥラー・スポーツシティ競技場をホームとするアルアハリと対戦する。

アルアハリは、4月26日の準々決勝でタイのブリーラム・ユナイテッドに3-0で勝利。

サウジアラビア勢同士の顔合わせとなった29日の準決勝では、3度目のアジア制覇を目指したアルヒラルに3-1で勝利。

ACL導入以前を含めて3度目のアジアの舞台での決勝進出で初のアジア王座獲得を狙っている。

ドイツ出身のマティアス・ヤイスレ監督の下、ブラジル代表で元リバプールのMFロベルト・フィルミーノが2戦連続得点で先制し、イングランド代表歴のあるFWイバン・トニーが追加点。

1点返されたものの、後半半ばに相手に退場者が出て数的優位になると、終了直前にはサウジアラビア代表FWフェラス・アルブライカンがダメ押しの1点を決めた。

他にもブラジル代表DFロジェール・イバニェス、FWガレーノ、トルコ代表DFメリフ・デミラルやコートジボワール代表MFフランク・ケシエ、スペインU23代表MFガブリ・ベイガら国際経験とスキルのある選手が揃う。

ある移籍情報サイトによると、選手の市場価格ではアルアハリは川崎の約10倍余りという情報もあるが、長谷部監督は「財布を持ってプレーはしない。一番大事なのはピッチで何をするかだ」と話した。

川崎指揮官は対戦相手について、「すべてがオーガナイズされていて、監督、選手が最高に出来上がっているチーム。非常に強い相手」と分析。

しかし、中2日で3戦目となる川崎の選手の状態について「時間が短い中でも疲労が少しずつ取れて、大けがもなく良い状態で臨める」とコメントしている。

11度目の出場で初の決勝を前に長谷部監督は、「チャンピオンになるチャンスが来た。このチャンスは滅多にない。選手が躍動して100%を出した時、結果がどちらになるかわからない。すべてをパワーに換えて私たちがチャンピオンになる」と言った。

MF脇坂泰斗も、「2位と1位では全然違う。フロンターレがもう一段階上のレベルに行くためにも優勝が絶対に必要」と指摘。

フィジカルだけでなくメンタル面でも各選手がうまくリフレッシュを図ってきているとして、「心で体や頭を動かすような熱い戦いにしたい。絶対に勝って帰りたい」と気合十分だ。


文:木ノ原句望