【サッカー日本代表】W杯ホスト国メキシコ・アメリカとの2連戦で現在地チェックへ
米国遠征中のサッカー日本代表 (C)SANKEI
サッカー日本代表が、9月6日(日本時間7日)にメキシコ代表とアメリカのカリフォルニア州オークランドで対戦する。
来年のワールドカップ(W杯)北中米大会の開催国との国際親善試合2連戦の初戦で、9日(日本時間10日)にはアメリカ代表と対戦。
日本にとっては約2年ぶりのアジア勢以外との対戦で、本大会へ向けて現在地をチェックする。
カナダ、アメリカ、メキシコの3か国で来年6月に開幕するW杯へ8大会連続で出場を決めた日本代表が、2023年10月以来初のアジア勢以外との顔合わせで大会ホスト国の2か国と対戦する。
メキシコはFIFAランク13位、アメリカは15位で、17位につける日本には上位にあたる。
その相手に対して、2026年大会へ向けて日本がテーマとしてきている主導権を握るサッカーをアジア勢以外の上位陣にどこまで展開できるか。
10月には日本国内でパラグアイ、ブラジルとの連戦もあり、これから本大会へ向けて強化を進める上でチームの現在地を確認する貴重な機会になる。
日本は9月1日から現地で調整を始め、3日に27人全員が揃った。メンバーは8月28日に発表されたリストにMF鎌田大地(クリスタル・パレス)とMF佐野航大(ナイメヘン)、DF菅原由勢(ブレーメン)が加わり、DF安藤智哉(福岡)がケガで不参加となった。そもそも負傷者が多く、長期離脱が続いているDF冨安健洋、DF伊藤洋輝(バイエルン)に加えてDF町田浩樹(ホッフェンハイム)、DF高井幸大(トットナム)、MF守田英正(スポルティング)、MF田中碧(リーズ)らは招集外で、所属先で試合欠場が続いているMF中村敬斗(スタッド・ランス)も選出が見送られた。
代わりに7月の東アジアE1選手権で存在感を見せたDF荒木隼人(広島)、DF望月ヘンリー海輝(町田)、GK早川友基(鹿島)らが機会を獲得。
また、DF板倉滉(アヤックス)やMF南野拓実(モナコ)、MF三笘薫(ブライトン)、MF堂安律(フランクフルト)、FW上田綺世(フェイエノールト)らも今年3月のアジア最終予選以来、久しぶりの代表戦となる。
森保監督は、勝利を目指すと同時に「さらにチーム力をが得るためにどういうチャレンジをしなければならないか。経験値を上げる必要のある選手もいる。戦術的にも浸透度をより高めて選択肢を広げることも必要」と話しており、2試合で選手を大きく入れ替えて臨む可能性は高い。
元日本代表監督の下、ゴールド杯優勝のメキシコ
初戦の相手のメキシコは、W杯には1930年第1回大会から通算17回出場し、1994年大会から2018年大会まで7大会連続でベスト16に進出している実力者で、日本との因縁も少なくない。
現在チームを率いるハビエル・アギーレ監督は2014年W杯後から日本代表監督として2015年アジアカップまで指揮を執った。MF久保建英(レアル・ソシエダ)が2021年~2022年に在籍したマジョルカ時代には指揮官(2022年3月~2024年6月)を務めた。
昨年7月に3度目となる母国メキシコ代表監督に就任すると、今年3月にはチームをCONCACAFネーションズリーグ初優勝に導き、7月にはゴールドカップで通算10度目の優勝を遂げるなど好成績を挙げている。
日本との通算対戦成績ではメキシコが4勝1敗とリード。森保監督の下で2020年11月17日にオーストリアのグラーツで行った国際親善試合ではメキシコが2-0で勝利した。今回はそれ以来の顔合わせで、日本には4連勝中だ。
U23年代でも2021年の東京オリンピックで2度対戦。グループステージでは日本が2-1で勝ったが、3位決定戦では1-3で敗れてメダル獲得を逃した。
試合後に号泣した久保や1点を返した三笘をはじめ、今回の招集メンバーでは板倉、遠藤航(リバプール)、前田大然(セルティック)、堂安、上田、瀬古歩夢(ル・アーヴル)、GK鈴木彩艶(パルマ)、GK大迫敬介(広島)が当時悔しい思いをした。
今回のメキシコ代表メンバーはゴールカップ優勝を経験した顔ぶれが中心。
決勝トーナメントでの活躍で一躍注目を集めた16歳MFヒルベルト・モラは9月下旬からのU20W杯チリ大会出場のため不在だが、フルハムFWラウール・ヒメネス、東京オリンピックの日本戦で得点を決めたFWアレクシス・ヴェガ、ゴールドカップで5戦4得点のミランFWサンティアゴ・ヒメネス、アメリカとの決勝戦で決勝ゴールを決めたフェネルバフチェMFエドソン・アルバレスら経験豊富な選手が揃う。
アメリカのメディアによれば、オークランドで日本戦へ向けた調整中にメキシコはチームトラックに保管していたボールやコーンなどの用具を何者かに盗まれる被害に遭ったというが、アギーレ監督の下でここまで11勝2分け2敗と調子を上げているチームに、大きな影響を与えるものではなさそうだ。
森保監督はメキシコ代表について、「個々の局面で激しくバトルを挑み、そこから試合の流れをコントロールしてゴールに向かっていく。我々はすべての局面で激しいプレッシャーの中でプレーをしなければならないだろう」と述べて、アジア勢とは異なるレベルの試合強度などに直面すると見ている。
日本はこれまでも、前の代表戦から時間が空いた場合に2連戦の初戦で苦労するケースもあった。今回も3月以来の代表戦となるメンバーもいて、時間が空いた中でのメキシコ戦となる。どんな試合の入りを見せるのかも気になるところだ。
ポチェッティーノ監督率いるアメリカ代表
第2戦で対戦するアメリカは、W杯には通算11回出場し、過去には1930年に3位になった記録もある。
近年の最高成績は2002年の8強入りで、ベスト16には2022年を含めて5回進出している。
現在のチームは、昨年9月に就任したマウリシオ・ポチェッティーノ監督の下、本大会へ向けてチーム強化の最中にある。
チェルシーやパリSG、トットナムなど欧州のクラブでの経験が長いアルゼンチン出身の指揮官が今回招集したメンバーは、7月に準優勝したゴールドカップのメンバーが中心。その大会に不参加だったミランFWクリスティアン・プリシッチ、マルセイユFWティモシー・ウェアらが復帰している。
今回は6日にニュージャージ州のハリソンで韓国と国際親善試合を経て、コロンバスで日本戦に臨む。
日本との対戦は2022年9月にドイツのデュッセルドルフで行った親善試合以来で、その試合では日本が2-0で勝利した。通算対戦成績ではその試合を含めて日本の2勝1敗だ。
ピッチ外
初戦のメキシコ戦は西海岸のカリフォルニア州オークランドで、中2日で迎えるアメリカ戦はオハイオ州コロンバスで行われる。
どちらも3か国で16か所ある本大会の試合会場ではないが、来年の大会では西海岸ではカリフォルニア州サンタ・クララとロサンゼルス、シアトル、カナダのバンクーバーで試合があり、コロンバスと同じ中東部ではジョージア州アトランタ、カナダのトロント、1時間の時差があるヒューストン、ダラス、カンザスシティが会場になっている。
さらに時間枠ではコロンバスと同じゾーンに入る東部には、ボストン、ニューヨークニュージャージー、フィラデルフィア、マイアミの会場が用意されている。
4つのタイムゾーンに分かれているアメリカで、日本は今回第1戦から第2戦への移動で異なる時間枠(時差3時間)と地域性を経験できる。第2戦への調整は難しそうだが、本番へ向けてピッチ外でも様々な点をチェックできそうだ。
取材・文:木ノ原句望