【サッカー日本代表】メキシコとのスコアレスドローの好ゲームからアメリカ戦へ

サッカー日本代表の集合写真 (C)SANKEI
来年のサッカーワールドカップ(W杯)北中米大会へ向けて強化を進めている日本代表は、9月6日(日本時間7日)にカリフォルニア州オークランドで行われたメキシコ代表と0-0ながら好ゲームを演じた。
9日(日本時間10日)には、W杯開催国との2連戦の第2戦でアメリカ代表とオハイオ州コロンバスで対戦する。
来年6月に開幕するW杯まで9カ月。日本は約2年ぶりのアジア勢以外の対戦で11月まで続く毎月行われる強化試合をスタート。
今回、第1戦で来年のホスト国の一つで、W杯常連国で1994年から2018年大会まで7大会連続でベスト16入りをしている強豪メキシコと対戦。
FIFAランクでも日本の17位に対して13位と上位に位置するに相手に、試合開始から連動したプレッシングで主導権を握り、特に前半は相手にチャンスらしいチャンスを作らせない試合を披露した。
日本は試合序盤に得点チャンスを作った。前半4分に遠藤航(リバプール)のボール奪取から堂安律(フランクフルト)を経て久保建英(レアル・ソシエダ)がペナルティエリア右から狙い、11分にも左サイドを仕掛けた三笘薫(ブライトン)のパスから久保がシュート。
その4分後には渡辺剛(フェイエノールト)の相手DFの裏を狙ったロングフィードを受けて、堂安が左足を合わせて相手ゴールを脅かした。
その後も、鎌田大地(クリスタル・パレス)の相手裏への長いパスに南野拓実(モナコ)が走り、後半8分には上田綺世(フェイエノールト)、堂安、久保が連係して右サイドで組み立て、逆サイドに走り込んだ南野が右ボレーで合わせる大きな決定機を作ったが、枠を捉えることはできなかった。
後半はメキシコがボールを支配する時間が長くなり、相手ゴールが遠くなったが、それでも試合終盤には前田大然(セルティック)の左スローインを起点に遠藤が運び、パスを受けた上田が抜け出して相手GKと1対1になり、相手DFのレッドカードを誘った。
守備陣も、負傷者続出で招集できないメンバーが多い中、板倉滉(アヤックス)、渡辺、瀬古歩夢(ル・アーヴル)で構成。
これまであまりなかった組み合わせとなったが、遠藤と鎌田のWボランチや両ウィングの堂安と三笘らとの連係も機能。
後半半ば以降にメキシコのヨハン・バスケス、ヘルマン・ベルテラメに鋭いシュートを打たれる場面もあったが、GK鈴木彩艶(パルマ)の好セーブもあって無失点に抑えた。
メキシコのアギーレ監督(左)と森保一監督(右) (C)SANKEI
スコアレスドローに手ごたえと課題
かつて日本代表も指揮したメキシコのハビエル・アギーレ監督は、日本のスピードとインテンシティの高さを称賛。
日本を上回るプレーができなかったことを認めて、「引き分けは妥当。試合をしっかり読むことができなければ、相手がどこでも苦戦する」とメキシコ協会の公式サイトでコメント。
チームはW杯へ向けて準備段階であることに言及して、「改善すべき点はあるが、大会まで1年ある。我々は基盤と組織はできている」と述べている。
遠藤は、「90分を通して内容は一定の評価はできると思う。最後のところで決めれば理想的なゲーム展開だった」と振り返り、南野も「こういう試合を勝って終わることができれば、僕たちにとってもっと自信になった。
それをできるチャンスはあった中で決めきれなかった。すごく悔しい」と言った。
後半途中から左ウィングバックから内側に1列シフトしてプレーした三笘は、「守備で前から行くところはある程度ボールも奪えて攻撃で終わることもできていた」と手ごたえを示した一方で、「最後、決め切らないと意味がない」と指摘した。
W杯で引き分けはグループステージであれば勝ち点1の獲得で悪くはないが、ノックアウトステージでは延長、PK戦へつながる。
日本代表の森保一監督は、「球際の戦いでは優位に立てていたところがあったし、そこからチャンスも作れていたが、最後に決めきるところや、シュートの本数をもっと増やさなくてはいけない」と話した。

ボール回しする伊東純也(左)、小川航基(奥)ら (C)SANKEI
移動と時差を経て中2日でアメリカと対戦
9日(日本時間10日)のアメリカ戦は日本はメキシコ戦から中2日だ。第2戦の開催地のオハイオ州コロンバスは西海岸のカリフォルニア州オークランドから東へ約5時間のフライト移動を伴い、タイムゾーンは東部時間で西部とは3時間の時差がある。
W杯グループステージでは同じタイムゾーンでの試合だが、ノックアウトステージになればタイムゾーンの異なるエリアへの移動も生じる。
森保監督は「W杯で中2日はないと思う」としながらも、第1戦後の移動や時差調整などを考慮して「選手の負担を考えるとメンバーは変えていきたい」と以前にも話していた。それは、「選手層の幅を広げて土台を広げる」という指揮官の狙いにもつながる。
第1戦後にクラブ事情で堂安が離脱しており、第1戦で足を痛めて途中交代となった板倉のコンディションも気になるが、大幅な先発の入れ替えとなれば、出場機会を得た選手にはアピールのチャンスとなる。
ポチェッティーノ監督 (C)SANKEI
連敗を避けたいアメリカ
アメリカは日本がメキシコと対戦した6日にニュージャージー州ハリソンで韓国と対戦。韓国のソン・フンミンの1ゴール1アシストなどで前半のうちに2失点を許し、0-2で敗れた。今年7月のゴールドカップ決勝のメキシコ戦に続く黒星で連敗となった。
だが、昨年9月からチームを率いるマウリシオ・ポチェッティーノ監督は、来年の本大会へ向けた準備期間であることを強調。
「結果は残念だったが、チームには大きな改善点が見られた」と評価し、日本戦を前に、「韓国と日本は良いチームだ。今結果が出なくても学ぶことは多い。
我々はW杯で結果を出さなくてはならない」とアメリカ協会公式サイトでコメントしている。
現地の報道によれば、チェルシーやPSG、トットナムなど欧州トップのクラブで指揮を執ってきたアルゼンチン出身のポチェッティーノ監督は、今回の2連戦ではメンバーを含めて「多くを試している」と説明。
韓国戦の後半で守備の形を変えて無失点に抑えた戦いを受けて、日本戦でも通常の4バックから3バック(5バック)を試す可能性を示唆しているという。
アメリカとの対戦成績は、日本の2勝1敗。前回は3年前の2022年9月にドイツのデュッセルドルフでの親善試合で、日本が2-0で勝利した。FIFAランクでは日本の17位に対して、アメリカは15位に位置している。
日本はメキシコ戦ではチャンスを作りながら決められずに終わった。課題の克服が勝利を呼ぶ。
文:木ノ原句望