【サッカー日本代表】森保監督100戦目のボリビア戦でW杯へ積み上げを確認

サッカー

2025.11.22

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サッカー日本代表 PHOTO:Getty Images

サッカー日本代表が11月18日、東京の国立競技場で行われたボリビア代表戦に3-0で勝って3連勝で年内の活動を終了。

森保一監督が指揮を執った国際Aマッチ100戦目の勝利で、来年のワールドカップ(W杯)北中米大会へ向けて、チームの積み上げを確認した。

W杯北中米大会開幕を来年6月に控えて、本大会メンバー決定前に実施できる強化試合は限られ、年明けは来年3月の2試合のみ。今回のボリビア戦では選手を試し、戦術の浸透を図る上で貴重な機会の一つだった。

日本は14日のガーナ戦から先発7人を変更して臨み、MF遠藤航(リバプール)とDF板倉滉(アヤックス)が9月のメキシコ戦(0-0)以来、DF瀬戸歩夢(ル・アーヴル)とMF菅原由勢(ブレーメン)、MF前田大然(セルティック)が9月のアメリカ戦(0-2)以来、FW小川航基(ナイメヘン)が10月のパラグアイ戦以来となる出場機会を獲得した。

前半4分にはMF鎌田大地(クリスタル・パレス)がMF久保建英(レアル・ソシエダ)の右クロスを受けて左足で先制し、良いスタートを切った。

日本は久保と菅原が右サイドでの連係プレーで攻撃のリズムを作り、前半半ばには瀬古の大きなサイドチェンジから久保、菅原を経由して小川がヘディングで相手GKの手をかすめてクロスバーを叩く決定機を作り、MF南野拓実(モナコ)がこぼれ球に反応。立て続けのシュートでゴールに迫った。

しかし、南米予選でブラジルに勝って7位に入り、来年3月の大陸間予選プレーオフ進出を決めているボリビアも、プレスやセカンドボールの意識が高く、パスをつないで攻撃を組み立てを狙い、前半30分にはFWフェルナンド・ナバがインターセプトからシュートまで持ち込んだ。

日本は相手の出方に守備がはまらずに手を焼く場面もありながら、前半を1-0リードで終了すると、後半は選手交代を活かして攻撃を加速。

MF堂安律(フランクフルト)、FW上田綺世(フェイエノールト)、FW町野修斗(ボルシアMG)、MF中村敬斗(スタッド・ランス)らが入って、チーム全体で前を向いて攻める時間も攻め手も増え、追加点に繋がった。

チーム2点目は上田、町野、中村の3人が同時に投入された直後の71分。右サイドの堂安からパスを受けた中村がペナルティエリア右深くまで入ってゴール前にマイナスのボールを入れると、走り込んだ町野が押し込んだ。

その7分後には、瀬古の縦パスを受けた上田が中村の上がりを待ってパス。中村が右足で決めた。

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中村敬斗(左) PHOTO:Getty Images

新たな可能性

この試合で中村はインサイドハーフの位置に入り、ゴールに近いエリアでプレー。前線で攻撃の起点になる上田や町野、堂安らと絡んで攻撃を活性化させ、従来の左ウィングバックとは異なる攻撃センスを披露した。

ガーナ戦で左センターバックから左ウィングバックにシフトしたDF鈴木淳之介(コペンハーゲン)に続いて、新たな可能性を示した。

短時間ながらもガーナ戦でも入ったインサイドハーフでのプレーについて、中村は「前回(ガーナ戦)は10分足らず出たが、なかなかボールを受けるシーンがなかった。今日はたくさん触れたのでよかった。

よりゴールに向かって(のプレー)を意識していた」と振り返り、「上田選手がいて、ボールを収めてもらえるのが大きかったし、時間も作ってもらえた。

本当に最高のタイミングでボールをもらえた。上田選手に感謝したい」と言った。

一方、鎌田は1-0とリードした後の前半のプレーについて改善を求めた。

「少し受け身になってしまった部分がある。もう少し強度高くやらないといけない。コンパクトさも欠いていた。まだまだ良くしないといけない部分はある」

DF谷口彰悟(シントトロイデン)も、「反省点の多いゲーム」として相手のプレッシャーを受けてのボールロストや簡単なミスが多かった点に言及。「減らしていかないと。レベルが上がればそれが致命的になることもある」と指摘した。

しかし、鎌田は「交代(出場)した選手が新しい勢いを作ってくれた」と振り返り、「1-0で難しい時間帯が続いていた中で、しっかりゼロで終わって結果的に3点を獲って勝てたことは、自分たちが成長している部分だと思う」と言った。

谷口も、「本大会でもこういうシチュエーションはあり得る。そういう難しいゲームもしっかり勝てたのは良かった」と前向きに受け止めていた。

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100戦目の指揮を執った森保一監督 PHOTO:Getty Images

W杯へ、100戦目の収穫

森保監督は、この試合が代表監督として2018年9月から指揮を執った国際Aマッチの100戦目。白星で終えて、通算戦績を69勝14分け17敗(不戦勝は除く、PK戦は引き分け扱い)とした。

「難しい試合だったが、きっちり無失点に抑えて勝って、どんな内容でも勝ところを選手たちが見せてくれた」と森保監督。

「先発の選手を入れ替えて戦った中で『誰が出ても勝つ、誰と組んでも機能する』という、いいチャレンジをしてくれた。チームコンセプトが多くの選手に浸透している」と評価した。

9月から11月までの6試合では、守備陣の主力を中心にケガで招集が見送られた選手も多かったが、日本代表指揮官はチームの積み上げに手ごたえを示した。

「メンバーは多少入れ替わりながらも、チームの戦い方で攻守のコンセプトをピッチ上で表現するという部分やクオリティは上がっていったと思う。相手が対策を練ってくる中での対応力も上がった」と述べた。

だが同時に、「W杯で勝つために、さらに選手個々のレベルアップをお願いしたい」と選手たちへの注文も忘れなかった。

日本代表の次の活動は来年3月。その後は6月のW杯開幕へ向けて、5月には大会メンバーの発表が見込まれている。

本大会に臨む選手の絞り込みについて、森保監督は、当初は9月から徐々にチームを固めていく予定にしていたが「ケガ人やまだまた見たい選手がいて、切り替わった」と軌道修正を明かした。

その上で、「本当に力のある選手、1年後に成長を期待できる選手を含めて(チームの)幅を広げながら戦術の浸透を図り、最後にW杯直前で固めていく。本当に状態の良い選手、プラス、チーム一丸と戦うために必要な選手を選んでいきたい」と方向性を示した。

W杯組み合わせ抽選会

12月5日(日本時間6日)にはアメリカのワシントンD.C.でW杯の組み合わせ抽選会が行われ、グループステージの対戦相手が決まる。

抽選会の仕組みはまだ発表になっていないが、従来の方式では最新のFIFAランキングを元に出場48チームを開催国を除いて上位から順に12チームずつが4つのポットに分配される。

レベルの近いチームを分散させるのが狙いで、各ポットから1チームずつが引き当てられ、計4チームで1つのグループを編成する。

11月19日に発表された最新のFIFAランキングで日本は1つ順位を上げて18位。ポット2に入ると見込まれている。

取材・文:木ノ原句望

日本代表11月ガーナ代表戦、ボリビア代表戦選出メンバー

GK
早川友基(鹿島)
小久保玲央ブライアン(シントトロイデン)
鈴木彩艶(パルマ)

DF
谷口彰悟(シントトロイデン)
板倉滉(アヤックス)
渡辺剛(フェイノールト)
安藤智哉(アビスパ福岡)
瀬古歩夢(ル・アーヴル)
菅原由勢(ブレーメン)
鈴木淳之介(コペンハーゲン)

MF/FW
遠藤航(リバプール)
南野拓実(モナコ)
鎌田大地(クリスタル・パレス)
小川航基(ナイメヘン)
前田大然(セルティック)
堂安律(フランクフルト)
上田綺世(フェイノールト)
田中碧(リーズ)
町野修斗(ボルシアMG)
中村敬斗(スタッド・ランス)
佐野海舟(マインツ)
久保建英(レアル・ソシエダ)
藤田譲瑠チマ(ザンクトパウリ)
北野颯太(ザルツブルグ)
後藤啓介(シントトロイデン)
佐藤龍之介(岡山)

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