【サッカー日本代表】W杯前最後の欧州2連戦で本大会メンバーと戦術のチェックへ

サッカー

2026.3.27

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サッカーワールドカップ(W杯)北中米大会の6月開幕を控えて、日本代表がW杯出場を決めている2チームとのアウェイでの強化試合に臨み、スコットランド代表と3月28日(日本時間29日)にグラスゴーで、イングランド代表と3月31日(日本時間4月1日)にロンドンのウェンブリーで対戦する。

今回の2連戦がW杯メンバー発表前最後の実戦の機会で、次回の活動は本大会メンバー発表後になると見込まれるため、選手にとっては貴重なアピールの場だ。

同時に指揮官にとっては、昨年11月以来の活動でしばらく時間が空いたため、本大会へ向けて代表チームとしての目線を合わせ、改めて戦い方を確認する重要な機会でもある。

日本代表の森保一監督も今回の活動について、「W杯への選手選考の場(であり)、チームの強化をしっかりとできるように全力で頑張る」と表明。そして、「もう一度チームの基本コンセプトを確認して、より多くの選手に戦術の共有をしていく」と話している。

日本代表のほとんどの選手が欧州を活動の舞台としていることから、時差や長距離移動に悩まされることなく活動に入ることができるのはプラス材料だ。

招集メンバーには、指揮官が本大会メンバーを決める前にその目で確かめたい顔ぶれが並び、ケガの影響で長く代表戦から遠ざかっていたDF伊藤洋輝(バイエルン)、MF三笘薫(ブライトン)、GK鈴木彩艶(パルマ)らが復帰した。

だが、約1年9か月ぶりに招集されていたDF冨安健洋(アヤックス)と、昨年11月に続いての活動機会を得ていたDF安藤智哉(ザンクトパウリ)が怪我のために不参加となった。

冨安については、森保監督が伊藤とともに本大会を睨んで「彼らのポテンシャルを考えれば、コンディションが良ければ日本代表に選ばれてW杯の舞台で戦うことは当然あっていい」と述べて、今回の活動でコンディションを確認したいと話していただけに残念に違いない。

だが一方で、最終ラインでは昨年6月の代表デビュー以来台頭著しいDF鈴木淳之介(コペンハーゲン)や、逆転勝利した昨年10月のブラジル代表戦で存在感を見せたDF渡辺剛(フェイエノールト)、DF谷口彰悟(シントトロイデン)らが選出されており、彼らも生き残りをかけた試合になる。

攻撃陣では負傷離脱中のMF南野拓実(モナコ)、MF久保建英(レアル・ソシエダ)が不在だが、昨年9月のアメリカ遠征以来の復帰となった鈴木唯人(フライブルク)と佐野航大(ナイメヘン)が選ばれており、十分なアピールとはならなかった前回の印象を覆したいところだろう。

ほかにも、今回活動中に21歳になったFW塩貝健人(ヴォルフスブルク)が初招集され、FW後藤啓介(シントトロイデン)、FW佐藤龍之介(FC東京)とともに活躍の機会を狙っている。

森保監督は「W杯で勝つために、我々の最大値の可能性を考えられる選手」を招集した上で「最後に最強のチームを作っていく」と話しており、今回の遠征でどういう組み合わせを試すのか、興味深い。

W杯基準のインテンシティを体感したい

日本はW杯のグループステージで欧州勢2チーム(オランダと、ポーランドまたはスウェーデンの欧州プレーオフB勝者)との対戦が決まっている。

今回対戦するスコットランド、イングランドについて森保監督は「両チームとも高いインテンシティ(強度)で戦えるチームで、W杯で上位進出できる力がある。W杯基準のインテンシティを体感できれば」と言う。

遠征第1戦で対戦するスコットランドは、欧州予選最終のデンマーク戦で後半アディショナルタイムに2得点を挙げる劇的勝利(4-2)を挙げて、4勝1分け1敗でC組を1位で突破した。1998年以来、実に28年ぶりで通算9度目の本大会出場となる。

今回3月の連戦では日本とコートジボワール(31日)との対戦で、招集メンバーは欧州予選を戦った顔ぶれが中心だ。

MFスコット・マクトミネイ(ナポリ)、FWチェ・アダムス(トリノ)、デンマーク戦で2-2の均衡を破る決勝ゴールを挙げたDFキーラン・ティアニー(セルティック)らをはじめ、昨年6月以来の復帰となったDFネイサン・パターソン(エバートン)や初招集のU21代表FWフィンドレー・カーティス(キルマーノック)を擁している。

日本はスコットランドとのアウェイ戦はこれが初めてとなる。過去に3度ある対戦はいずれも日本で行われて日本の1勝2分けで、今回の対戦は2009年10月の国際親善試合(日本○2-0)以来の顔合わせだ。

一方、2戦目に対するイングランドとは2010年5月の国際親善試合以来の対戦で、通算成績は日本の1分け2敗と勝ち星はない。

イングランドは昨年のW杯欧州予選ではアルバニア、セルビア、ラトビア、アンドラとの対戦を8戦全勝で、しかも得点22失点ゼロの好成績で、1位で突破した。今夏の北中米大会には8大会連続通算17回目の出場となる。

近年は2018年ロシア大会ベスト4、2022年カタール大会ベスト8、2024年欧州選手権(EURO)では準優勝と、主要国際大会で上位に入る安定した力を示している。

イングランドは今回のホームでのウルグアイ代表と日本代表との2連戦に35人を招集。

FWハリー・ケイン(バイエルン)やMFジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)、DFジョン・ストーンズ(マンチェスターC)ら常連組のほかに復帰組も多く、代表デビューを待つ3選手を含めて代表経験の浅い選手も少なくない。

スコットランド、イングランドともにW杯へ向けた準備の一戦で、対戦相手が従来までとやり方を変える可能性もある。だが、森保監督は「そこも臨機応変に対応できるようにしたい」と話している。

FIFAランキングでは日本の19位に対して、スコットランドは38位、イングランドは4位。本大会へ向けたメンバー選考や戦術の再確認という森保監督の狙いとともに、チームの現在地を確認するには良い2連戦に違いない。

本大会開幕まで約3か月弱。日本代表は、この2連戦でどんな収穫を手にできるのか。

取材・文:木ノ原句望


【日本代表 3月スコットランド代表戦、イングランド代表戦選出メンバー】

GK
早川友基(鹿島アントラーズ)
大迫敬介(サンフレッチェ広島)
鈴木彩艶(パルマ)

DF
谷口彰悟(シントトロイデン)
渡辺剛(フェイノールト)
冨安健洋(アヤックス)
安藤智哉(ザンクトパウリ)
伊藤洋輝(バイエルン)
瀬古歩夢(ル・アーヴル)
菅原由勢(ブレーメン)
鈴木淳之介(コペンハーゲン)

MF/FW
伊東純也(ゲンク)
鎌田大地(クリスタル・パレス)
三笘薫(ブライトン)
小川航基(ナイメヘン)
前田大然(セルティック)
堂安律(フランクフルト)
上田綺世(フェイノールト)
田中碧(リーズ)
町野修斗(ボルシアMG)
中村敬斗(スタッド・ランス)
佐野海舟(マインツ)
鈴木唯人 (フライブルク)
藤田譲瑠チマ(ザンクトパウリ)
佐野航大 (ナイメヘン)
塩貝健人 (ヴォルフスブルク)
後藤啓介 (シントトロイデン)
佐藤龍之介 (FC東京)


<日本代表 英国遠征 試合日程>
■国際親善試合 対 スコットランド代表
試合日:2026年3月28日(土)
キックオフ:17:00(日本時間29日 2:00)
会場:ハムデン・パーク(スコットランド/グラスゴー)
対戦:スコットランド代表 対 SAMURAI BLUE(日本代表)

■国際親善試合 対 イングランド代表
試合日:2026年3月31日(火)
キックオフ:19:45(日本時間4月1日 3:45)予定
会場:ウェンブリー・スタジアム(イングランド/ロンドン)
対戦:イングランド代表 対 SAMURAI BLUE(日本代表)