「コースと仲良くできた人が優勝する」―― 福田萌維が挑む初優勝。茂木宏美プロが語る「ゴルフ5レディス」最後の18ホール

左から青木瀬令奈、木戸愛、福田萌維、鳥居さくら、金田久美子 PHOTO:Getty Images
緑豊かなみずなみの森に囲まれた戦いも、残すはあと18ホール。
JLPGAツアー2026シーズン第25戦『ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント』は土曜日の第2日を終え、明日いよいよ最終決戦を迎える。
今大会のコースセッティング担当でJLPGA公式配信の解説も務める茂木宏美プロに「ゴルフ5」にちなんで"5つの注目ポイント"を聞いた。
スコアを見た茂木プロの率直な印象は「"初優勝を狙う若手"を"経験豊富なベテラン勢"が追う展開が面白そう」通算11アンダーで単独首位に立つのは、プロ2年目の福田萌維。
その背中を、通算9アンダーのルーキー鳥居さくらが2打差で追う。
さらに3位タイには木戸愛、そしてアマチュア時代からこのコースをよく知る青木瀬令奈。9位タイには金田久美子もつけ、若手2人による初優勝争いに、経験豊富なベテラン勢が割って入る構図となった。
しかし、今大会のコースセッティングを担当する茂木宏美プロが、最終日のキーワードとして挙げたのは、意外にも"相手"ではない。
「みずなみコースと一打一打向き合うこと」
――それが、最後の18ホールを戦う上で何より大切だという。
では、選手たちはこのコースと、どう向き合うのか。
①見えない先をイメージして、振り切れるか
まず選手たちを待ち受けるのが、ティーショットだ。
みずなみコースには、ティーイングエリアから見たときに「着弾地点が見えない」など、見た目からプレッシャーを感じさせるホールが多い。
ボールをどこへ運ぶのか。その先に何が待っているのか。そんなホールで重要になるのが、自分の中で弾道を描くことだ。茂木プロは、大会前に青木瀬令奈と話をした際、青木がこんな話をしていたと明かす。
「着弾地点が見えなくても弾道をイメージして、見える木をターゲットにして振り切っていくことが大事」
目に見えるものをターゲットにして、自分がイメージした球を打つ。言葉にすればシンプルだが、優勝争いの最終日となれば、その一振りには大きなプレッシャーがかかる。
だからこそ、迷わないこと。「ここに打つ」と決めたら、最後まで振り切る。最終日のスタートから、選手たちの"判断"が試される。
②「ピンを刺せる人」は、ティーショットにも強くなる
そして、ティーショットの先にあるのが、2つ目のポイント。
グリーンが止まりやすいみずなみコースでは、最終日も「積極的にピンを狙えるか」が勝負の分かれ目になる。
もちろん、そのためにはティーショットをフェアウェイに置くことが重要だ。
しかし、土曜日のプレーを見た茂木プロは、首位を走る福田萌維のプレーに、その"理想"を超える強さを感じ取っていた。
前半の6番、そして9番。福田はラフからでもピンを狙ってきた。その姿を見た茂木プロが注目したのが、福田のアイアンショットだ。
「クラブの入れ方、ヘッドの抜き方が上手い」
ラフに入ってもピンを狙える。多少ティーショットでプレッシャーがかかっても、次の一打で攻め返すことができる。
それは、優勝争いを戦う上で非常に大きな武器になる。福田が土曜日までに見せた強さのひとつは、まさにここにあるのかもしれない。
③勝負は16番から、そして最後の2ホールへ
最終日のクライマックスは、終盤に待っている。
茂木プロが明確にポイントとして挙げたのが、16番、17番、18番だ。
16番はパー5。ここでは「バーディーが欲しい」。
一方、その先に待っている17番、18番は最難関のホールだ。
ここでは、「ティーショットからボギーを打たないようにプレーしたい」という。
つまり、最後の2ホールで勝負を決めようとしてはいけない。
「いかに17番、18番に来るまでに貯金を作って余裕を持って最終盤に臨めるかがカギ」
――これが、茂木プロの見立てだ。
④青木瀬令奈が見せた「コースとの付き合い方」
そんな最終盤の戦いを考える上で、今日ひとつ象徴的なプレーがあった。
それが青木瀬令奈の17番での選択だ。この日は17番のティー位置が前に出ていた。しかし、青木はドライバーを持たなかった。
茂木プロは青木のプレーのマネジメントに光るものを感じていた。そして、茂木プロによれば、青木だけではない。
「ベテランだけでなく上位の選手たちはマネジメントがしっかりできていた」という。
最終日は、技術だけではなく、その一打をどう選択するのかが問われる。
⑤福田萌維は「優勝」を意識した経験を、どう生かすか
そして、誰よりも注目を集めるのが、首位の福田萌維だ。
ツアー初優勝がかかる最終日。
しかも、2位には2打差で鳥居さくら、さらにその後ろには経験豊富な選手たちが控えている。
当然、意識しないことのほうが難しい。
実際、茂木プロは土曜日の福田の後半にミスが出たことについて、「優勝を意識していたようにも見えた」と振り返る。
しかし、その経験を最終日前にできたことは、むしろプラスなのではないかという。
優勝を意識したとき、自分のプレーがどうなるのか。どんなところでミスが出るのか。
それを最終日の前に経験できた。今年、ステップ・アップ・ツアーで優勝を経験している福田。その経験も、きっと最後の18ホールで生きてくる。
あとは、自分のスコアではなく、次の一打をどう打つのか。茂木プロが福田に期待するのも、そこだ。
「一打一打と向き合えるか」
以上の5つのポイントを総括して、茂木プロが最後に示した言葉は、シンプルだった。
「コースと仲良くできた人が優勝する」
果たして、新緑のみずなみコースと最後に親睦を深めることができるのは誰なのか。
初優勝を目指す福田萌維か。2打差で追う鳥居さくらか。
あるいは、木戸愛、青木瀬令奈、金田久美子ら経験豊富なベテラン勢が、最後の18ホールで一気に流れを引き寄せるのか。
実力伯仲の戦いをリアルタイムで刮目せよ。
優勝争いの行方はあす9月6日(日)午後1時30分からBSテレ東で生放送します。