【菊花賞】三冠達成の確率は50%!? 春の二冠馬ロブチェンが挑む最後の難関

ロブチェン(c)SANKEI
牡馬クラシック三冠の最終戦、第87回菊花賞(GI・芝3000m)が10月25日、京都競馬場で行われる。
最大の注目は、皐月賞、日本ダービーを制した春の二冠馬ロブチェン(牡3 父ワールドプレミア)。2020年のコントレイル以来、6年ぶり史上9頭目となるクラシック三冠制覇を懸け、松山弘平騎手とのコンビで大一番に挑む。
「ノーザンファーム生産馬」と言えばエリートに感じるが、血統は極めて地味なもの。
父ワールドプレミアはこの世代の産駒が初年度で未知数な上、母ソングライティングの産駒にはこれといった活躍馬は不在。当時の担当者も「馬体と脚のバランスがいい」という以外、特に目立つことはなかったという。
ただ、調教が進むにつれてロブチェンはその片鱗を見せるようになる。
そのひとつがあの走り方。首を低く下げて馬体と一直線になる独特のフォームはこの頃から見られた。
それと同時に肺炎どころか病気ひとつ掛からないという内面の強さ。心身ともにどっしりと落ち着き払った様子はまさに堂々とそびえたつ山脈とほぼ同じだった。
やがて「ロブチェン」という馬名が与えられると、その実力を遺憾なく発揮。
2歳暮れのホープフルSは7番人気の伏兵扱いながら、中団から差してきて2歳王者の座に就くと3歳春の皐月賞はサンライズシリウスとの逃げ争いを制してそのまま押し切り勝利。
そしてダービーは8枠17番という枠を考えてか、中団から動くという戦法を選び、ゴール寸前に首を下げてさらにひと伸び。
先に動いたパントルナイーフをギリギリ差し切り二冠達成。ひと夏を越えて迎えた神戸新聞杯は内から抜け出したアルトラムスとの追い比べをハナ差だけ制して勝利してみせた。
ホープフルS以降、2着馬に付けた着差は3/4馬身が最大とその勝ち方は決して派手ではないが、あの独特なフォームで追う姿は迫力満点。
類稀な勝負根性こそがこの馬最大の武器であるだけに、今度の菊花賞も直線で頭を下げ、身体を低くして懸命に伸びてくることだろう。その先に待っているのが史上9頭目となる三冠馬への頂だ。
菊花賞で牡馬三冠制覇を目指して挑んだ二冠馬はこれまでに16頭いるが、その成績は[8・3・1・4]と勝率で見るとちょうど5割。
春の二冠馬とて決して盤石ではないということを表しているように思える。それだけに今年も伏兵の台頭が注目される。
■文/福嶌弘