【日本ダービー】タイトルホルダーの生産者『馬を見る天才』岡田牧雄 亡き兄に捧げる、餞の勝利を
2021.5.28
「日本ダービー」競馬界最高の栄誉を手にするために、今年もホースマンたちが熱い戦いを繰り広げる。3歳馬7398頭の頂点を目指し、熾烈な争いを勝ち抜いてきた精鋭たち。その知られざる舞台裏に迫った。
タイトルホルダーは皐月賞で8番人気という低評価ながら、懸命に粘ってエフフォーリアの2着に食い込み、ダービーへの出走権を得た。
先行して自分でレースを作っていける強みを武器にしてデビュー以来、掲示板を外したことがないというこの世代屈指の堅実派だが、この馬を語る上でタイトルホルダーの生産者である岡田牧雄のことは欠かせない。
昨年は無敗での牝馬三冠を達成したデアリングタクトを見出すなど「馬を見る天才」として知られる人物として競馬界にその名をとどろかせるが、そんな彼にとってもタイトルホルダーは特別な存在。
母のメーヴェは自身が所有して5勝を挙げた活躍馬で、大きな期待を背負っての繁殖入りを果たしたが、メーヴェは繁殖牝馬としては大きな欠点があった。
それは産駒の馬体が大きくならないこと。初仔のメロディーレーンはJRA史上最低馬体重の336キロで優勝するなどの記録を樹立するほど小さな馬で、競走馬に慣れないのではと懸念されたほど。
初仔は得てして小さく生まれるというが、それでもメロディーレーンは小さすぎた。それゆえに2番仔のタイトルホルダーも小さな馬体で生まれたが、岡田は成長を促すためにえりも町にあるオカダスタッドえりも分場であるトレーニングを幼きタイトルホルダーに課した。
それは昼夜放牧。1年中強風にさらされ、野生動物も牧場内に現れるという厳しい自然環境の中で20時間の放牧を行い、運動量を増やした。
かつてデアリングタクトも経験したハードなトレーニングをこなしたことでタイトルホルダーにも大きな成長があった。
「思っていたよりも大きくなったし、成長力を感じた」と岡田が目を細めたようにたくましく成長したタイトルホルダーはいつしか100頭近くいる生産馬の中から「一番いい馬」と岡田に言わしめるほどに。
1歳秋にはノルマンディーファームに移動し、坂路で追われるようになったが、その動きは抜群。調教に跨った助手たちもダービーの舞台で走るタイトルホルダーに想いを馳せていた。
それだけ期待を込めていた生産馬、タイトルホルダーのダービー出走。さぞかし期待しているかと思われたが、ダービーへの思いを岡田に伺うと、少々意外な答えが返ってきた。
「私にはダービーを獲れるという感覚がない」。長年、競馬に携わってきたからこそ感じるダービーの重み、そして強い馬づくりへのこだわりには偉大なホースマン――兄である岡田繁幸こそ、その人である。
「マイネル」や「コスモ」の冠名で知られるだけでなく、競馬ファンからは「総帥」という愛称で親しまれてきた。数多くのGIタイトルを手にしてきた偉大なホースマンだが、ダービーは30回以上挑戦して勝てないまま、この世を去ってしまった。
「今でも兄貴が近くにいるような気がする」と語る弟・牧雄。偉大なるホースマンである兄への餞となるダービーの勲章を、手塩にかけて育ててきたタイトルホルダーが叶えてくれるかもしれない。
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<番組内容>
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<出演者>
【ナレーター】浅香航大
<取材>
【騎手】武豊、池添謙一、横山武史 ほか
【調教師】国枝栄、鹿戸雄一、池添学、宮田敬 ほか
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URL:https://www.tv-tokyo.co.jp/japan_derby2021/