「新庄剛志が思う野球を目指してほしい」日本ハム新監督・新庄剛志へ送る、キヨシ流のエールとは?

野球

2021.11.2

    新庄剛志、中畑清 テレビ東京スポーツ.jpg

    日本ハムの新監督に新庄剛志が就任するというビッグニュースに湧いたプロ野球界。

    ド派手なパフォーマンスでチームはもちろん、パ・リーグを大いに盛り上げ、現在のパ・リーグ人気の礎を作ったとも言える球史に残るエンターテイナーながら、指導者経験ゼロという状態での監督就任となった新庄剛志に対し、中畑清は新庄監督就任について持論を展開。

    世間のイメージとはかけ離れている新庄の素顔とともに、実は自身に起こっていた噂の真相についても語った。

    新庄の思いを理解するスタッフを揃えられるかがポイントに

    10月29日、プロ野球界を震撼させるビッグニュースが飛び込んできた。

    北海道日本ハムファイターズの監督を2012年から務めてきた栗山英樹が退任し、後任の監督として新庄剛志が就任することを発表。新庄にとって2006年の現役引退以来、16年ぶりとなる現場復帰となった。

    メジャーから復帰した2004年から3シーズン、日本ハムでプレーした新庄は北海道へ移転したばかりのチームを様々なパフォーマンスで盛り上げたことでチーム、そしてパ・リーグを大いに盛り上げた。

    プロ野球史上に残る史上最高のエンターテイナーともいうべき選手の現場復帰はファンや識者の間で賛否両論あるが、果たして中畑清はどう見たのだろうか。

    「『新庄監督、どうでしょうか?』と聞かれれば、『楽しみです』という気持ちと『不安だな』という気持ちがあるね」と自身の想いを正直に吐露した中畑。

    自身も横浜DeNAベイスターズの監督を2012年から4シーズン務め、監督業の難しさは重々承知している。それ故の不安と楽しみが交差するという。

    「楽しみな理由は、今まで新庄がしてきたことを見ていると、今までにない監督像をイメージできるから面白いんだろうなという期待感かがあるからかな。ただ、勝負事だから監督は勝てるチームを作らないといけない。俺もそうだったけど、就任当時の戦力や選手の質によって野球のスタイルは変わるから」

    新庄が指揮を執る日本ハムは2016年に日本一に輝いて以来、5年間でAクラスはわずか1度きり。

    今季は2年連続で5位に低迷しただけでなく、中田翔の後輩選手への暴行問題など、チームの成績以上に暗いニュースが相次いだ。

    そんなチームを根底から変えるために新庄へ白羽の矢が立ったということだが......その道は中畑が言うように決して簡単なものではないはず。ましてや新庄は現役引退から16年間、一度も指導者としてユニフォームを着たことがないのだから。

    では、新庄監督の成功のポイントはどこにあるのか? その1つとして中畑は「スタッフ」と答えてくれた。

    「1番大事なのは新庄が目指している野球をどれだけ理解して、それをサポートしてくれるスタッフ、あるいは新庄にチームのことを思ってアドバイスができるスタッフがどれだけいるのかどうかだと思う。新庄がどういうスタッフを選んで、シーズンを通じて戦えるチームを作るかが大事だと思うな」

    新庄ほどではなかったにしても、中畑も現役時代はその明るい性格とファンサービス精神が旺盛だったことからさしずめ"昭和のエンターテイナー"とも言えるだろう。

    新庄と中畑......時代こそ違えど、ファンを優先してきた2人のエンターテイナーには果たして、面識はあったのだろうか?

    「実は交流そのものはないんだよね。ただ、普段から非常に規律正しい人という印象がある」と、新庄を評した中畑。

    例えば飛行機でたまたま同じ便だった際、新庄の方からしっかりと挨拶してくるという。そうしたメリハリが利いた点、オンオフのスイッチがはっきりしているところを誉めつつ、中畑は新庄監督の未来像をこう思い描いていた。

    「『監督』って、冷静沈着な判断をしてチームを勝ちに導いていくというのがセオリーみたいなところがあるし、チームを勝ちに導いていくという絶対的な使命感を持って戦うというのが監督像でもあるけれど、それ以外にもお客さんへのアピールもプロにとっては大切な要素。新庄はその点はズバ抜けているよね。新庄剛志という監督がそのスタイルを貫くのか、監督になったからと言って180度変わっていくのかという見方も楽しみのひとつじゃないかと思うな」

    まさにゼロからのスタートとして、新監督に新庄を選んだ日本ハム。チームにとって最高の功労者とも言える新庄に監督就任を依頼するという今季のプロ野球界最大のサプライズと言える人事が起こったが......

    この発表前、ある噂がファンの間でも飛び交っていた。それは「中畑清の日本ハム監督就任話」。その真相についても中畑は語ってくれた。

    「そういう噂があったらしいけど、俺の方には話は来なかったよ。というのも、俺は伊藤ハムと長らくCM契約を結んでいたので、(ライバル会社の)日本ハムとは契約できないという間柄なんだよね。それでももし、話が来ていたなら聞こうかなとは思ったけど(笑)」

    自身に遭った噂に対して、笑いを含めながらこう返してくれた"昭和のエンターテイナー"中畑。最後にこれから日本ハムの監督に就任する"平成のエンターテイナー"新庄剛志にこんなエールを送った。

    「新庄は監督になるけれど、あまり重いものを背負わないで、新庄剛志が思う野球を目指してほしいな。野球界の形に捕らわれないでいろいろなことにチャレンジしてきた男だからこそ、そういう新庄の良さを発揮したらどうなるか、逆に発揮しなかったらどうなるかとか、いろんな見方がある。角度を変えながら新庄を追いかけていきたいよね。ファンの皆さんとともに俺も、新しい日本ハムを見てみたいと思うな」