髙木美帆 髙木菜那 佐藤綾乃 銀メダル「大切なことに気付けたオリンピック。前を向いて歩いて行きたい」【五輪団体パシュート】

銀メダルを獲得した(左から)髙木菜那、髙木美帆、佐藤綾乃
北京オリンピック スピードスケート 女子団体パシュートで銀メダルを獲得した髙木美帆、髙木菜那、佐藤綾乃の日本代表3選手が20日、記者会見を行った。
■メダル獲得記者会見
ー銀メダルを獲得した今の気持ちは
髙木美帆選手:金メダルを逃してしまった悔しい気持ちは消えていないんですが、それでもチームメイトやコーチ、日本にいる方々に「すごく感動した」「笑ってほしい」などの言葉を頂いたことによって少しずつ前を向くことができたなと思っています。
今はこのメンバーで戦えたことを誇りに思うことができているので、それも皆さんのお陰でもあるなと強く思っています。
佐藤綾乃選手:金メダルを狙っていたのでもちろん色々な思いはありますが、美帆さんが言っていたようにたくさんの方々から言葉を頂いたお陰で、銀メダルではあったけれどもこれまでの努力が報われた瞬間でもあったなと思いました。
あとは他の国の選手にはできないような私たちの強み、チームワークや足を揃えるタイミングなど美しい日本らしいスケーティングを最後まで届けることができたと思っています。
髙木菜那選手:私は今回のオリンピックが辛いオリンピックになってしまったなという思いがあって、この銀メダルもすごく悔しいメダルになったという思いがあります。
中々気持ちの整理がつかずにどうやって前を向けばいいんだろうと思っている中で、チームメイトの温かさだったりコーチ方の支えだったり、日本の方々からの励ましの言葉が自分の心の支えになって、最後は挫けずにもう一回前を向くことができたのかなと思うので、悔しい思いと共に色々なことの大切さを改めて知ることができた銀メダルになったなと思います。
ーこの4年で世界が追いかけてくるような存在になったことについて
髙木(美):周りの国の選手からそう言ってもらえることは光栄に思っています。ただ、今は身が引き締まる思いというか更に超えていけるような行動をしなくてはいけないのかなと感じている部分もあります。
佐藤:そう思って頂ける選手になれたことは私としてはすごく嬉しく思います。あとはやっぱり日本にしかできないこと、逆に他の国にしかできないことをお互いにリスペクトし合えていると思っているので、すごく良い関係性でここまで戦って来られていると思っています。
髙木(菜):私はソチオリンピックシーズンから8年間チームパシュートのメンバーとしてやってきたんですが、最初の方は全然勝てない時期があって、そこから色々な作戦を立てたりオランダのコーチが来て自分達の個人レベルが上がったりする中で佐藤も加わり、今こうやって世界を引っ張ることのできるチームパシュートを作り上げることができて誇りに思いますし、だからこそこれからもっと色々な進化やチャレンジをしていかなければ他の国に勝つことは難しくなっていくんじゃないかなと思っています。
切磋琢磨してスピードスケートのレベルがどんどん上がっていることはすごいことだなと改めて感じました。
女子団体パシュート日本 Photo by Douwe Bijlsma/BSR Agency/Getty Images
ー自分へのご褒美に何がしたいか
髙木(美):美容室にちゃんと行けていないので、一度日本に帰って落ち着いたら美容室に行きたいなと今思っています。
佐藤:コロナ禍で外食ができず大好きな肉寿司を我慢してきたので、帰ったらテイクアウトして肉寿司を食べたいなと思います。
髙木(菜):会いたい人に気軽に会いに行けなかったので、帰ってからできる訳ではないですがコロナが落ち着いたらお世話になった人達に会いに行きたいです。あと今本当は、すごく美味しいすき焼きが食べたいです。
ー選手村の食事で美味しいものは
佐藤:ほぼ毎日食べていたのはドラゴンフルーツです。すごく美味しくて毎食食べていて、気分が上がりました。あと途中から押切さん(押切美沙紀選手)と美帆さんに教えてもらったしゃぶしゃぶがあって、ほとんど日本のお肉と変わりなくてそれから毎日食べていました。
髙木(菜):選手村では佐藤と同じしゃぶしゃぶが一番美味しかったなと思います。あと日本棟内にG-Road Station(JOC設置)というのがあって、私は白いご飯が好きなので普通に300gくらい食べていたんですが、量も気にせず行ったらすぐに食べられる環境を整えて下さっていて選手にとってとても有り難かったです。
髙木(美):選手村の食事で生野菜とフルーツが食べられたのはとても良かったことだと思います。トマトやブロッコリーを毎食食べていました。あと納豆は、タンパク質が足りないと感じれば毎食食べる日もあって、最低でも1日1パックは食べていた気がします。
ー佐藤選手の成長について
髙木(菜):上から目線みたいになっちゃいますが、佐藤が社会人になった頃からアスリートとしてだけでなく人としてすごく成長したなと肌で感じています。
私達は上下関係がすごくある関係性ではないんですが、みんなが居やすいように些細な気遣いだったり後輩の役目を自分から買って出てくれたり。6年間ずっと一緒にいますが大学を卒業して社会人になった時に成長を多々感じてすごいなと思います。
髙木(美):スケーターとしての点で言うと、ここ2年間は直接スケートのことを話さなくても佐藤が考える、質の高い考え方をするようになったなとすごく感じました。
特に昨シーズンコロナで海外に行けなくなって今シーズンは久しぶりの海外シーズンになったんですが、その中でも取り組みに対する思考の質が変わったのかなと感じています。
ー佐藤選手、お二人の言葉を受けて
佐藤:うふふふ嬉しいです(笑)。普段こんな褒めてもらえることはないので嬉しいです。
自分でもスケーターとして人として成長したなと感じる部分はあるんですが、でもそれも自分だけで成長できたとは思っていなくて、普段からこの6年間一緒に過ごしてきた菜那さんや美帆さん初めたくさんの先輩方の行動を私なりに見て真似て大きく成長するすることができました。
この二人にはスケーターとして本当に学ぶことが多くて、私が持っていない技術だったりスケートに対する強い思いだったり、私も「今まで何していたんだろう」と思うくらい昨シーズン辺りから変えることができて、二人が日頃から支えてくれたお陰でここまで強くなれたのかなと思っています。
ーこのオリンピックを通じて得たもの、今後の目標は
髙木(美):このオリンピックは本気の気持ちを味わえる場所だと感じています。またそれを周りの人達と共有できることもオリンピックならではだと思います。この本気の舞台で本気で戦えることはすごく幸せなことだし、思い返すと辛い期間もありましたが楽しかったなと感じています。
まだ私のシーズンが終わっていなくて、次は長距離に挑戦します。次の戦いはまたゼロからの戦いだと思っているので新しい気持ちで挑みに行きたいなと思いますし、この大会で応援してくださる方々からのエールの力をすごく感じたので、それをそのまま繋げてシーズン最後まで走り切りたいなと思います。
佐藤:今まで以上に誰かの為に頑張りたい、結果を残したいと思ったオリンピックでした。
チームパシュートに関しては自分も含めて、菜那さん押切さん美帆さんの為に金メダルを獲りたいという思いがすごく強かったですし、1500mで滑り終わった後に満足感や達成感を得たのももちろん自分が頑張ってきたこともありますが、サポートして下さった方々への感謝の気持ちがすごく大きかったので満足感を得られたのかなと思います。
今後の目標はまだ世界選手権とW杯最終戦があるので、今の力でどこまで行けるのか一つ一つの種目を楽しみながら最後まで戦いたいなと思います。
髙木(菜):今回辛い形で終わってしまったオリンピックだなと思うんですが、この4年間色々な思いを感じながら自分なりに一番時間をかけてスケートに取り組んできた4年間でした。
それが自分が思い描いた形では終われなかったですが、それでもそれ以上に大切なことに気付けたオリンピックだったなと思うので、この辛い思いがこれからの人生で自分の糧になったと思えるように前を向いて歩いて行きたいと思います。
私も今シーズンまだ2戦残っているので、最後まで良い形で終われるように前を向いて全力で頑張って行きたいなと思っています。