森保監督 W杯8強入りへ 準備に苦悩「これまでの開催日程なら戦術的な落とし込みもできたが...」

2022 FIFA W杯 組み合わせ抽選会 森保一監督 写真:ロイター/アフロ
今年11月にカタールで開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)へ出場するサッカー日本代表の森保一監督は、欧州視察で日本選手が所属するクラブの練習や試合へ足を運びながら、従来と異なる準備状況に頭を悩ませながらも、目標とするW杯8強入りへ準備と戦いのイメージを膨らませている。
7大会連続7度目のW杯出場を手に3月29日にアジア最終予選を終えると、その3日後、森保監督はカタールのドーハへ飛んで本大会組み合わせ抽選会に出席。
そこで、ドイツとスペインという大会優勝経験のある2か国と、コスタリカまたはニュージーランドのプレーオフ勝者という日本の対戦チームが決定した。
その結果を手に、日本代表指揮官はドイツへ飛び、デュッセルドルフを起点にドイツ、ベルギーやオランダなどの日本人選手が所属するクラブを中心に練習や試合に足を運び、ホテルでもそのほかの試合をチェック。
3月の最終予選で活躍したMF三笘薫選手(サンジロワーズ)や代表常連のMF遠藤航選手(シュツットガルト)はじめ、招集のなかったMF堂安律選手(PSV)、MF鎌田大地選手(フランクフルト)らにも熱い緯線を送る。
ドイツ2部では板倉滉選手(シャルケ)が相手DF2人を抜いてゴールを決めて勝利を収めたハイデンハイム戦をスタジアムで観戦して、「日本人として誇らしい気持ちになった」と喜んだ。
直接自分の目で選手の現状を確かめながら、森保監督が思いを巡らせているのが本大会への準備だが、今大会へはそこが悩みの種となっている。
カタール大会が従来の6~7月とは異なる11月~12月開催のため、準備のプロセスもこれまでとの違いが出ている。
各国では11月21日の開幕直前までリーグ戦が行われており、選手は大会直前に代表チームに集結することになる。このため、時間を割いた長期の合宿はできない。
しかも、海外組を招集して代表戦が行えるのは6月と9月の国際マッチデーのみで、合計6試合。時間的な限りがある。これが代表の戦力チェックに影を落としている。
代表活動期間は新たな選手を招集して練習や試合でチェックする機会でもあるが、その新戦力チェックも、今大会特有の事情でどこまで実現可能か。
欧州滞在中の森保監督はオンラインで取材に応じて、「W杯まで6試合、あと2回の活動しかないと考えると、そこまで広げていけるのか考えないといけない」と、従来と勝手の違う状況に準備の悩みを口にした。
「これまでの開催日程なら、1ヵ月から2週間のキャンプができたり、親善試合で戦力を見極めて戦術的な落とし込みもできたが、今回は直前の週末まで(所属先で)試合をしてからカタールに集まって1週間も経たないうちに大会が始まる。事前キャンプは行えない」と指摘する。
このため、選手の移動の負担などを考慮して、日本代表は開催国カタールのドーハに集合し、11月23日のドイツ代表との初戦へ向けて、現地で調整をする計画を明らかにした。
選手選考についても森保監督は、「当初、(メンバーを)ラージグループに広げて2試合ぐらいやってと思っていたが、そんな余裕はあるのか」と自問自答を繰り返しているという。
裏を返せば、活動期間に手元に呼んでチェックしたい新戦力がいるということだろう。メンバー選考は「実績も見るが、今、実力があるのは誰か」を念頭にチェックするという。
チームは最終目標を見据えてコンセプトを設定してアジア最終予選を戦ってきたが、本大会へ向けてチームとしての成熟度も上げなければならず、多くの選手を呼べば実戦で使う機会が限られているため、チームへの融合という点に疑問も生じる。誰をどこまで組み込めるか。確かに、ジレンマに違いない。
さらに、7月には東アジア4カ国対抗戦のE-1 選手権も予定され、日本は国内組で臨む予定でいるが、開催国の中国ではコロナ禍での入国制限などがあり、同国での開催が危ぶまれている。代替国での開催も検討は広く報じられている。
森保監督は、E-1選手権について「国内組の貴重な経験の場で、代表チーム全体のレベルアップ、Jリーグを含めた国内サッカーの盛り上がりやレベルアップにつながる」と話す。
一方で、日本代表指揮官は、3月末にFIFAランク1位に返り咲いたブラジルとの6月中の対戦が検討されていることを明かした。
「可能であればブラジルのようなFIFAランク上位の強豪と試合をしたいと常々お願いしている。実現すれば選手スタッフは嬉しいし、ファンも楽しみにできる」と話し、さらに新たなファン獲得も視野に「ブラジルであれば、サッカーに興味のない人にも興味を持ってもらえる」と話している。
取材・文:木ノ原句望
【W杯カタール大会 グループステージ組み合わせ】

日本はドイツ、スペインとグループステージで対戦 写真:AP/アフロ
■グループA
カタール、エクアドル、セネガル、オランダ
■グループB
イングランド、イラン、アメリカ、欧州プレーオフ勝者(ウェールズ、スコットランド、またはウクライナ)
■グループC
アルゼンチン、サウジアラビア、メキシコ、ポーランド
■グループD
フランス、大陸間プレーオフ勝者(UAE、オーストラリアまたはペルー)、デンマーク、チュニジア
■グループE
スペイン、大陸間プレーオフ勝者(コスタリカまたはニュージーランド)、ドイツ、日本
■グループF
ベルギー、カナダ、モロッコ、クロアチア
■グループG
ブラジル、セルビア、スイス、カメルーン
■グループH
ポルトガル、ガーナ、ウルグアイ、韓国