斉藤和巳が語る大谷翔平の”考えられない”スゴさとは?「僕がやると潰れる自信がある」

野球

2022.5.2

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    2度の沢村賞を受賞するなど、負けないエースと称された元ダイエー・ソフトバンク 斉藤和巳さんが、大谷翔平の変化について語った。

    ピッチャー大谷の凄さや、ピッチャーから見るバッター大谷の怖さなど、斉藤さんならではの視点で解説してもらった。

    斉藤和巳 解説

    ー昨年と比べて、ピッチングはどうか?

    投げている姿を見ると昨年よりも不安なく腕が振れている感じがするので、自分の投げたいボールを投げられる割合がより多いんじゃないかなと思います。ピッチャーとしては昨年よりもかなり良いスタートを切っているような気がします。

    数字的には防御率は今のところ昨年よりも悪いのかもしれませんが、内容的にはすごく良いと見ています。球の質も上がっているでしょうね。

    ー斉藤さんの27歳の頃と比べると?

    自分もそのくらいの時期に数字を残させてもらいました。一番脂が乗ってくる年齢に差し掛かって来ているのかなと思います。逆に言うと、まだ脂が乗っていない時期にこれだけのことを成し遂げてきたので、これからどうなっていくのか楽しみです。

    昨年は二刀流でやってピッチャーでは二桁勝てなかったので、今年はピッチャーとしてもタイトル争い、ゆくゆくはピッチャーとバッターの両方で終盤までタイトル争いをしていくようになるんじゃないかなと思います。そうなっていってほしいと思っています。

    もう漫画の(世界のような)選手なので。今までのプロ野球界の歴史では成し遂げていないことをやってきています。今年に関してはメジャーでも「大谷ルール」ができて、野球界のルールまで変えてしまうような選手なので、もはや彼は漫画の世界の実写版です。僕らが考えられないようなことを彼が起こしてくれるという楽しみが今後も続くと思います。

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    ー似た体型の斉藤さんと大谷選手。フォームはどう見ている?

    大谷選手は日本にいた時と今のアメリカでは、投球フォームが明らかに違いますよね。左足の着き方や右足の使い方です。

    当時の自分が今の大谷翔平の投球フォームで投げろと言われたら、潰れる自信があります。それぐらい、あれだけの手足の長さと上背がある選手が体をあんなにダイナミックに使いこなせるのはすごいことだと思います。

    ちょっとした体のブレが大きな影響を及ぼしてしまうのですが、あれだけの出力を出して最後には力をしっかりと流せるということは中々できることではないので、自分には絶対に真似できないです。

    僕はあそこまで腕が振り切れないです。僕も肩を故障して彼は肘ですが、あれだけのダイナミックさでいくと僕は肩が飛びそうで怖いですね。自分の場合はコンパクトにコンパクトに、とやっていかないと怖さがありました。足のつま先から末端まで全体を使っていく投げ方は、爆弾を持っている僕からすると考えられないですね。それができるのがすごいです。

    あのボディを見たら分かりますが、メジャーの選手に引けを取らない体をしていますからね。彼の場合はただ大きいだけでなくて、大きさプラス柔軟性があります。柔らかさが備わっている上で力の入れ方や抜き方も上手いので、他の選手は中々敵わないと思います。

    ー打者・大谷翔平を今年はどう見ている?

    そんなに昨年との違いは感じないですね。ただ、バッテリーの攻めが厳しくなってきてインサイドを突いたり緩急をつけたりする部分もあるので、打ち損じが少しあります。

    でもそこは紙一重のところで、自分のポイントで自分のスイングができるようになったら早いと思います。超一流選手はそうですが、何かきっかけが掴めればというところだと思います。きっかけを掴むタイミングが来たら、またポンポンポンとホームランを量産する時期が出てくると思います。

    スイングを見ていると若干タイミングが合わなかったり差し込まれていたりするのですが、打球の角度を見るとピッチャーからしたら怖いなと思う角度に上がっているので、あと少しのところかなという感じがしています。

    ー斉藤さんが投げるとしたらどう攻める?

    やっぱりあれぐらいの選手はインサイドにいかないと。インサイドにいって低目やアウトコースで遠く見せるという作業をしないと、反対方向にも大きいのが打てますしアウトコース一辺倒では中々難しいですね。渋らせない、踏み込ませないというところは、強打者相手には共通するところだと思います。