混沌とする男子90kg級 リオ五輪金・ベイカー、『令和の三四郎』村尾ら 激戦必至【柔道GS東京】

ベイカー茉秋 写真:森田直樹_アフロスポーツ/村尾三四郎 写真:Panoramic_アフロ
勝てば「1階級1人だけ選ばれる」パリ五輪日本代表にも大きく前進する、東京五輪以来の国際大会・柔道グランドスラム東京2022<12月3日、4日>が東京体育館で行われる。
男子90㎏級はリオオリンピック金メダリストのベイカー茉秋(日本中央競馬会)、東京オリンピック混合団体銀メダリストの向翔一郎(ALSOK)、今年の世界選手権代表の増山香捕(パーク24)と日本代表だけでも強豪をひしめき合う。
とりわけ東京オリンピック以降、目立った活躍を見せている村尾三四郎(東海大学)を優勝候補に推す声が高い。
母親はアメリカ人でニューヨーク生まれ。三四郎という名前は「生粋の日本人として育つように」という両親が願いをこめて名付けたという。
5歳のとき、姉の影響で柔道衣に袖を通した村尾は柔の道を歩き始めた。なかなか全国優勝することができなかったが、中2のとき近代柔道杯決勝で一本勝ちするなどチーム優勝に貢献すると覚醒。
中3になると、全国中学校柔道大会で5試合連続オール一本勝ちを収め優勝するなど目立つ存在になる。高3のときには早くも全日本選手権に出場して一回戦を突破。さらに同年繰り上げで初出場することになったグランドスラム(GS)大阪では3位決定戦を制し銅メダルを獲得した。
その後の活躍はいわずもがな。今年6月の全日本学生柔道優勝大会で体重差が75㎏もある斉藤立(国士舘大)との16分超に及ぶ代表戦を上四方固めで制し、母校を6大会連続26回目の優勝に導いた。
直近の試合は10月の学生団体戦で、村尾は決勝で天理大に勝つもチームは敗れ準優勝に終わった。試合後、村尾は「自分の試合でもあるけど、これは団体戦。とにかくチームで勝つことを目標に置いていたので悔しい」と唇を噛んだ。
「団体戦は自分の勝ちで全て決まるわけではないので難しい。自分はキャプテン。4年生の最後の団体戦で勝ちたいという思いもあった」
その一方で村尾はグランドスラム(GS)東京を見据えていた。
村尾三四郎 写真:Panoramic_アフロ
「個人的にはGS東京がすごく大事な大会になるので、そこに向けての団体戦でもあった。試合勘だったり自分の仕上がりを確認することができたので、そういう意味ではいい試合ができたかなと思う」
選手としての強みは、内股や大外刈りなど投げ切る技を持っているということ。
「改めて(学生団体戦で)自分の組み手や間合いになれば、相手を投げられるという自信を深めました」
2023年には世界選手権の代表権を獲るという大きな目標もあるだけに、村尾のモチベーションは高い。
「だから与えられた試合に勝っていく。12月はGS東京でしっかり勝ち切ることが目標です」
国際試合になれば、審判が指導をとるタイミングも変わってくると読む。
「だから自分から展開を作ったり、どんなバリエーションで攻め手を出していくか。そういうことを考えながら闘いたい。内容より、とにかく結果を求めて優勝したい」
パリオリンピックに向けて令和の三四郎の大きな一歩となるか。
(スポーツライター 布施鋼治)