日本代表、W杯8強入りの悲願達成へ クロアチアと対戦
2022.12.5
サッカー日本代表がワールドカップ初の8強進出にあと1勝と迫っている。
カタールで行われているワールドカップ(W杯)でドイツ代表、スペイン代表を撃破して決勝トーナメント1回戦に進出し、12月5日(日本時間6日)にラウンド16で前回大会準優勝のクロアチア代表と対戦する。
2018年ロシア大会では子のラウンドで勝利を逃した日本だが、4年を経て悲願達成となるか。
4度目の挑戦だ。
1998年のW杯初出場から7大会連続7度目の出場でカタール大会に臨んでいる日本が過去16強に進出したのは3回。
日韓共催となった2002年は雨の宮城スタジアムでトルコに0-1で敗れ、2010年南アフリカ大会ではパラグアイと延長0-0の死闘を演じて最後PKで涙をのんだ。
ベスト8に最も近づいたのは前回2018年ロシア大会だったが、ベルギーに後半半ばまで2-0のリードを奪いながら終盤に失速。2-3で勝利を取りこぼした。
ロストフでのあの敗戦後に発足した現在の日本代表は、当時コーチとして帯同していた森保一監督のもと、カタール大会でのベスト16の壁の突破を目標に、「新しい光景を見る」を合言葉にチーム作りが進められてきた。
途中、指揮官が兼任で率いた東京オリンピックを戦った若手をフル代表に引き上げて世代交代を図りながら、代表経験のある顔ぶれとの融合を図ってきた。
ロシア大会のチームから今大会のメンバーに残っているのはGK川島永嗣選手(ストラスブール)、DF長友佑都選手(F東京)、DF吉田麻也選手(シャルケ)、DF酒井宏樹選手(浦和)、MF柴崎岳選手(レガネス)、MF遠藤航選手(シュツットガルト)の6人。
遠藤選手は当時出場機会がなかったが、今では中心選手の一人としてチームに貢献している。
クロアチア戦は、いわば、チームの集大成とも言える一戦で、4年前の苦い敗戦からの歩みと成果が問われる機会になる。
相手は前回2位になったクロアチア。ロシア大会では決勝トーナメントで延長PKでの連戦を制して決勝へ進出。フランスに敗れて初優勝は逃したが、大会で快進撃を見せたチームだった。そこで活躍したMFルカ・モドリッチ選手(レアル・マドリード)は、今回のチームでも中心選手として存在感を見せている。
グループステージではF組でモロッコ、ベルギーと0-0で分け、カナダに4-1で逆転勝ち。FWアンドレイ・クラマリッチ選手(ホッヘンハイム)が2得点し、イバン・ペリシッチ(スパーズ)が2得点に絡んだ。
守備では3試合で失点1は守備の堅さを物語り、粘り強さは武器。前回大会でも指揮を執ったズラトコ・ダリッチ監督は、「諦めない点には自信がある」と話している。
中東クラブを率いてACL(AFCチャンピオンズリーグ)を戦った経験もあり、日本についても「日本はボール支配率は低いが、すばらしい切り替えで攻めて来る。屈せずに集中力を高めて戦いたい」と話している。
だが日本代表の森保一監督は、「この4年で一番感じているのは選手個々の成長が大きい」と話し、ロシア大会のベルギー戦に言及して「あの敗戦があったから、成果と課題を活かそうと今大会へチーム作りをしてきた。
日本のW杯6大会のつみあげと、このチームの選手たちの積み上げがある」と話してここまでのチームの成長と戦いぶりに強い手ごたえを示している。
日本は今大会、グループステージ初戦で強豪ドイツを倒し、コスタリカ戦は取りこぼしながらも、最終戦で力強い復帰を遂げてスペインに勝利。ドイツ、スペインというW杯優勝経験のある2チームに勝利して、世界を驚かせるグループ1位突破を見せた。
特に後半交代出場する選手が試合で違いを示し、ドイツ戦、スペイン戦は堂安律選手(フライブルク)が投入直後に得点を決めて、チームの勝利に貢献している。
1位突破で波に乗るチームの勢いはもちろん、選手層の厚みやチームの総合力が感じられる戦いを見せているが、それをクロアチア戦でも発揮できるか。しかも決勝トーナメントは90分で決着がつかなければ延長、PK戦もある。まさに、チームの力が試される場だ。
グループステージ最終戦のスペイン戦では、日本はコスタリカ戦からメンバーを入れ替え、ドイツ戦を戦ったメンバーを中心に戻しながら、今大会初めてスタートから3バックを採用した。
大会初出場の谷口彰悟選手(川崎)が吉田麻也選手(シャルケ)、板倉滉選手(ボルシア)の最終ライン、守田英正選手(スポルティング)と田中碧選手(デュッセルドルフ)のボランチで臨んだ。
だが、前半はスペインにボールを握られる展開で、開始12分に前線でパスをつながれて、最後は今大会初先発のFWアルバロ・モラタ選手に3戦連続ゴールで先制を許した。
だが、後半開始から三笘薫選手(ブライトン)と堂安律選手(フライブルク)を投入して反撃。2得点を奪い逆転した。
同点ゴールは開始3分、三苫選手と前田選手が相手DFを自陣深くに追い込み、GKウナイ・シモン選手へボールを渡したところをさらに前田選手がプレス。
苦し紛れに味方へ蹴り出したボールを伊東純也選手(Sランス)が相手と競り合って落とす。これを受けた堂安選手が内へ切り込んで左足を鋭く振ると、パワフルな一撃がゴールネットに突き刺さった。
前田選手は試合前から足元に不安な要素を抱える相手GKの弱点を把握。試合前半の終盤にGKに激しく寄せる動きで、一度ジャブを入れていた。そこで得た感覚をフルに生かしたプレーが得点につながった。
さら同点ゴールから3分後、勢いを得て攻める日本は堂安選手が右からクロス。これが逆サイドに流れところを、三笘選手と前田選手が猛追。ラインぎりぎりで三笘選手が中へ折り返すとゴール前に走り込んだ田中碧選手(デュッセルドルフ)が押し込んだ。
この決勝弾は三笘選手の折り返し前にボールがラインを割ったかが焦点となったが、VARチェックで完全に割っていないと確認。得点が認められると、スタジアムは大歓声に包まれた。
田中選手は「薫さんがうまく残してくれた。入ると信じてやり続けたのがよかった」と言い、三笘選手は「足が長くてよかった」と茶目っ気たっぷりに、折り返したプレーを振り返った。子供のころから一緒にサッカーをしてきた二人の息の合ったプレーだったが、「ここ」というポイントでギアを上げて攻め込む、日本の強さが出た瞬間でもあった。