【W杯】アルゼンチンが3発快勝!クロアチアを破って36年ぶりの優勝へ王手

サッカー

2022.12.14

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    写真:PA Images/アフロ

     12月13日にドーハの北のルサイル・スタジアムで行われた準決勝で、アルゼンチン代表が前回大会準優勝のクロアチア代表に3-0と勝利。2大会ぶり6度目の決勝となる18日の大一番で、前回覇者のフランスか今大会大躍進のモロッコと対戦する。

     MFリオネル・メッシ(PSG)とアルゼンチン代表が圧巻のパフォーマンスで、ワールドカップ(W杯)カタール大会で36年ぶりの優勝へあと一歩と迫った。

     今大会、これまでとは明らかにレベルが違う。そう感じさせる気迫、集中力、冷静で的確な判断と精度の高いプレー。敵将クロアチア代表のズラトコ・ダリッチ監督が思わず、「真のメッシがいた。予想を超えるパフォーマンスをしてきた」と舌を巻いたパフォーマンスを35歳MFがフルに発揮。チームを勝利へけん引した。

     2大会連続の決勝進出で初優勝を目指すクロアチアがボールを支配して試合を進めるなか、「我慢の戦いになる」(DFニコラス・タグリアフィコ)と話していたアルゼンチンは、その通りに相手に激しくプレッシャーをかけながら勝機を探り、ここぞというタイミングでボールを奪い、相手ゴールに襲い掛かった。

     先制点は30分過ぎ。ハーフウェイライン付近からの縦パスにFWフリアン・アルバレス(マンチェスターC)が抜け出してペナルティエリアに切り込んで右足でシュートを狙うと、詰めてきたGKドミニク・リヴァコヴィッチ(ディナモ・ザグレブ)に倒されてPKを獲得。

     これをメッシが左足で右上に蹴り込んで先制した。前半34分だった。

     アルゼンチンはその4分後には自陣からの速攻で攻撃を畳みかける。ここまで5試合でわずか1失点と堅守と粘り強さで勝ち上がってきたクロアチアに、守備を立て直す時間を与えない。

     クロアチアのCKからクリアボールをつなぎ、パスを受けたメッシが相手に倒されながらも前線へボールを送る。これを受けたアルバレスが自陣からスピードに乗ったドリブルで一気に持ち上がり、途中、相手に2度触られながらも跳ね返りを体で受けて巧みに収めて直進。流れるような動きのまま、最後は右足で相手GKの脇のスペースへ押し込んだ。

     あっという間の2得点に、満員の88.966人で埋まったスタジアムは大歓声に包まれ、"アシスト"したメッシも、優れた個人技と決定力を発揮した22歳のFWに抱きついてゴールを祝福した。

     クロアチアは今大会を通じてあまり先発を変えずに戦い、この日もラウンド16の日本戦から2戦連続での延長PK戦となったブラジルとの準々決勝と同じ先発で臨んでいた。だが、疲れも出たか、MFルカ・モドリッチ(レアル・マドリード)を中心に組み立てるプレーにも切れがなかった。

     後半もアルゼンチンが優勢に試合を進め、メッシの動きにも陰りは全く見られない。アルゼンチン代表キャプテンは、後半13分には左サイドでのワン・ツーからペナルティエリア左に切り込んで鋭く左足を振り、相手ゴールを脅かした。

     圧巻は後半24分のプレーだ。右サイドのスローインでボールを受けるとドリブルで持ち上がる。クロアチアDFヨシュコ・ヴァルディオル(クロアチア・ザグレブ)のマークを、緩急をつけ、ターンでかわして相手を翻弄。

     ペナルティエリア深くまで切り込むと、相手守備陣を引きつけてゴール前にマイナスのパスを送る。すると、これをアルバレスが受けて右足でゴールに流し込んだ。

     クロアチアは選手交代やロングボールで反撃の糸口を探るが、波に乗ったメッシと攻守の切り替えも反応も鋭く、相手に隙を与えない。チームとして質も一体感もある戦いを見せるアルゼンチンを止める術は残っていなかった。

     クロアチアのダリッチ監督は、「アルゼンチンの勝利を祝福したい。最初の30分はよかったが、ミスもあって、最初の失点で試合は違う方向に進んでしまった」と肩を落とした。

    2大会連続での決勝進出はならなかったが、クロアチア代表指揮官は、「切り替えて次の試合に臨んで3位のメダルを勝ち取りたい。それができれば、若い世代にとって良い結果になるはずだ」と先を見据えた。

     一方、アルゼンチン代表のリオネル・スカロニ監督は勝利に目を赤くして、「とても感動している。選手は開始1分から素晴らしいプレーをした。相手の中盤3枚は厄介だったが、我々は自分たちのスタイルで戦おうと考えて、やるべきことをやった」と満足気に振り返った。


    取材・文:木ノ原 句望

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