サッカー日本代表 9月欧州遠征 森保監督「未来に向けた」選出

サッカー

2023.9.3


森保一監督 写真:JFA/アフロ

サッカー日本代表の9月欧州遠征メンバーが発表になり、ドイツ代表(9日、ヴォルフスブルク)とトルコ代表(12日、ゲンク)との連戦に臨む26人が判明。

DF冨安健洋選手(アーセナル)の復帰し、DF毎熊晟矢選手(C大阪)が初選出されたが、MF三笘薫選手(ブライトン)ら主力に今年の活動で力を発揮してきた選手での構成となった。

今季も好調を維持している三笘選手やMF伊東純也選手(スタッド・ランス)、MF久保建英選手(レアル・ソシエダ)らをはじめ、MF遠藤航選手(リバプール)、MF鎌田大地選手(ラツィオ)、FW上田綺世選手(フェイエノールト)らは今夏の移籍で活躍の場を新天地に移して間もなくの参戦になる。

また、負傷から回復した冨安選手は昨年のワールドカップ(W杯)カタール大会以来、MF田中碧選手(デュッセルドルフ)も今年3月以来の復帰だ。

3月の2連戦以降、次の2026年W杯へ向けてスタートした第2次森保監督体制で出場機会を得てきたDF菅原由勢選手(AZアルクマール)、DF森下龍矢選手(名古屋)、FW中村敬斗選手(スタッド・ランス)らが名を連ねた。

だが、J1リーグで3戦連続ゴールなど得点ランクトップの19得点(8月31日時点)で存在感を発揮しているFW大迫勇也選手(神戸)や、フランスのリーグ・アンで開幕から3試合で3ゴール2アシストをマークしているMF南野拓実選手(モナコ)の名前はなかった。

森保監督は「いいプレーをしていること」を選考基準の一つに挙げ、初選出となった毎熊選手についても「Jリーグで活躍して存在感を出している」と評価。メンバー入りとならなかった大迫、南野の両選手についても「選考の段階で選手たちのプレーは確認している」としたが、その上で「これまでの活動と、未来へ向けて総合的に考えて決めた」と話した。
 指揮官の念頭にあるのは、2026年W杯アジア2次予選とアジアカップだ。前者は11月に始まり、後者は来年1月12日にカタールで開幕する。それぞれ組み合わせも決まっている。

その前の試合機会は今回の2試合と、10月の国内での2試合(13日カナダ代表戦、17日チュニジア代表戦)のみ。

チームは3月から選手の顔ぶれも入れ替わり、ボールを保持して主導権を握って試合を進める方向性や、戦い方のオプションを増やすことなどに取り組んでいる。それを受けて、重要な戦いを前にチームのベクトルを合わせ、戦い方のベースを固めておきたいと考えても不思議ではない。

大迫選手や南野選手らについては、これまでの代表戦で彼らのプレースタイルを十分把握していることもある。3年後のW杯北中米大会を睨んで、現時点では次世代の選手に機会を与えて代表での成長を期待する思惑もあるだろう。

森保監督は、「これから始まるW杯アジア2次予選とアジアカップへ向けて、チームとしての戦術の共有と幅を広げていけるように臨みたい」と述べている。

また、今回のドイツとの対戦では特に、「世界のトップ基準を持っている力のあるチームとの対戦で、今の我々の力を把握する」という狙いもある。

前回のドイツ戦は、昨年W杯カタール大会のグループステージ初戦。日本は堅守速攻で臨み、2-1の逆転勝利を収めて世界を驚かせた。この勝利を足掛かりに日本は16強入りにつなげたが、ドイツはその後も振るわずにグループステージ敗退となった。

その対戦から約10ヶ月。日本はメンバーも入れ替わり、カタール大会の反省をもとに、ボールを保持して戦う形に挑んでいる日本が、アウェイの地でどんな戦いができるのか。

森保監督は「大きなチャレンジをさせてもらう貴重な機会。世界トップ基準を持つドイツとドイツの地で戦えることは、すべてにおいて経験値が上がり、レベルアップにつながる」と話し、今後のステップアップを睨んで期待度は高い。

ただ、日本代表指揮官は、「我々がボールを握ってゲームをコントロールすることは目指していかないといけない」としながらも、「すべてがひっくり返って我々が完全支配して戦えることにはならない」とコメント。急激に大きな変化が生じるものではないと注意を促す。

「W杯でもいい守備からいい攻撃と粘り強く戦った上で最後に試合をモノにできた。我々の強みや、あの試合で良かったことを忘れずに、攻撃のパーセンテージとチャンスの回数を増やしていけるように、ベースづくりと少しずつ積み上げていくことを考えてチャレンジしたい」と語っている。

ドイツ代表も9月の日本代表とフランス代表(12日)との2連戦に臨むメンバー24人を発表。そのうち、昨年のW杯での日本戦に絡んだメンバーはFWセルジュ・ニャブリ選手ら先発が8人、交代出場2人、ベンチ入り4人の14人を数える。

今回のメンバーのなかで最多代表戦出場者はMFヨシュア・キミッヒ選手(ミュンヘン)の79試合、2番手はMFイルカイ・ギュンドアン選手(バルセロナ)の67試合で、どちらも昨年のW杯での悔しさを体感した。一方で、三笘選手とブライトンで同僚のパスカル・グロスが代表初選出されている。

ドイツはW杯後は今年3月のペルー戦に勝利したが、その後6月までの4試合で1分3敗と白星から遠のいている。世界ランクも15位(日本は20位)とトップ10から外れているが、W杯優勝4回の実績もある。

今回の日本戦では、前回対戦の雪辱を期して臨んでくるのは間違いない。日本も堅守速攻からバージョンアップした姿を模索している段階だ。W杯とは異なる親善試合だが、日本代表の力量を試すにはこれ以上ない機会だろう。

日本チームは各選手の所属先での週末の試合を経て9月4日にドイツのヴォルフルブルクで調整を始める。


取材・文:木ノ原 句望

■日本代表9月欧州遠征メンバー

GK
シュミット・ダニエル(シントトロイデン)
中村航輔(ポルティモネンセ)
大迫敬介(広島)

DF
谷口彰悟(アルラヤン)
板倉滉(ボルシアMG)
森下龍矢(名古屋)
町田浩樹(サンジロワーズ)
毎熊晟矢(セレッソ)
冨安健洋(アーセナル)
伊藤洋輝(シュツットガルト)
橋岡大樹(シントトロイデン)
菅原由勢(AZ)

MF/FW
遠藤航(リバプール)
伊東純也(ランス)
浅野拓磨(ボーフム)
古橋亨梧(セルティック)
守田英正(スポルティング)
鎌田大地(ラツィオ)
三笘薫(ブライトン)
前田大然(セルティック)
堂安律(フライブルク)
伊藤敦樹(浦和)
上田綺世(フェイエノールト)
田中碧(デュッセルドルフ)
中村敬斗(ランス)
久保建英(レアル・ソシエダ)

■ドイツ代表9月日本戦&フランス戦メンバー

GK
オリバー・バウマン(ホッフェンハイム)
マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン(バルセロナ)
ケビン・トラップ(フランクフルト)

DF
エムレ・ジャン(ドルトムント)
ロビン・ゴセンス(ウニオン・ベルリン)
ベンヤミン・ヘンリヒス(ライプツィヒ)
ヨシュア・キミッヒ(バイエルン)
フェリックス・ヌメチャ(ドルトムント)
アントニオ・リュディガー(レアル・マドリード)
ニコ・シュロッターベック(ドルトムント)
ニクラス・ジューレ(ドルトムント)
ヨナタン・ター(レバークーゼン)
マリック・チャウ(ミラン)

MF/FW
ユリアン・ブラント(ドルトムント)
ニクラス・フュルクルク(ブレーメン)
セルジュ・ニャブリ(バイエルン)
パスカル・グロス(ブライトン)
イルカイ・ギュンドアン(バルセロナ)
カイ・ハバーツ(アーセナル)
ヨナス・ホフマン(レバークーゼン)
ジャマル・ムシアラ(バイエルン)
レロイ・サネ(バイエルン)
ケビン・シャーデ(ブレントフォード)
フロリアン・ヴィルツ(レバークーゼン)