【香港ヴァーズ】日本勢の3連覇ならず 伏兵ジュンコが優勝 ゼッフィーロは2着、1番人気のレーベンスティールは最下位
2023.12.11
Photo by Yu Chun Christopher Wong/Eurasia Sport Images/Getty Images
日本の競馬ファンにとって、すっかりおなじみとなった香港国際競走。毎年のように日本馬がシャティン競馬場で勝利を収める姿を見てきたが......今年は2018年以来となる勝ち星ゼロ。世界に名だたるスターホースたちの前に歯が立たなかった。
まずは日本馬が2連覇中だった香港ヴァーズ。
今年はセントライト記念で皐月賞馬ソールオリエンスを破ったレーベンスティール、アルゼンチン共和国杯で重賞初制覇を飾ったゼッフィーロと、勢いに乗った上がり馬2頭とエリザベス女王杯勝ち馬のジェラルディーナという強力な布陣で日本馬3連覇に挑むこととなった。
直前にイギリスのウエストウインドブローズが取り消したことで8頭立ての少頭数でのレースとなった一戦は地元のラシティブランシュが逃げ、日本馬にとって最大のライバルであるアイルランドのウォームハートをマークする形でジェラルディーナが付け、その後ろにゼッフィーロとレーベンスティールが並ぶという隊列になった。
1000mの通過タイムが1分5秒台というスローな流れとなり、先頭からシンガリまでの差は5馬身差以内という具合で馬群は詰まっていたが、その中では熾烈なポジション争いが。
3~4番手をキープし続けたジェラルディーナに対し、首がやや縮こまったような走りで折り合いを欠き気味に上がっていったレーベンスティール。そしてレーベンスティールを見ながらゼッフィーロは一を下げて内側に進路を取りに行くなど、それぞれの思惑を持ったまま最後の直線に入った。
最終コーナーを回ったところで先頭に立ったウォームハートを真っ先に捕えに行ったのがレーベンスティール。
セントライト記念の時のように伸びてくるかと思われたが、そこで脚が止まり失速。内で進路を得ようともがいていたジェラルディーナとその外にいたゼッフィーロが替わって追撃を開始したが、それを大外から交わしに行ったのが伏兵ジュンコ。
ジュンコはゴールまで残り150mのところで前を行くウォームハートを捕まえて先頭に立つと、ウォームハートとジュンコの間を縫うようにして上がってきたゼッフィーロに1馬身の差を付けてゴール。日本馬によるこのレース3連覇を阻む激走を見せた。
フランスの名門、アンドレ・ファーブル調教師が管理するジュンコは前走ドイツのバイエルン大賞を逃げ切ったタフネス。道中は後方を追走するなどそれまでとは異なるレースの形となったが、スローな流れからのスタミナ比べで本来の力を生かすことになった。
惜しくも大金星を逃したゼッフィーロだったが、2頭の真ん中をこじ開けるようにして伸びてきた脚は特筆もの。GⅠ初挑戦となったここでも成長した姿を見事に見せてくれたと言えるだろう。
■文/福嶌弘