日本代表 原点回帰のプレーで16強 久保「冨安選手に行けと言われたら行かなきゃいけない」と苦笑い【サッカー アジア杯】
2024.1.29
久保建英 Photo by Etsuo Hara/Getty Images
日本代表が原点回帰のパフォーマンスでアジアカップ決勝トーナメントへ進出。
チームは、気持ちも新たに次の1月31日のバーレーン戦へ準備を進めている。
カタールで開催中のアジアカップで日本は1月26日のグループステージ最終戦でインドネシアに3-1で勝利。今大会これまでの不振を払しょくするプレーを見せてD組2位で16強入りを決めた。
引き分け以上で2位突破、敗れると3位通過へ他グループの結果待ちという一戦で、日本代表が本来の良さを取り戻す動きで勝利を手にした。
鍵になったのは最終ラインの押し上げと前線への指示で、チーム全体の選手の距離感が改善されて前線からの守備を取り戻した。
その統率を、今大会初先発のDF冨安健洋選手(アーセナル)が担い、1-2で敗れたイラク戦から彼を含めて8人を入れ替えた顔ぶれで実践した。
チームは動きも軽快に、前線からプレッシャーをかけて相手ボールを奪い、素早い切り替えで攻撃につなげた。FW上田綺世選手(フェイエノールト)が2得点を決め、ハットトリックこそ逃したものの、チーム3点目のオウンゴールを引き出した。
前半6分のPKでの先制点につながったプレーも、後ろからテンポよく前線へ展開したもの。
冨安選手からDF毎熊晟矢選手(C大阪)へ出し、毎熊選手からMF/FW堂安律選手(フライブルク)へつなぐと、堂安選手がペナルティエリアの上田選手へパス。
これを受けた上田選手が相手DFに倒され、VAR判定で獲得したPKを上田選手がしっかりと決めた。
2点目は後半6分、堂安選手がドリブルで運んでMF/FW中村敬斗選手(スタッド・ランス)に預けて追い越し、左サイド深くに攻め入ってクロスボールを送ると、ファーサイドに入った上田選手が捉えて決めた。
さらに終盤の3点目は、MF/FW伊東純也選手(スタッド・ランス)が交代出場直後に右サイドでボールを受けて駆け上がり、ペナルティエリア右の上田選手へパス。
上田選手はターンして相手DF陣が寄せる狭いエリアで右足を振ると、相手に当たってゴールに入った。
日本は後半アディショナルタイムに左サイドからのスローインを起点に得点を許した。
今大会初のクリーンシートは逃したのは課題だが、チームが基本とする「いい守備からいい攻撃」のハードワークと攻撃の連係が戻ってきたことは大きい。
「ベトナム戦とイラク戦はやるべきことをやっていなかった」という冨安選手は試合後、「守備と攻撃は間違いなくつながっている。いい時は全体がコンパクト。後ろが自信を持って前の選手に『行っていいよ』というのを伝えないとチームとして勢いも出ないし、自信も出てこない。『行っていいよ』という姿勢と声を見せないといけなかった。ベースに戻った」と話した。
その指示の声を聞いて前線で動きを活性化させたMF/FW久保建英選手(レアル・ソシエダ)は、「今日は後ろから『行け』という声を何回も聞いた。冨安選手に言われたら行かなきゃいけない」と苦笑い。「前の選手は疲れたけど、前半の出来には個人的には満足」と振り返った。
堂安選手は、この試合でプレスバックを評価されたことに「そもそも、そこを評価されている時点で、今までの2試合がどれだけ悪かったか分かる。今日のようなゲームがベースであるべき」と厳しい見方を示した。
いわゆる控え組主体で臨んだ試合で、本来あるべき姿を示した勝利に「出ていなかった選手が起爆剤となるようにピッチで表現できたし、途中から入って来る選手のクオリティーの高さは頼もしさしかない。優勝するべきチームだと、改めてピッチに立ちながら思っていた」と手ごたえを口にした。
冨安選手は、前回2019年大会では20歳で出場し、本職のセンターバック以外にもボランチでの起用にも応えて戦力として台頭したが、それから5年、今大会では最終ラインのリーダーとして存在感を示し、苦戦が続いていたチームの軌道修正に貢献した。
冨安選手は、「今日の試合は、自分たちが何ができるのか、何をしないといけないのかを表現しないといけなかった。その中で結果がついてきた。次につながる試合だった」と話した。
16強組み合わせは、1月28日にオーストラリア対インドネシア。
タジキスタン対UAE、29日にイラク対ヨルダン、カタール対パレスチナ、30日にウズベキスタン対タイ、サウジアラビア対韓国。
31日にバーレーン対日本、イラン対シリアとなった。日本は準々決勝に勝ち進めばイランとシリアの勝者との対戦となる。
取材・文:木ノ原 句望