日本代表 4強進出をかけた強豪イラン戦へ!通算対戦成績は日本の6勝5分け6敗【サッカー アジア杯】
2024.2.3
日本代表 Photo by Noushad Thekkayil/NurPhoto via Getty Images
サッカー日本代表が1月31日、カタールで行われているアジアカップ決勝トーナメント1回戦でバーレーン代表に3-1と勝利。
堂安律選手(フライブルク)、久保建英選手(レアル・ソシエダ)らが得点し、三笘薫選手(ブライトン)も途中出場で復帰するなど収穫を手にした8強入りで、3大会ぶり5度目の優勝を目指して2月3日の準々決勝でイラン代表と対戦する。
本来の良さを取り戻したグループステージ最終のインドネシア戦からほぼ同じ先発で臨んだ日本は、攻守にさらに改善したプレーで勝利。堂安選手と久保選手に毎熊晟矢選手(セレッソ大阪)が絡む形で好機を作り出した。
バーレーンは2試合ぶりに先発に戻った左サイドバックのDFハッザ・アリ選手を中心に試合開始から縦に押し込むプレーで圧力をかけ、FWアブドゥラ・ユスフ選手にボールを集めて攻めを試みたが、日本はDF冨安健洋選手(アーセナル)を中心に守備陣が危なげない対応。
最終ラインを押し上げ、前線からも相手にプレッシャーをかけてボールを奪い、優勢に試合を進めた。
先制は前半32分。
左サイドからパスを受けた遠藤航選手(リバプールFC)が毎熊選手にパスを出すと、毎熊選手が右足を振って強烈なミドルシュートを炸裂。左ポストに弾かれたが、堂安選手が跳ね返りに鋭く反応して流し込んだ。
さらに後半も開始直後の4分に、左サイドで相手ボールを奪った久保選手がショートカウンターを展開。
前線の上田選手と堂安選手へパスを送ると、二人が触らないまま相手DFのクリアがペナルティエリア左のオープンスペースに出る。
これを久保選手が捉えてゴールに蹴り込んだ。一度はオフサイドとコールされたがVARの確認でゴールが認められて日本が2-0とした。
久保選手は試合後、「オフサイドなのはわかっていたがプレーを止めたらもったいないし、ああいうのはオフサイドにならないと聞いていた」と、大会開幕前のレフェリングガイダンスで得た知識を活用したことを明かしたが、それが貴重な追加点につながった。
一方で、チームとして今大会初のクリーンシートは逃した。後半18分、バーレーンのCKに合わせたサイード・バケル選手のヘディングをGK鈴木彩艶選手(シントトロイデン)が上方に弾き、このセカンドボールのクリアで上田選手と交錯。オウンゴールを献上した。
この1点で相手サポーターが盛り上がり、バーレーンが盛り返したが、後半27分に毎熊選手のパスを受けた上田選手がペナルティエリアに切り込んで右足を振り、ダメ押しゴールで3-1として日本が勝利した。
怪我からの復帰を果たした三笘薫 Photo by Zhizhao Wu/Getty Images
三笘選手、途中出場で存在感
バーレーン戦では、三笘選手が待望の戦線復帰。2-1にされた直後にベンチが動いて後半22分から出場。すぐに左サイドで積極的に仕掛け、相手に傾きかけた流れを引き戻した。
試合後の三笘選手の自己評価は「少ないチャンスでやり切らないといけない。まだまだ物足りない」と低めだったが、緩急をつけてドリブルで相手を抜いてペナルティエリアへ切り込み、相手ゴールに迫るプレーはインパクトを残した。チームに強力な攻撃オプションが加わったのは言うまでもない。
イラン戦の前日練習後には、「試合に出られたのでコンディションは上がっている。次はもう少し上がった状態で出られると思う」と話して、仕上がりは悪くなさそうだ。
決勝トーナメントでの戦いについては、「まずはいい守備をする、先制点を与えないことが大事。延長を含めて我慢強く戦う。失点しても焦らないこと。得点してもプラン通り進める冷静さは必要」と話し、自身の役割については、「自分が打開して得点に関与する、守備でもチームのために走れれば」と話している。
イラン代表 アミール・ガレノエイ監督
過去3大会優勝の強豪イラン
イランは、UAE、パレスチナ、香港と同じグループCを3戦全勝で突破。ラウンド16のシリア戦では、後半終了間際に退場者を出して数的不利になりながらも延長1-1の末にPK戦を5-3で制して8強入りした。
アジアカップでは過去3大会で優勝の経験があり、昨年3月から指揮を執るアミール・ガレノエイ監督の下、昨年6月の中央アジアネーションズカップでは初代王者になった。
FIFAランクも日本の17位に対して21位で、長くアジア勢上位の座を維持。今大会優勝候補の一つだ。
イランのガレノエイ監督は、「日本はいいチームだが、我々も今大会ベストなチームの1つだ。シリア戦ではここ11ヶ月でベストのパフォーマンスをした」と日本戦を前に自信を示している。
欧州でプレーする選手も多く、フィジカルも激しく強い。FWメフディ・タレミ選手(ポルト)がシリア戦後半終了間際の退場で日本戦には出場停止だが、FWサルダル・アズマン選手(ASローマ)は健在。過去の日本戦でもかなり激しい競り合いを演じてきた一人だ。
DF町田浩樹選手(サンジロワーズ)は、欧州リーグで対戦経験のあるアズムン選手について、「体が強くてボールが収まる選手で得点に絡んで来る。起点を作らせず、(失点)ゼロで押さえることが大事。チームとしてキックオフに集中しようと話している」と話す。
久保建英 Photo by Koji Watanabe/Getty Images
鍵になるコンディション調整
日本もイランも31日の決勝トーナメントから中2日の日程だが、シリア戦は日本vバーレーン戦から約4時間半後に始まり、120分後にPK戦まで及んだ。90分で試合を終えた日本よりも体調面での負担が懸念される。
だが、前日会見に臨んだイランGKアリレザ・ベイランヴァンド選手(ペルセポリス)は、「我々は歴史を作るために来ている。スタッフのおかげでいいリカバリーができているし、チームメイトの表情もいい。いい準備ができている」と調整に自信を見せた。
大半が欧州でプレーしている日本の選手にとって、リーグ戦にUEFAヨーロッパリーグやチャンピオンズリーグが加わるなど、中2日での連戦は珍しくない。冨安選手も「連戦の方が体が動く選手もいる」と心配する様子はない。
バーレーン戦で今大会初得点を決めた久保選手は、前日練習後「練習が軽めの分、プレーの確認はしっかりできた」と話し、短期間への準備への不安を一蹴。
「ここから重要な試合になってくるが、その度に僕の活躍が増していければいい。相手も90分で終わらせるつもりで来ると思う。序盤からバチバチやっていけたら」と力強く話した。
チームから離脱の伊東純也 Photo by Zhizhao Wu/Getty Images
雑音に屈しない
右サイドで威力を発揮してきた伊東純也選手(スタッド・ランス)が週刊誌の報道を受けて2月2日付で離脱となった。
遠藤航選手(リバプールFC)は、「彼を失ってしまったのはチームとしてすごく痛いが、補うだけの選手がいると思う」と言う。
チームへの影響についても日本代表キャプテンは、「僕らはこのことがあったからといってチームがバラバラになることはない。常にまとまったチームとして戦っている。僕らの目標はアジアカップ優勝。やるべきことは変わらない」と話し、明日の試合へフォーカスをあてた。
堂安選手も、「こういう雑音が増えてきたときに屈しているようなら本当に強いチームじゃない。勝つために全員で準備したい」と話し、4強入りが懸かる一戦へ切り替えていた。
日本とイランは、日本が初のワールドカップ出場を決めた1998年フランス大会のアジア最終予選をはじめ、数々の激戦を繰り広げてきた。
通算対戦成績は日本の6勝5分け6敗。前回の顔合わせは2019年大会の準決勝で、日本が3-0で勝利している。
取材・文:木ノ原句望