バドミントン・大堀彩「一度は引退も考えました」どん底からパリへ 父がくれた言葉【パリ五輪】

大堀彩 PHOTO:Getty Images
<パリ2024オリンピック競技大会 7月26日(金)~8月11日(日)>
パリオリンピックが現地時間26日(金)に開幕する。今大会で33回目となる夏季オリンピック競技大会はフランス・パリを中心に8月11日まで開催される。
パリでオリンピックが開催されるのは1900年、1924年に続き3回目。本大会では32競技329種目が実施され、開会式ではパリ中心部を流れるセーヌ川が舞台となる。
バドミントン女子シングルス代表・大堀彩。27歳で初めてオリンピックの舞台に挑む。
「一度は引退も考えました」(大堀)という苦しい状況を乗り越えての夢切符獲得は、父均(ひとし)さんと二人三脚で歩んだ証し。
生まれは福島県。バドミントンを始めたきっかけは、実業団選手として活躍した両親の影響で6歳の時に始めた。
大堀「家で話すとなってもバドミントンの話以外はした記憶がないくらいです」
大堀は順調に成長し、父均さんが指導する福島・富岡高校でチームを日本一に導く。そしてアジアユース優勝、世界ジュニア準優勝など、個人でも同世代のトップを走っていた。
高校卒業後は当然のように東京オリンピック出場を目標とし、富山県の社会人チーム・トナミ運輸へ進む。
すると父は... 娘の夢をそばで支えるため、なんと富岡高校の監督を辞めてこのチームの指導者になったのだ。こうして親子二人三脚「第二章」が始まった。
ところが... 夢の東京オリンピックは選考レースに敗れ、出場はかなわなかった。
大堀「本気で引退を考えたのはその時が最初で最後だったんですけど、本当にもう"どん底"と言いますか......あの時が今思っても一番苦しかったかなって、思います」
その苦しみを実は父も経験している。オリンピック出場を目指し、実業団でプレーしていた現役時代。しかし...
父・均さん「僕自身、オリンピックに出たかったというのはありますけど、かなり早い段階であきらめて......事あるごとにそのことを娘に言っていたかもしれないですね。おれは"あきらめちゃったんだ"って話を」
夢をあきらめる。その苦しみを知る父は、娘にこんな言葉を伝えた。
父・均さん「"後悔だけはするなよ"と。ちょっとでも、もうすこしできるんじゃないか、という気持ちがあるなら、後悔につながるよ。あきらめたら、そこでおわりだよ、と」
その言葉に込められた父の思い。娘は...
大堀「やっぱり後悔というものしか残ってなくて...あれもできてない、これもできてない。そこでやめるのは自分にとっては逃げなのかな、と思うことがあって、もう少しやってみようと思いました」
"後悔する前にまだやれることがある。父と一緒にもう一度夢に向かって足掻いてみよう。"
そして東京の挫折から3年が過ぎた今年4月のアジア選手権。パリ五輪出場をかけた大一番を迎える。
苦しい場面は何度もあったが父の言葉を力にして、東京五輪の銀メダリストをストレートで下した。この瞬間、オリンピック出場という親子の夢がついに実現した。
大堀「(父は)自分自身の一番の理解者であり、付き添ってくれて一緒にできるということはみんなができることではないので、本当に感謝しています。パリでは後悔なく私のすべてを発揮できるよう、本当に集大成として臨もうと思っています」
ラケットを手にして20年。ずっと支えてくれた父への感謝が、大堀彩をパリで輝かせる。
テレ東リアライブ編集部