パリ五輪優勝のスペイン フル代表EURO制覇に続く栄冠で選手層の厚さを示す
2024.8.22
PHOTO:Getty Images
パリオリンピックの男子サッカーを制したのは、日本の4強入りに立ちはだかったスペイン。
フル代表のEURO2024優勝に続いて2つの年代カテゴリーで世界トップを制し、代表チームの選手層の厚さを示した。
パリ大会の準々決勝で日本に勝ったスペインは準決勝で得点力のあるモロッコと対戦。
先制を許したが、MFフェルミン・ロペス(バルセロナ)とMFフアンル・サンチェス(セビージャ)の後半のゴールで2-1と逆転勝利。銀メダルに終わった東京2020大会に続いて、2大会連続で決勝へ進出していた。
そして8月9日の決勝では、地元ファンの声援が大きく響くパルク・デ・プランスでフランスと対戦。
開催国の驚異的な粘りと反撃で90分終了目前に2点差を追いつかれて延長戦にもつれ込む激戦を制した。
先手を取ったのはフランス。
前半11分にフランスがMFエンゾ・ミロ(シュツットガルト)のゴールで先制したが、スペインは18分と25分にフェルミン・ロペスが2連続ゴールで逆転。
その3分後にはMFアレックス・バエナ(ビジャレアル)が追加点を決めて3-1とひっくり返して前半を折り返した。
ところが、ハーフタイムで気持ちを立て直したフランスは、ティエリ・アンリ監督が後半早々から交代を起用。
FWアルノー・カリムエンド(レンヌ)とMFマグネス・アクリウシェ(モナコ)を投入し、その後もMFデジレ・ドゥエ(レンヌ)を送り出して反撃に出ると、79分にアクリウシェのゴールで1点差に。
後半アディショナルタイムのセットプレーでPKを獲得。
これを、FWジャン・フィリップ・マテタ(クリスタル・パレス)が決めて土壇場で3-3に追いついた。
フランスの勢いに押され気味だったスペインだが、延長に入ると再び盛り返し、後半終盤に交代出場していたFWセルヒオ・カメージョ(ラージョ)が100分に均衡を破り、さらに試合終了直前にも加点して、スペインが5-3で勝利した。
スペインは1992年バルセロナ大会以来となる金メダルを獲得。8得点が入った決勝はオリンピック最多記録となった。
スペインを率いたサンティ・デニア監督は、「我々は何年も手にできなかったものを手にした。歴史的だ。選手たちは信じて戦い、もがきもしたが、このことは生涯忘れないだろう」とFIFA公式サイトでコメント。感慨深げだ。
スペインは6~7月のEURO 2024を制して欧州王者になったフル代表に続いて、U23代表でも世界トップに立った。
オリンピックの決勝で先制ゴールを決めたMFフェルミン・ロペスは今夏のEUROも経験した一人で、EURO決勝で得点を決めた17歳のFWラミン・ヤマル(バルセロナ)など、スペインはフル代表で活躍する若手も少なくない。
今大会ではU23代表にOAを加えて戦ったが、技術や戦術理解、試合の勘所を逃さない嗅覚などで個々のクオリティが高く、全体的に統一感もあり、スペイン代表の選手層の充実ぶりと将来性の高さを印象付けた。
一方、東京2020大会はグループステージ敗退となっていたフランスは、自国開催の今大会で元フランス代表FWティエリ・アンリを監督に迎えて、1984年のロサンゼルス大会以来の金メダル獲得を目指していたが、EURO 2024準決勝に続いてスペインに行く手を阻まれた。
「望んだ結果ではなかったが、素晴らしい経験だった。我々の選手たちを誇りに思う」とアンリ監督はコメントした。
得点王はモロッコFWラヒミ
銅メダルを手にしたのはモロッコ。アフリカ勢対決となった3位決定戦で、エジプトに対して6-0と大勝して、アフリカ勢の3位獲得は2016年リオデジャネイロ大会のナイジェリア以来だ。
今大会ではグループステージから3位決定戦まで、グループステージで敗れたウクライナ戦も含めて、全試合で得点を挙げて、得点力の高さを示した。
3位決定戦でも2得点をマークしたFWソフィアン・ラヒミ(アルアイン)はOA枠での参加で出場した6試合すべてで得点し、大会記録となる8得点でパリ大会の得点王になった。
得点ランク2位はスペインのMFフェルミン・ロペス(バルセロナ)で6試合6得点の活躍。
3位はフランスのOA参加のFWジャン・フィリップ・マテタ(クリスタル・パレス)で6試合5得点だった。得点ランク上位3人のうち、ロペス以外の二人がOA参加の選手だった。
また、今大会最多アシストを記録したのはフランスのFWマイケル・オリーズ(バイエルン)で同僚の5点をお膳立てし、自身でも2得点をマークした。
ちなみに、グループステージ24試合で65ゴールが生まれ、1試合平均の得点は2.7。グループステージ最多得点は3試合で7得点を挙げたフランス、アメリカ、日本だった。
次の大会は2028年にロサンゼルスで行われる。