日本代表 敵地インドネシア戦で見せたチーム力【サッカー W杯最終予選】

サッカー

2024.11.19

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    菅原由勢が日本4点目のゴールを挙げる 写真:アフロ

    サッカー日本代表が2026年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で着実に歩みを進めている。

    11月15日にはアウェイ2連戦の初戦となったジャカルタでのインドネシア代表戦で4-0の勝利を収め、4勝1分け無敗でC組首位をキープ。

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    19日には中国代表とのアウェイ戦に臨み、年内最終戦での白星獲得で首位固めを目指す。

    日本代表は、勝ち点とともにチーム力も積み上げながら8大会連続での本大会出場へ着実に歩みを進めている。

    15日のインドネシア戦では熱狂的な地元のサポーターや、荒れたピッチコンディション、高温多湿に雷雨などアウェイで感の強い中、先発を続けてきたDF谷口彰悟(シントトロイデン)とFW上田綺世(フェイエノールト)を負傷で欠き、最終ラインと前線の顔ぶれが入れ替わった。

    しかも、相手は旧宗主国オランダ出身で欧州などを主戦場とする帰化選手を多く揃え、最終予選でもサウジアラビアやオーストラリア、バーレーンと引き分けを演じてきたジョーカー的存在。

    日本にとっては簡単ではない条件が揃っていたが、日本はチームとしての対応力を示して勝利を手にした。

    試合序盤、ロングボールを使ってカウンターを仕掛ける相手に、谷口に代わって3バック中央に入ったDF板倉滉(ボルシア)がかわされてGKと1対1の決定機を作られた。

    だが、これを「自分の間合いで詰められた」というGK鈴木彩艶がブロック。チームの危機を救った。

    その後も、インドネシアはサイドのスペースへ長いボールを出してカウンターを狙ったが、落ち着きを取り戻した日本は、前半半ばからボールを保持。

    5-4-1で守りを固める相手に、中盤でMF鎌田大地(クリスタル・パレス)とMF守田英正(スポルティング)がバランスを取りながらボールを受けてパスを出し、相手を崩して得点機を演出した。そこに絡んだのが、上田に代わって先発したFW小川航基(ナイメヘン)だった。

    前半35分の先制点は、守田のパスを受けたDF町田浩樹(サンジロワーズ)がペナルティエリアに入った守田にパス。

    守田はペナルティエリアに入ってきた鎌田に落とすと、鎌田はゴール前に詰めた小川に横パスを通す。これが相手DFジャスティン・ハーブナーの足に当たってゴールに吸い込まれた。記録はオウンゴールだが、小川の詰めが呼び込んだ1点だった。

    その5分後の2点目も見事な連係からの得点だった。

    鎌田が左サイド前方のスペースにボールを出すと、MF三笘薫(ブライトン)がペナルティエリア左で受けて中央に折り返す。勢いよく走り込んできたMF南野拓実(モナコ)が左足で合わせてゴール左隅へ流し込んだ。

    南野はこれが代表通算24ゴール目で、中村俊輔氏の持つ歴代10位の記録に並ぶ得点となった。

    2-0で前半を折り返して、3点目は後半開始4分。相手GKのゴールキックが高い位置を取っていた守田の足元に入るプレゼントパスに。

    守田は、相手GKと慌てて寄せてくるDFの動きを見極めて右へ切り替えし、ゴール左隅に決めた。

    インドネシアは前から圧力をかけに来るようになり、連続CKやロングスローでゴール前にボールを運ぶなど、地元サポーターを沸かせる場面も作ったが、日本は終始冷静に対応。

    加えて、直前に加わった帰化選手などもいて選手間の連動性や、シュートやクロスの精度を欠いた。

    試合を決定づけたのは、途中出場したDF菅原由勢の後半24分の一撃だった。

    谷口の不在で6月以来の先発となったDF橋本大樹(ルートン)からパスを受けると、やはり後半途中出場のMF伊東純也(スタッド・ランス)に預けてインナーラップ。

    リターンをもらうとペナルティエリアに切り込み、2~3度フェイクを入れながら最後は角度のないところから、GKとゴールのわずかな空間に右足で叩き込んだ。

    ベンチも含めて手洗い祝福を受け、チームの一体感が感じられる場面となった。

    攻撃に手ごたえ

    最終ラインや前線のメンバー変更で出場機会を得た小川や橋岡をはじめ、得点した菅原ら交代出場したメンバーも力を発揮し、チームに貢献した。

    守田は、「試合の入りはスムーズにいかなかったが、結果的に全員でカバーしあえて戦えた試合で良かったと思う」と振り返った。

    勝利の立役者の一人となったGK鈴木は、 「相手が最後にカットインで内側に運んだ瞬間に『取れるな』という感覚があった」と振り返り、セリエAでの経験が活きたと言う。

    「イタリアでもあのようなシーンで遠目から打たれて失点するシーンがあったので、間合いをうまく詰められたたらチャンスになると思った」と振り返った。

    試合はキックオフ直前から土砂降りとなり、前半はほとんど雨中でのプレーとなったが、日本代表守護神はピッチコンディションを考えてシンプルなプレーを心掛ける一方、「相手が連動していなかった」と察知。

    センターバックにボールをつけることを意識していたと明かして、ビルドアップの起点となった。

    三笘は、「1点目も2点目も素晴らしい形ができている。再現性は上がっている」と攻撃の組み立てに手ごたえを示した。

    遠藤は、鎌田が「間に落ちてフレキシブルにやるのは相手にとっても嫌だったと思う。守田を含めて関係性は良かった」と語った。

    守備を反省

    町田は試合序盤に押し込まれた時間帯について、「1トップ2シャドーに対して、僕や橋岡が(相手を)掴みにいっていたので、そこで後ろが1対1になるリスクがある。しっかりつぶしきることや、チャンスを作らせないところは修正点」と話した。

    遠藤は「(相手の)3枚に対してもうちょっと内側にコンパクトにするべき。ボールの出どころに、もう少しプレッシャーにいかないといけない」と指摘。

    その上で、「1対1で勝つか負けるは勝負に大きく左右する。個の能力はチームとして求めていかなければいけない部分だと思う」と語った。

    三笘も3⁻0のリードを奪ったあとの戦い方について、「ブロックするのか前から行くのか、共有するところがまだ甘い」と述べて、「守備は本当にこだわっていかないとならない」と話した。

    日本代表の森保一監督は、「ピンチがあったりした中で、我慢強く耐えながら『ここ』という流れのギアを上げるべきところで、選手たちが得点の部分でトライしてくれた」と選手の状況の応じたプレーを評価した。

    この結果、日本は今予選前半戦5試合を終えて4勝1分けで勝ち点13とした。

    C組のほかの試合は14日に各地で行われて、2位のオーストラリアと3位のサウジアラビアは0⁻0で引き分けて、両チームとも1勝3分け1敗で順位は変わらず。日本との勝ち点差は7となった。

    中国はアウェイでバーレーンに1⁻0で勝って2勝3敗で勝ち点を6に伸ばして4位に浮上。5位はバーレーン、6位にインドネシアとなった。

    アジア最終予選では各組上位2チームが無条件で本大会への出場権を手にし、3位と4位はプレーオフ経由で出場権獲得を目指すことになる。


    取材・文:木ノ原句望