【ジャパンC】怪鳥・エルコンドルパサー 距離延長を感じさせない 世界を目指した堂々たる走り
2024.11.24
第18回ジャパンカップ 蛯名正義騎手騎乗のエルコンドルパサーが優勝(c)SANKAI
今年で44回目を迎えるジャパンCが11月24日(日)に開催。
天皇賞(秋)を制したドウデュースや二冠牝馬チェルヴィニアらが出走するだけでなく、海外からは昨年のイギリスダービーを制したオーギュストロダンなど近年まれに見る豪華メンバーが集結する。
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そんなレースを盛り上げるべく、テレ東競馬チャンネルでは配信限定で「クイズ!ジャパンカップ」を開催。
ウイニング競馬のレギュラーメンバーとゲストの萩野公介がジャパンカップにまつわるクイズに参加。その中でも今回は日本馬として初めて3歳でこのレースを制したエルコンドルパサーについて掘り下げてみた。
日本の馬として、初めて3歳(現表記)でジャパンCを制したエルコンドルパサーは生まれる前から世界を意識して生産された競走馬として知られている。
エルコンドルパサーの生産者であり、馬主の渡邉隆はかねてから憧れていたという名牝系ソングの血を引く、サドラーズギャルという繁殖牝馬を手に入れる。
そして、現役時代には名マイラーとして名高いミエスクの息子で自身もGⅠを制しているキングマンボを種付け。そうして生まれたのがエルコンドルパサーだった。
エルコンドルパサーの血統表の中には渡邉が憧れを抱いていたソングだけでなく、ノーザンダンサー、ネイティヴダンサーなどの多くのクロスが発生。
他に類を見ない近親交配を繰り返されたことで体質面が心配されたが、渡邉は「将来、種牡馬にするためにこの配合を選んだ」と語るなど意に介さなかった。
成長したエルコンドルパサーは美浦の調教師、二ノ宮敬宇に預けられると2歳の11月にデビュー。
まだ身体が出来上がっていないという理由でダートでの初陣となったが、エルコンドルパサーはいきなり2着馬に7馬身差を付ける楽勝を飾ると、年明け早々に行われた中山ダート1800mでの2戦目も2着馬に9馬身差を付けて圧勝した。
3戦目に選ばれた共同通信杯でエルコンドルパサーは初めて芝のレースを走る予定となったが、降雪によって東京ダート1600mに条件が変更すると、ここもあっさりと勝利して無傷の3連勝を達成。
そこから一息入れて迎えたニュージーランドTでエルコンドルパサーは初めて芝のレースを走ると、ダート戦以上の安定感を見せて快勝。
その後挑んだNHKマイルCでエルコンドルパサーは自身を含めて3頭いた無敗馬対決を制して完勝。無傷の5連勝でGⅠホースへと輝いた。
そして迎えた秋。エルコンドルパサーはジャパンC制覇を見据えて毎日王冠で復帰すると、そこには同い年の2歳チャンプのグラスワンダー、そして1つ上のGⅠホースであるサイレンススズカと対戦することに。
蛯名正義との初タッグを組んで迎えたこのレースはサイレンススズカを捕まえることができずに2着に終わり、初の黒星を喫した。
芝では初めて1800mを越えるレースに出て結果を出したことでジャパンCの舞台である芝2400mも問題ないだろうと陣営は手ごたえを感じたという。
そして迎えた1998年の第18回ジャパンC。
エルコンドルパサーは同い年のダービー馬スペシャルウィーク、そして前年の年度代表馬のエアグルーヴと対戦。
レースでは3番手から流れに乗り、直線でいち早く先頭に立つとエアグルーヴ、スペシャルウィークの追撃を振り切って1着。2着馬に2馬身半もの差を付ける完勝で見事にジャパンCを制してみせた。
日本の馬として、初めて3歳でジャパンCを制したエルコンドルパサーは年が明けて4歳になった1月、凱旋門賞を目指して1年間にわたるヨーロッパへの長期遠征が発表された。
第78回 凱旋門賞 1着モンジュー、2着エルコンドルパサー(c)SANKAI
道悪馬場を気にせず逃げて、日本馬最大の快挙を成し遂げる
現在とは違って凱旋門賞を目指す馬自体が少なく、参戦しても凱旋門賞1戦のみという馬がほとんどだったにもかかわらず、エルコンドルパサーは「現地の環境に慣れるため」という理由で1年を費やすというこれまでに例を見ない遠征プランを立てたことで、競馬ファンの注目を集める存在となった。
そんなエルコンドルパサーの4歳緒戦は5月に行われたフランスのGⅠ、イスパーン賞。
フランスに旅立っておよそ1ヶ月後に行われたこのレースでエルコンドルパサーは2着に食い込むと、7月に開催されたサンクルー大賞へ出走。
前年の欧州年度代表馬のドリームウェル、前年に凱旋門賞を制したサガミックス、そしてドイツの年度代表馬タイガーヒルなどの強豪馬を相手にエルコンドルパサーは先行策から早めに押し切るというジャパンCのようなレース運びで完勝。
日本の馬として初めて欧州の芝中距離GⅠを制してみせた。
これで凱旋門賞制覇が現実味を増してきたエルコンドルパサーは秋には凱旋門賞のステップレースとして知られるフォワ賞も勝利。いよいよ凱旋門賞へと挑むことになった。
そして迎えた凱旋門賞当日。
この日のロンシャン競馬場の馬場は前日までの雨を引きずり不良馬場というコンディションに。
日本とは比べ物にならないほどの悪条件となった中でエルコンドルパサーはスタートから積極的に逃げていくと、直線でも2馬身ほどの差をキープしたまま先頭に。
直線を向いても後続に詰められるどころか、さらに差を広げていくエルコンドルパサーに日本馬初の栄冠が期待されたが... ここにやってきたのがこの年のフランスダービー馬のモンジュー。
残り100mのところでエルコンドルパサーに並び、先頭に立つとエルコンドルパサーに半馬身の差を付けてゴール。
エルコンドルパサーはあと一歩のところで勝利を逃したが、その堂々たるレース運びは世界中のホースマンたちから賞賛され、「この年の凱旋門賞には2頭のチャンピオンがいた」と言われるほどだった。
エルコンドルパサーはこのレースを最後に、現役を引退したが...
その走りは世界のホースマンを震撼させたのは間違いない。そんなエルコンドルパサーにとって世界への飛躍のステップとなったのは1998年のジャパンCだったのは間違いないだろう。
【世界が認めたジャパンカップ ~No.1への道~】
今年44回目を迎えるGIジャパンカップ。トップクラスのサラブレッドたちが頂を目指してしのぎを削る日本最高峰のレース。そのジャパンカップが「ロンジンワールドベストレース」に選出され、世界一の称号を手にした。
これまでフランスの凱旋門賞やアメリカのBCクラシックなど世界の名だたるレースが選ばれているが、そこに初めて日本の「ジャパンカップ」が並んだ。この快挙をホースマンたちはどのように捉えているのか?
創設から43年。外国馬に席巻された時代から日本競馬の巻き返し、そして世界ナンバーワンとなるまで...。その躍進の理由を世界で探った。
【見逃し配信①】世界が認めたジャパンカップ 〜アイルランド編
【見逃し配信②】世界が認めたジャパンカップ 〜アイルランド・フランス編