【日本ダービー】2005年ディープインパクト「飛ぶような走り」でダービーの直線を疾走

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2025.5.31

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    2005年日本ダービー ディープインパクトが無敗で2冠達成 写真:Motoo Naka/アフロ

    その走りで武豊に与えた「強い衝撃」

    「走っているよりも、飛んでいる感じ」と、数多くの名馬に乗ってきた武豊に言わしめた馬がいる。それこそがディープインパクトである。

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    日本屈指の大牧場・ノーザンファームで生を受けたディープインパクトはバランスの良さこそ目立ったものの、全兄ブラックタイドと比べるとやや小さな馬体であまり見栄えはせず、当歳時に上場されたセレクトセールでも落札額は7000万円とサンデーサイレンスの産駒としてはあまり高値にはならなかった。

    しかし、そのころから瞳の輝きは素晴らしく、落札した馬主の金子真人は「強い衝撃を受けた」と語るほどだった。

    そんなディープインパクトと武豊が出会ったのはデビュー戦の4日前の最終追い切りでのこと。

    調教で騎乗した武豊はディープインパクトの走りに調教助手に「ちょっとやばいかも」と興奮気味に語るほど、高い期待を寄せていた。

    武豊の期待通り、ディープインパクトはデビュー戦を快勝。

    超スローな流れの中で上がり3ハロン33秒1という切れ味を見せたことが話題になったが、競馬ファンにもその実力が知れ渡ったのは3歳年明け緒戦となった若駒Sでのことだった。

    レースは4コーナーに入ったところでもディープインパクトは先頭から10馬身ほど離された最後方にいながら、直線では一気に突き抜けて2着のケイアイヘネシーに5番差を付けるという圧巻の走りを披露。これ以降、競馬を知るものなら誰もが確信した。

    「この馬がクラシック三冠を達成する」と。

    そんなファンの期待に応えるかのように、ディープインパクトは弥生賞で重賞初制覇を飾ると、単勝オッズ1.3倍という断トツ人気で迎えた皐月賞も完勝。

    スタート直後に躓いて大きく出遅れるという不利がありながらも終わってみれば2着のシックスセンスに2馬身半もの差を付けて突き抜け、レース後のインタビューは武豊が冒頭のセリフを発するほどだった。

    「飛んでいるように走る馬」ディープインパクトは続く日本ダービーでも衝撃の走りを見せた。

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    2005年日本ダービー ディープインパクトが無敗で2冠達成 写真:Motoo Naka/アフロ


    「飛ぶような走り」でダービーの直線を疾走

    そうして迎えた5月29日、第72回日本ダービー。

    青空の下で行われたこの日のレースでディープインパクトは単勝オッズ1.1倍、支持率は73.4%と史上最高記録を叩き出す堂々の1番人気となった。

    しかし、レース前のパドックでは珍しくイレ込んだしぐさを見せ、ファンを大いに不安にさせたが... それは全くの杞憂であることを自らの走りで示してみせた。

    スタートでは相変わらず出遅れたディープインパクトだったが、すぐに折り合い、後方に待機。コスモオースティンが逃げる中を追走していった。

    コスモオースティン、シャドウゲイトが先頭を争う中、好位に2番人気のインティライミが付けていく形になり、前半の1000mは59秒9。

    1ハロンごとの時計で見るとずっと12秒台の時計が続くというややスローな流れの中、ディープインパクトは後方12~13番手に付ける。

    その前後にアドマイヤジャパン、シックスセンスと言った皐月賞上位組がマークする形になった。

    そうして迎えた第4コーナー。

    ディープインパクトが徐々に動き出すと14万人もの大観衆が歓声を上げはじめ、最後の直線に入った。

    直線での立ち上がり、先頭に立ったのは佐藤哲三とインティライミだった。

    逃げていた前の2頭を交わして最内を突いたことでコースロスなく先頭に立ち、絶対王者ディープインパクトに対し「かかってこい」とばかりに抜け出したが、その挑戦をディープインパクトは真っ向から受けた。

    直線を向いたとき、外に付けていたディープインパクトは徐々にスピードを上げて、残り200mを過ぎたところで内を突いたインティライミに並び、先頭に。

    これを追いかけるように後続馬は懸命に追いすがるが、直線を疾走するディープインパクトには誰も追いつけない。

    それどころか、内で懸命に粘るインティライミをディープインパクトはさらに突き放していき、その差をさらに広げていきそのままゴール板を通過した。

    最後の直線でのディープインパクトの走りは軽快なもので、「飛んでいる」という表現がそのままピタリと当てはまるものだった。

    タイムは前年のキングカメハメハが記録した2分23秒3というレースレコードタイ。

    2着のインティライミには5馬身もの差を付ける独走で史上6頭目となる無敗での二冠制覇を軽々と成し遂げてみせた。

    あまりの強さに武豊もレース後には「感動しています」と語り、対戦した騎手たちは「ディープインパクトはサラブレッドの理想形」と称するほど。

    それほどまでのスターホースの誕生に、レース後の東京競馬場は大きく沸いたのは言うまでもないだろう。

    この後、ディープインパクトは武豊とともに菊花賞を制し、史上2頭目となる無敗の三冠制覇を達成。古馬になってからもGIタイトルを積み重ねた。

    現役引退後は種牡馬としても活躍し三冠馬コントレイルをはじめ、日本ダービー馬を7頭も輩出。

    2025年の日本ダービーでもサトノシャイニングをはじめ、彼の血を持つ馬が5頭出走する。

    飛ぶように走る英雄・ディープインパクト。その存在は今もなお、競馬ファンに強い衝撃を与え続けている。


    ■文/福嶌 弘


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    第92回日本ダービー(東京優駿)(GI)枠順
    2025年6月1日(日) 2回東京12日 発走時刻:15時40分

    枠順 馬名(性齢 騎手名)
    1-1 リラエンブレム(牡3 浜中俊)
    1-2 ショウヘイ(牡3 C.ルメール)
    2-3 エリキング(牡3 川田将雅)
    2-4 ドラゴンブースト(牡3 丹内祐次)
    3-5 レディネス(牡3 横山典弘)
    3-6 ファンダム(牡3 北村宏司)
    4-7 ミュージアムマイル(牡3 D.レーン)
    4-8 エムズ(牡3 戸崎圭太)
    5-9 ジョバンニ(牡3 松山弘平)
    5-10 トッピボーン(牡3 岩田望来)
    6-11 ニシノエージェント(牡3 津村明秀)
    6-12 カラマティアノス(牡3 池添謙一)
    7-13 クロワデュノール(牡3 北村友一)
    7-14 ホウオウアートマン(牡3 田辺裕信)
    7-15 ファウストラーゼン(牡3 M.デムーロ)
    8-16 ファイアンクランツ(牡3 佐々木大輔)
    8-17 マスカレードボール(牡3 坂井瑠星)
    8-18 サトノシャイニング(牡3 武豊)
    ※出馬表・成績・オッズ等は主催者発表のものと照合してください。



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