2連勝の横浜F・マリノス 低迷脱出となるか

横浜F・マリノス 写真:アフロ
J1リーグは6月1日の試合で前半戦を終了し、代表戦のインターナショナルウィークで約2週間の中断に入っている。
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連戦続きの前半戦だっただけに、この中断期間を心待ちにしていた関係者は少なくないだろう。横浜F・マリノスのパトリック・キスノーボ監督もその一人に違いない。
マリノスはかつてない苦境に直面している。前半戦の18試合を終えて勝ち点は14でリーグ最下位に沈み、J2降格圏からの脱出が当面の目標という状態だ。
今季はイングランド代表やプレミアリーグのチェルシーでコーチを務め、監督業はマリノスが初というスティーブ・ホーランド氏を指揮官に迎えたが、開幕4試合で3分け1敗と出遅れ、その後も苦戦が続いて11試合で1勝5分け5敗。
クラブは4月18日にホーランド監督を解任し、2年連続でのシーズン中の監督交代となった。
サウジアラビアでのAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)準々決勝まで約1週間というタイミングで、ヘッドコーチだったキスノーボ氏が直後の浦和戦とACLE準々決勝で暫定的に指揮を執り、8強で敗退した大会後の5月5日、監督に就任した。
立て直しを託されたキスノーボ監督は、オーストラリアのメルボルン・シティやメルボルン・ヴィクトリーを率いた経験もあるが、連戦続きでまとまった練習時間を取れない中、「やれることをやっている。試合をするたび良くなっている」と、少しずつ選手たちに変化がみられると話していた。
鹿島戦と町田戦で見られた変化
それがようやく結果として出たのが5月25日のホームでの鹿島戦だ。
リーグ首位とリーグ最下位の対戦だったが、鹿島の守備意識の甘さを突いて、DF永戸勝也の先制とFWヤン・マテウスの2ゴールで前半半ばまでに3得点を決めて3-1で勝利。3月16日の第5節ガンバ大阪戦以来12試合ぶりの白星だった。
さらに次の5月31日の町田戦では、前半半ばにFW遠野大弥が4分で2ゴールを挙げるなどで3-0と快勝。今季初の2連勝とした。
しかも、チームのプレーには相手と競り合う激しさや気迫、最後まで落ちないハードワークなど、低迷時には見られなかった良さが見られた。キスノーボ監督が限られた時間のなかで最初に着手した「フィジカル」が生み出した変化だった。
マリノス指揮官は町田戦後、「難しい試合だったが選手たちが良い個性を発揮してくれた」と選手たちの戦いを評価した。しかも、4月5日の東京ヴェルディ戦(0-0)以来の無失点に、「チーム全体での努力の成果。攻めの時ほど守備の意識が大切だと説いてきている」と話した。
けが人も多く、移籍でチームを離れる選手もいるが、チームのプレーには欠けていたピースが少しずつ収まりつつあるようだ。
選手たちは「自分たちがやりたいサッカーとは違うが、今は結果が大事」と異口同音に語り、現実に目を向けた選択として、チームとしての共通認識を持つようになっている。
マリノスは1993年のJリーグ発足以来、優勝争いに絡むことも多く、2022年には3年ぶり5度目のリーグ優勝を達成し、その前後の2シーズンも2位に入っている。昨年はリーグでは9位ながらAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で準優勝した実績もある。
選手の力量があるだけに、方向性が定まって意思統一ができれば結果につながる可能性は高い。改善されたプレーで掴んだ今回の2連勝が、その流れを引き寄せるきっかけとなるか。
マリノスの中断明け最初の公式戦は6月11日の天皇杯2回戦で対戦相手はラインメール青森。リーグ戦は15日のアウェイでの新潟戦だ。
取材・文:木ノ原句望
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