ACLE初参戦の町田、アジアデビュー戦で得たもの Jリーグとの違いとは

サッカー

2025.9.22

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    FC町田ゼルビア PHOTO:Getty Images

    アジアのクラブ王者を決めるAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の2025/26シーズンが開幕。

    町田ゼルビアは9月16日にホームで行われたリーグステージ初戦で韓国のFCソウルと1-1で引き分けた。

    アジアのクラブ大会初参戦の町田は、初戦で勝ち点1とともに何を手にしたのか。

    慣れ親しんだ自分たちのホームスタジアムでの試合でも、ボールが違い、相手も違えば勝手が違う。

    いつもと異なる環境への戸惑いや初参戦の大会初戦の緊張か、ACL出場9度目で2013年大会準優勝の実績を持つソウルを相手に、町田は攻撃のリズムをつかめない。

    前半終盤には最終ライン裏のスペースを狙われて、走り込んだDFチェ・ジュンがペナルティエリアで町田の選手に倒されたとしてPKと判定され、VARチェックで判定が覆る場面もあった。

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    西村拓真、望月ヘンリー海輝 写真:西村尚己/アフロスポーツ

    町田はハーフタイムを経てFW藤尾翔太を投入して前線に動きが出始めた後半15分に失点。

    ビルドアップを試みた最終ラインからのパスを中盤でカットされ、右サイドの元イングランド代表MFジェシー・リンガードに展開され、精度の高いカウンターからFWマルコ・ドゥガンジッチに決められた。

    町田はFW西村拓真とMF下田北斗を送り込んで攻撃を活性化させ、それが後半35分の同点ゴールにつながる。

    DFドレシェヴィッチから左へ展開してMF林幸太郎が下田に預けると、左サイド深くから折り返して、ゴール前の藤尾のシュートのこぼれ球に右ポストへ詰めた望月ヘンリー海輝が反応。押し込んで同点にした。

    その後、西村や藤尾のシュートで勝ち越しかという場面も作ったが決められず、試合終了となった。

    「立ち上がりから硬さがあった」と町田の黒田剛監督。「初出場のプレッシャーをすごく感じた。単純ミスで自分たちのペースになかなか持っていけなかった」と指摘。

    後半は選手交代もあって自分たちの良さをある程度出せたという認識を示したが、「同点ゴールを決めて逆転できる場面もあったが、一つミスをするとカウンターにつながる局面も多く見られた。なんとか勝ち点1を獲れたという印象」と振り返った。

    一方で、指揮官は「体の強さや球際の強さを感じた。これからすべての試合でそれが基準になるのだろう」とコメント。

    ACLEでの今後の戦いへ備える実感も手にした様子だった。

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    相手と競り合う相馬勇紀(左) 写真:西村尚己/アフロスポーツ

    Jリーグとの違いを実感

    町田の選手は「思ったよりボールが伸びた」、「バウンドが全然違った」などと異口同音にJリーグでの使用球との違いに言及し、望月も「慣れとの乖離があった」と話した。

    だが望月は、「あまりいい流れや時間帯が少なかった中で、1失点で抑えられたのはよかったと思う」と言い、チームとして狙った形で決めた自身の得点には「ファーに詰めることを意識したことがあの得点につながっている」と手ごたえを覚えていた。

    名古屋時代の2021年大会以来のACL出場となった相馬も、Jリーグとの違いに触れた。

    Jリーグでも豊富な運動量と切れのある動きでチームの得点チャンスに絡んできている相馬だが、この試合では終盤に足が吊って交代した。

    相馬は試合後、走りの違いについて「Jリーグでは時速8㌔~10㌔くらいをずっとやっている感覚だが、今日は20㌔のスプリントを20回こなすという感じ」と描写。

    技術、強さ、速さにサッカーの違いを感じたと言い、「久しぶりに楽しかった」と話した。

    2022年W杯カタール大会も経験した町田の背番号7は、この日の失点にアジアで勝ち抜くポイントも見ていた。

    「過密日程になってくると、今日の相手の得点みたいにミスからショートカウンターで1点獲るような戦いが増えてくると思う。少ないチャンスをモノにするチームがACLで勝てる印象がある」

    また、日本代表22キャップの中山も、クラブに国際試合に慣れていない選手やスタッフがいる中で得た勝ち点1を評価した。

    「国際試合に選手やスタッフも慣れていない。負けずに何かをられたのはポジティブ」と話し、「J1に上がって2年目。ACLを目指してやってきた初舞台としては上々」と述べて、その上でJリーグ優勝を目指すチームとして「意識をもう少し高くもっていかないといけない」と、レベルアップが必要と説いた。

    ACLEリーグステージは来年2月まで続き、各チームが地域の異なる相手とホーム4試合、アウェイ4試合を行い、東西各地区12チームで上位8チームがノックアウトステージへ進出。

    来年3月にホーム&アウェイで行われるラウンド16を経て、8強進出チームは4月17日からのファイナルズで東西各地区から集結。同25日の決勝まで一戦必勝で戦う。

    アジアで日本勢にとってはシーズンをまたぐ長い戦いで、Jリーグはこれからリーグ優勝をかけた終盤に入り、厳しい試合日程との闘いもある。

    まずはリーグステージ突破へ、ホームで勝ち点を落とさず、アウェイでどれだけ積み上げられるかがポイントになる。

    町田のACLE次節は9月30日、初のアウェイでマレーシア王者のジョホール・ダルル・タクジムと対戦する。

    その前には残り8節となったJリーグで、9月23日に2位の京都サンガ、27日にはファジアーノ岡山といずれもアウェイで対戦する。

    町田は、ACLE初戦で得た勝ち点1と戦いのヒントを今後にどう生かすのか。

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    ヴィッセル神戸 PHOTO:Getty Images

    神戸、広島、ACL2のG大阪は白星スタート

    町田以外の日本勢はヴィッセル神戸とサンフレッチェ広島がACLE、ガンバ大阪がACL2の初 戦で、それぞれ白星スタートを切った。

    昨季J1連覇と天皇杯を制して2年連続4度目の出場の神戸は、アウェイで中国の上海海港にFWエリキとFW宮代大聖、FW大迫勇也のゴールで前半のうちに3得点を挙げて3-0と快勝。エリキと大迫は1ゴール1アシストの活躍でチームをけん引した。

    広島は昨季のACL2参戦からJ1で2位に入ってACLEに舞台を移し、アウェイで迎えた初戦でオーストラリアリーグ王者のメルボルン・シティに、FWマルコス・ジュニオールとMF中島洋太朗のゴールで2-0と勝利した。

    また、昨季J1で4位に入り、神戸の2冠を受けてACL2への出場権を獲得したG大阪は、ホームで香港の東方に3-1で勝利を収めた。

    次節は広島は9月30日に上海海港、神戸は10月1日にメルボルン・シティとそれぞれホームで対戦し、G大阪は10月2日にアウェイでタイのラーチャブリー戦に臨む。

    日本勢はここ2シーズン連続で準優勝。昨年は川崎フロンターレ、旧ACL最終年の一昨年は横浜F・マリノスがアジアタイトルにあと一方と迫った。さて、今年の戦いはいかに。

    取材・文:木ノ原句望