サッカー日本代表 引き分けに持ち込んだパラグアイ戦の得点力と失点

サッカー

2025.10.14

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    来年のワールドカップ(W杯)北中米大会へ向けて10月の国際親善試合で南米強豪との強化試合2連戦に臨んでいるサッカー日本代表は10月10日、大阪のパナソニックスタジアム吹田で行われた第1戦でパラグアイ代表戦と対戦。

    FW上田綺世(フェイエノールト)の試合終了間際のゴールで2-2で引き分けて、課題の得点力を示した一方で修正点も浮かんだ。

    日本代表は14日の第2戦、東京の味の素スタジアムでブラジル代表と対戦する。

    9月にメキシコ代表、アメリカ代表と対戦したアメリカ遠征の2試合を0-0、0-2と得点を奪えずに終わっていた日本代表が、伝統の堅守でW杯南米予選を突破したパラグアイ代表に、2度のリードを許しながらFWの2人が得点。9月の課題に一つの答えを出した。

    1点目は先制された直後の前半26分にFW小川航基(ナイメヘン)が強烈なミドルシュートで得点。

    MF中村敬斗(スタッド・ランス)、MF田中碧(リーズ)、MF堂安律(フランクフルト)が高い位置で相手を囲んでボールを奪い、パス受けたMF佐野海舟(マインツ)が小川に預ける。

    ゴールを背にしてボールを受けた小川はターンして右足を振ると、相手GKを強襲してゴールに吸い込まれた。

    2点目は、後半再びパラグアイに先行されて1点を追う後半アディショナルタイム4分。

    FKの流れから右サイドで相手のクリアボールを回収したMF伊東純也が(ヘンク)が右から相手GKとDFの間の狭いエリアにクロスを送ると、逆サイドでフリーになったFW上田綺世(フェイエノールト)が飛び込んでヘディング。ゴールネットを揺らした。

    上田は89分に小川に代わっての出場から5分後のゴールで、この1点で日本が土壇場で引き分けとした。

    小川は得点場面で、「(足を)振れるタイミングで振れ」と名波浩コーチから今回の活動期間中に繰り返し言われてきたことが頭をよぎって「すぐに振る判断をできた」と明かし、佐野のパスを「シュートを打てる位置にトラップできた。みんなが自分の良さをだんだん理解してきてくれた」と話した。

    上田は、「調子がいいというのもあるが、積み上げてきたことが確実に力になって結果に表れている」と言い、今季オランダリーグで8戦8得点の好調ぶりを代表でも示した。

    相手に2度追いついた展開に日本代表の森保一監督は、「相手が強豪になるとアタッキングサードでなかなかシュートを打たせてくれない中、得点を期待するFWが得点を獲ってくれた。これからチームとしてさらに自信を深めて積み上げをしていける」と評価した。

    佐野が中盤でボール奪取や前線へのフィードなど攻守に存在感を示したことも、MF遠藤航(リバプール)が負傷不在の中で収穫と言える。

    後半交代出場したMF鎌田大地(クリスタル・パレス)は佐野について、「前半見ていて、海舟が一人で全部やってくれいたという感じがあった」と称賛した。

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    2度のリードを許す

    3試合ぶりの勝利とはいかなかったが、3試合ぶりの得点を挙げての引き分けで、W杯グループステージであれば勝ち点0となるところで、勝ち点1を手にしたことになる。

    だが失点は2度。常に先行される形だった。

    パラグアイに先制された1失点目は前半21分。中盤でMFアンドレス・クバスからMFダミアン・ボバディジャにノープレッシャーでパスをつながれ、MFミゲル・アルミロンが日本の最終ラインの裏のスペースに走り込んだところに、ボバディジャからピンポイントのパス。

    これを巧みに受けたアルミロンに左足で決められた。

    2失点目は前半を1-1で終えた後半半ばの64分。最終ラインから中盤へテンポよくパスをつながれ、パスを受けたMFディエゴ・ゴメスが前線へ運んでシュート。

    これはDF渡辺剛がブロックしたが、こぼれ球を回収したDFファン・カセレスがクロスを上げて、ゴール前に走り込んだゴメスが頭で合わせ、パラグアイが2-1とした。

    守備陣は主力にケガ人が多く、今回の先発はDF渡辺剛(フェイエノールト)を中央に右にDF瀬古歩夢(ル・アーブル)、左にDF鈴木淳之介(コペンハーゲン)という代表キャップするの少ない顔ぶれで、経験の少なさの影響も否定できない。

    だがそれ以前に、1失点目、2失点目ともに日本は中盤でのパスの出し手へ十分なプレッシャーをかけることができず、相手に余裕を持ってファイナルパスを供給されていた。

    渡辺は1失点目について、「ボールホルダーに対してプレッシャーがかかっていなかった。全体的に下がりすぎていた」と振り返り、「試合中に修正できたと思うので、コミュニケーションが必要だった」と語り、佐野も「(守備の)ブロックは引けていたがボールに対して行けていなかったところがあった。そこはチームとして守備でどうコントロールするのかが必要」と話した。

    鎌田は、「デュエルで勝てなくて相手に起点を作られて抜けられたりした。チーム戦術というより、個人の部分が多かった。自分たちがもう少しやらないといけない」と改善を求めた。

    森保監督は2失点について、「1失点はサッカーである程度は仕方のないところもあるかもしれないが、複数失点はしないようにしなければならない」と述べた。

    さらに指揮官は、「いい守備からいい攻撃にというところは、さらに磨いていかなければならない。世界の強豪を相手にシュートチャンスをより作ってゴールを決めるところを、チーム、個人として上げていきたい」と言った。


    取材・文:木ノ原句望

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