【サッカー】F東京、J1王者鹿島にPK戦勝利で百年構想リーグ白星スタート

サッカー

2026.2.9

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    フリーキックから直接ゴールを決めるFC東京・遠藤渓太(左から2人目) (c)SANKEI

    明治安田J1百年構想リーグが開幕。今年後半の秋春シーズン移行に伴って行われる6月までの短期特別大会で、2月7日の地域リーグラウンドではEASTのFC東京がJ1リーグ王者の鹿島アントラーズに1-1から突入したPK戦で5-4の勝利を収め、白星スタートを切った。

    雪が舞う味の素スタジアムで行われた一戦で、F東京のゴールへ向かう「前へ」の意識が勝利を呼び寄せた。

    前半39分、DF室谷成、MF常盤亨太、FW佐藤恵允が右サイドで絡んでゴールに迫る攻撃を披露。

    その1分後には右からの大きなサイドチェンジからMF遠藤渓太とDF長友佑都が左サイドで仕掛け、長友の折り返しにFW長倉幹樹とFWマルセロ・ヒアンがゴール前に詰め、最後は遠藤が相手ゴールを脅かした。

    するとその直後、鹿島GK早川友基からMF三竿健斗へのパスをマルセロ・ヒアンがすかさずインターセプト。三竿は得点機阻止のファウルで一発退場となり、東京はこのプレーで得たFKを遠藤が直接決めて、前半終了を前に先制に成功した。

    ビハインドと数的不利となった鹿島だが、その直後のプレーで得た右CKに、ゴール前でこぼれ球に反応したDFキム・テヒョンが押し込んで即座に同点とした。しかし、後半は東京にゴール前に押し込まれる展開が続いた。

    攻勢を強める東京は後半半ばには、昨季頭角を現した岡山から今季復帰したFW佐藤龍之介を投入。日本代表にも選ばれた19歳は積極的にゴールを狙った。

    だが、鹿島も守勢に回りながらもDF植田直通、GK早川友基らを中心に守りを崩さず、追加点は奪えない。

    90分を終えて突入したPK戦でGKキム・スンギュが先攻の鹿島4番手を阻止。最後は佐藤龍之介が落ち着いて決めて、東京がシーズン初戦でPK勝利での勝ち点2を手にした。

    佐藤龍之介は、「動き自体は悪くなかった。同点で一人少ない中だったので、90分でもう1点取って勝ちたかった」と話して、自分でゴールを決められなかった悔しさも滲ませつつも「こういう大会なので(PK戦でも)勝つことは大事。

    勝ち癖は東京に必要なことだと思うので、いいスタートが切れたと思う」と言った。

    PK戦で5人目のキッカーを任されたことに「身が引き締まった」と19歳FW。「相手はいいキーパー。中途半端なコースに蹴るより、自信を持って真ん中に蹴ると直前に決めた。緊張感のある試合でPKを蹴れたことは、自分にとってもプラスになる」と語った。

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    長友佑都 (c)SANKEI

    DF長友、「勝ち点3を取れた試合」

    久しぶりの左サイドバックで攻守に躍動感のあるプレーを披露した長友は、「今日は勝ち点3を取れたし、取らなきゃいけない」と指摘して、喜び半分という様子だった。

    39歳のベテランDFは、「前回王者に勝ち点を取れたのはよかったが、後半相手は一人少なかったし、最後の部分の精度も」と話し、「鹿島はすごく堅いが、その中でも倒していかないとタイトルは見えてこない。勝ち点に喜ばずに前に進みたい」と話した。

    自身のプレーについては、「いいボールも上がっていたし、攻撃参加もかなりできていたので、初戦にしてはよかったのでは」と話し、日本代表として5度目の出場を目指す6月開幕のワールドカップを念頭に、「まだ7割ぐらい。ここから3か月ぐらいで最高の状態に仕上げたい」と語った。

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    鈴木優磨 (c)SANKEI

    鹿島、改善へ「これも第一歩」

    一方、鹿島はシュート本数こそ前半は6本あったが、相手を脅かすまでにはいかなかった。最もゴールに近かったのは後半、50分過ぎにカウンター攻撃からFWエウベルのシュートがゴールポストを叩いた場面だった。

    鹿島の鬼木達監督は、「アウェイで10人で引き分けに持って行ったのであれば、本来ならば褒めてあげたいくらい。選手はよくやってくれた」と話したが、「負けは負け。このレギュレーション上、勝たせなければいけなかった」と振り返った。

    チャンスの数が少なかったことに、鹿島指揮官は「もう少し勇気を持ったプレーがあると、もっと相手コートでチャンスを作れた。

    どこでボールを握るのか、どこで取りに行くのか。相手を見るところとアグレッシブにいくところをもう少し上手にできればいい。これも第一歩」と語った。

    鹿島FW鈴木優磨も、「後ろに重たくなりすぎて、後ろと前で距離感が遠くなる。ゴール前になかなか迫れなかった」と振り返った。

    それでも「みんなで見直さないといけない。チーム全体でやり続けて、試合での成功体験を増やしていかないと良くなっていかない部分もある。忍耐強く、全員でやる必要がある」と話して前を向いた。

    シーズン移行前の短期特別大会

    今季のJリーグは、今年8月から行われる秋春制へのシーズン移行に伴って、2月6日から6月までの特別大会を実施。

    J1では20チームが東西で10チームずつに分かれてホーム&アウェイで2回戦総当たりの地域リーグを5月24日まで戦う。

    その後、プレーオフラウンドをホーム&アウェイで第1戦を5月30~31日、第2戦を6月6~7日に行い、東西各地域リーグの同じ順位同士で対戦して優勝チームと最終順位を決める。

    90分以内での勝利は勝ち点3、負けは同0だが、地域リーグでは90分で勝敗が決まらない場合には延長戦は行わずにPK戦を実施。

    PKでの勝利では勝ち点2、敗れても勝ち点1が与えられる。J1の優勝チームはAFCチャンピオンズリーグ(ACLE)への出場権を獲得する。J2との昇降格はない。

    J1大会の賞金総額は25億2千万円。優勝で1億5千万円を獲得し、2位で6千万円、3位で3千万円を手にする。地域リーグでも試合ごとに90分での勝利で6百万円、PK戦勝利で4百万円、PK戦での敗戦でも2百万円が用意されている。

    取材・文:木ノ原句望