【日本ダービー 見どころ】競馬界の未来を担うスターホース誕生なるか

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2026.5.31

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    クラシック三冠レースの第二弾 競馬の祭典 第93回日本ダービー(東京優駿)<GI 3歳オープン(国際)牡・牝(指定)馬齢 コース:2,400メートル(芝・左)>が5月31日(日)に東京競馬場で行われる。

    「このレースだけは特別だから」――

    日本ダービーについて聞くと、こう答えるホースマンは多い。数あるGIの中でも、今も昔ももっとも勝ちたいという声が挙がるのは日本ダービーくらいなものだろう。

    だからだろうか、歴代の日本ダービーを制した馬にはどこか特別な雰囲気が漂っているように思う。

    例えば、1998年の日本ダービーを武豊とともに制したスペシャルウィーク。

    皐月賞と菊花賞はセイウンスカイに敗れ、古馬になってからはGⅠ3勝を挙げるもグラスワンダーに勝つことはできなかったが、不思議と主人公のような雰囲気がある馬だったのは確か。まさに名前の通りに"スペシャル"な存在だった。

    華やかさで言えば、2003年の日本ダービー馬ネオユニヴァースも負けてはいない。

    短期免許で来日していたミルコ・デムーロとともに皐月賞を制し、曇り空のダービーでも馬群の真ん中を割って勝利。

    その後GⅠを勝つことはなかったが、ダービー後に宝塚記念に挑んだり、レギュレーションの変更に乗じて秋にはデムーロと菊花賞で三冠制覇にチャレンジしたりと、その挑戦はどこか華のあるものばかり。競馬界の新たなるスターとして輝きを放った。

    スターホースと言えば、キズナも忘れられない1頭。

    当時不振にあえいでいた武豊を背に京都新聞杯を制して迎えたダービーは大外一気の脚で突き抜け勝利。武豊にダービー5勝目をプレゼントし復活のアシストを果たすと、秋にはニエル賞を制して凱旋門賞にチャレンジした。

    この馬もダービー以降GⅠを勝つことはなかったが、その華やかさスター性は圧倒的。未だにGⅠ1勝で終わったことが信じられないというファンもいるほどだ。

    他にもディープインパクトにエイシンフラッシュ、コントレイルにドウデュース、そして現役のクロワデュノールなど......ダービー馬ならではの特別な雰囲気を感じることができるだろう。

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    ロブチェン(c)SANKEI

    そして今年、ダービー制覇に最も近い存在となったのが、皐月賞馬のロブチェンだ。

    ここまでGI2勝、皐月賞もレコード勝ちを収めるなど実力は間違いなく世代最高峰のロブチェンだが、不思議と人気を背負うことはなかった。

    例えば新馬戦を快勝して迎えたホープフルSはキャリアの浅さが懸念されて7番人気まででとどまったが、結果は快勝。

    中団から動いて抜け出す脚、低く走るフォームには歴代の名馬の姿が重なるほどだった。

    続く共同通信杯は直線での切れ味勝負に屈して3着に敗れ、迎えた皐月賞。

    最終的にキャリアで初となる1番人気に支持はされたが、そのオッズは4.0倍。しかもレース直前まで人気がコロコロと入れ替わるような状況だった。

    だが、ロブチェンは走りで黙らせた。スタート早々から逃げの姿勢を取ったロブチェンはデビュー戦以来となる逃げを打つことに。

    誰もが予想外のレース展開となったが、ロブチェンは慌てることなく直線でも一度は差されたリアライズシリウスを差し返して勝利。1分56秒5というレコードタイムで押し切った。

    逃げても差しても勝てるという自在性は世代でも屈指のもの。3つ目のタイトルとなる日本ダービーを制し、真のチャンピオンとして名乗りを上げるか。

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    リアライズシリウス(c)SANKEI

    打倒ロブチェンを目指す馬は今回17頭いるが、その筆頭格はリアライズシリウスだ。

    2歳6月の東京開催のデビュー戦で快勝し、新潟2歳Sでも楽勝。

    そのたぐいまれなスピードは鞍上の津村明秀をも舌を巻くほど。休み明けで迎えた朝日杯FSは5着に終わったが、この馬の本質は3歳になってから徐々に花開いた。

    強かったのは年明け緒戦の共同通信杯。スタートから逃げの手を打ち、ペースをスローに落として切れ味勝負に持ち込んで勝利。このとき3着にロブチェンを負かしているのだから内容の濃い一戦となったのは間違いないだろう。

    そうして迎えた皐月賞は逃げるロブチェンをマークするように2番手でずっと張り付き、直線ではいったんは先頭に立つも、ロブチェンの二枚腰に敗れて2着。あまりに惜しい敗戦となった。

    血統的にもレーススタイルを見ても、距離延長となる日本ダービーの舞台は決してプラスとは言えないが、東京コースはロブチェンを負かすなど2戦2勝。デビュー以来、手綱を取る津村との絆も深く、人馬ともに念願のGⅠ制覇を果たすか。

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    ゴーイントゥスカイ(c)SANKEI

    ハイレベルな決着となった皐月賞組が中心となりそうだが、今年は別路線組にも充実のメンバーが揃っている。中でも青葉賞を快勝したゴーイントゥスカイは侮れない。

    コントレイル期待の初年度産駒としてデビューすると、2戦目の京都2歳Sでは不利がありながらも3着に健闘。

    皐月賞を目指してきさらぎ賞で賞金加算を狙ったが、雪で順延したことでリズムが狂ったか、直線で伸びずに7着完敗。皐月賞には間に合わなかった。

    矛先を日本ダービーに変えて挑んだ青葉賞。鞍上も武豊にスイッチして迎えたこのレースではこれまで以上に後方からのレースに。

    開幕週の馬場で前に行く馬が有利かと思われた中で直線では馬群の間を割って抜け出すという堂々たる走りで快勝。勝ち時計2分23秒0は青葉賞のレースレコードタイ記録だった。

    青葉賞と言えば日本ダービーとのつながりが薄いレースとしても知られているが、今年の青葉賞は開催時期が1週早まったことで例年以上にローテーションにゆとりがある。日本ダービー6勝を誇る武豊とともに頂を目指すか。

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    コンジェスタス(c)SANKEI

    東のダービートライアルが青葉賞なら、西のダービー最終便となるのが京都新聞杯。今年の覇者コンジェスタスもまた、日本ダービー制覇を虎視眈々と狙っている。

    暮れの中山でデビューすると、好位から押し切る形で快勝。

    馬の成長に合わせて3歳緒戦に選んだのは3月の阪神開催の1勝クラス。ここも好位から押し切って2連勝とすると、皐月賞を見送り京都新聞杯からダービーを目指すローテーションを選択した。

    その京都新聞杯。コンジェスタスは6番人気に留まったが中団で脚を溜めていくと直線では外から押し上げていき、内を突いたべレシートを目掛けて猛追。

    最後は並んでの叩き合いとなったが、父コントレイル譲りの勝負根性を武器に交わして勝利。3戦無敗で見事にダービーの切符を掴んでみせた。

    思えば父コントレイルが無敗でダービーを制したのは6年前。日本競馬史上でも初となる祖父、父に続く無敗での日本ダービー制覇で新たなスター誕生となるか。

    出走するだけでも特別な18頭による争いとなる日本ダービー。競馬界に燦然と輝くスターホースは果たして現れるのだろうか。


    ■文/福嶌弘