【サッカー日本代表】小川航基のゴールで1-0の勝利 アイスランド戦の収穫を手にW杯最終準備へ

サッカー

2026.6.4

    10000000000000144438_20260604223238354665_P260531000914.JPG
    小川航基(c)SANKEI

    サッカーワールドカップ(W杯)北中米大会開幕へ2週間を切って、日本代表は5月31日、東京のMUFGスタジアム(国立競技場)で行われたW杯壮行試合でアイスランド代表と対戦。

    チームの状態をチェックしながらFW小川航基(ナイメヘン)のゴールで1-0の勝利を収め、白星で事前キャンプ地のメキシコへ旅立ち、最終準備に入った。

    8大会連続8度目の出場の日本が、初のベスト8進出とそれ以上の成績を目指して本番前に確認しておきたいポイントはいろいろある。大会前最後の国際親善試合でFIFAランキング18位の日本は同75位のアイスランドと対戦。

    今大会への出場は逃したものの、2016年の欧州選手権8強入りや2018年ロシアW杯でアルゼンチンと分けるなど、近年著しい発展を続けているチームを相手に、日本代表の森保一監督はケガ明けの選手のプレーコンディションや、左サイドを含めた選手起用のオプション、戦術の浸透度などを確認した。

    先発にはケガ明けで約3か月半ぶりの実戦となったMF遠藤航(リバプール)、度重なる負傷をから約2年ぶりの代表戦復帰となったDF冨安健洋(アヤックス)を起用。遠藤は試合中に違和感を覚えたため前半45分で退いたが、ボール奪取や攻撃の組み立てに絡むプレーを披露。

    冨安は83分まで3バックの右で体を張った守備やセットプレーでの積極的な攻撃参加など、ブランクを感じさせない安定感を見せた。

    10000000000000144438_20260604223238355429_P260531000882.jpg

    この試合限定招集のDF吉田麻也(LAギャラクシー)が2022年カタールW杯以来となった代表127試合目に3バック中央で先発し、前半13分に日本代表功労者としてのセレモニーで花道を通ってベンチに下がるまでプレー。

    その後はDF伊藤洋輝(バイエルン)が交代出場してDF板倉滉(アヤックス)、冨安と共に最終ラインでプレーした。

    遠藤は「45分プレーできたことは自分にとってすごく大事な時間だった。僕以外にも試合に出ていなかった選手が試合を重ねたことが大事」と話した。

    冨安も「ずっと練習できていたので積み上げはあると思っていた」と言い、前半終了間際には中村のクロスにボレーシュートで合わせる決定機を作り、「とりあえず枠に入れたいという気持ちだった。ワールドカップで決められたらいい」と話して表情は明るかった。

    DF長友佑都(F東京)も後半開始から出場。昨年9月以来となる代表戦で、左サイドで積極的に仕掛けてシュートを狙うなど、W杯5大会連続選出の39歳がスタジアムを埋めた6万2千人超の観客を沸かせた。

    左サイドに中村、ボランチに瀬古

    主力だったMF三笘薫(ブライトン)が怪我で不在となり、左サイドも重要なチェックポイントの一つだったが、そこで存在感を見せたのがMF中村敬斗(スタッド・ランス)だった。

    中村は、1トップの後ろの左シャドーに入ったランスの元同僚で「長年一緒にやっていたので、どう動くか分かっている」というMF伊東純也(ゲンク)や、右シャドーのMF久保建英(レアル・ソシエダ―ド)らと滑らかに連係して、ゴールへ向かうプレーを見せた。

    前半開始8分には中村は久保のリターンパスを受けて切り込んで足を振り、38分には久保のクロスに頭で合わせた。

    後半は1列中の左シャドーにシフト。後半半ばに久保のスルーパスに抜け出してシュートを放つなど、意欲的なプレーを続けた。

    「久々の試合で試合勘も少なかったので、今日試合できたのは大きい」と中村。「本番まで時間もあるので、そこでピークに持っていけたらいい」と話した。

    一方、DF瀬古歩夢(ル・アーヴル)は新たな役割を務めた。

    後半開始から通常の最終ラインではなくMF田中碧(リーズ)とボランチに入り、後半半ばにチームが2トップに変更してからは中盤の底でアンカーを務め、守備はもちろん、縦パスを前線に供給するなど攻守に新たな可能性を示した。

    10000000000000144438_20260604223238356168_P260601000007.jpg

    森保監督「ここからさらに上げていける」

    日本がW杯前に行う対外試合はアイスランド戦の1試合のみだが、森保監督はこの日のプレーで選手たちが得たプレーの感覚が今後の準備に活かされると見ている。

    前半は守備を固める相手に攻めあぐねる時間も長かったが、後半は選手交代で攻撃が活性化した。

    「完成度としてはまだまだ足りないところはあるが、今後につながる良いテストができた。戦術の選択肢を増やすことができた」と話し、実戦を行ったことで「選手たちが感覚的に手ごたえを掴んでいると思うので、ここからさらに上げていける」とした。

    また、「11人の交代枠を使ってシステムを変えて戦う中、チームが崩れずに戦えた。選手たちがこれまでやってきたことを理解して、試合を全うできて勝てたのは収穫」と戦術理解の浸透度を評価した。

    新ルールの適応を実戦でチェック

    今大会で導入される新ルールについて、アイスランド戦で確認できたことも大きい。

    中でも、選手交代の10秒ルールは勝敗を左右しかねない影響力がある。

    交代を告げられた選手は交代ボードの掲示から10秒以内にピッチを去らなければならないが、遅れると交代投入される選手は60秒が経過した上でプレーが切れるまで待機となり、違反したチームは一時的に数的不利となる。

    アイスランド戦で小川が決めた決勝ゴールも、相手が直前の選手交代で時間超過となり、一時的に一人少ない状態だった。

    数的優位になった日本は左右にパスをつなぎ、右サイドでパス受けたDF菅原由勢(ブレーメン)がクロスを入れ、小川が相手DF 2枚の間の狭いスペースに飛び込んで頭で合わせた。

    スローインやゴールキックで導入された5秒ルールでも、アイスランドのスローインが時間超過で日本ボールになった場面があった。

    このほか、負傷した選手がピッチ上で手当てを受けた場合も、プレー再開から60秒はピッチに戻れない。いずれも時間稼ぎ阻止が狙いで導入された。

    森保監督は、「(スローインを)早く行うことについては我々にメリットがあると思う」としながらも、交代やケガ治療の時間制限については、「タイミングよく戻れるということではなくなる。

    相手のチャンスになることがないように、新ルールの中で適応、対応していかなければいけない」と指摘して、対応の徹底が不可欠とする認識を改めて示した。

    10000000000000144438_20260604223236433501_P260603000007.jpg

    日本はメキシコで暑熱対策、その後アメリカへ

    アイスランド戦後、日本代表は1日のオフを経て6月2日に離日。暑熱対策としてメキシコのモンテレイで約1週間の事前合宿に臨み、8日にW杯での本拠地となるアメリカのナッシュビルに移動して最終調整に入る。

    日本はグループステージではF組に入り、6月14日(日本時間15日)にオランダとアメリカのダラスで対戦し、20日(同21日)にチュニジアとメキシコのモンテレイで、25日(同26日)にスウェーデンと再びダラスで対戦する。

    各組2位までと3位のなかで上位8チームがノックアウトステージに進出できる。決勝は7月19日(日本時間20日)だ。

    森保監督は「コンディションや戦術の部分を、与えられた時間の中でしっかり準備して本大会に向かいたい」としている。

    日本は1998年の初出場から8大会連続でW杯に出場し、これまでの最高成績は2002年、2010年、2018年、2022年のベスト16。

    取材・文:木ノ原句望

    日本代表W杯大会メンバー
    GK

    早川友基(鹿島)
    大迫敬介(広島)
    鈴木彩艶(パルマ)

    DF
    長友佑都(F東京)
    谷口彰悟(シントトロイデン)
    板倉滉(アヤックス)
    渡辺剛(フェイエノールト)
    冨安健洋(アヤックス)
    伊藤洋輝(バイエルン)
    瀬古歩夢(ル・アーヴル)
    菅原由勢(ブレーメン)
    鈴木淳之介(コペンハーゲン)

    MF/FW
    遠藤航(リバプール)
    伊東純也(ゲンク)
    鎌田大地(クリスタルパレス)
    小川航基(ナイメヘン)
    前田大然(セルティック)
    堂安律(フランクフルト)
    上田綺世(フェイエノールト)
    田中碧(リーズ)
    中村敬斗(スタッド・ランス)
    佐野海舟(マインツ)
    久保建英(レアル・ソシエダード)
    鈴木唯人(フライブルク)
    塩貝健人(ヴォルフスブルク)
    後藤啓介(シントトロイデン)