「鳥肌が立つくらいスゴい」伊藤美誠のプレーを玄人目線でDEEP解説【卓球ジャパン!】

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5月1日放送の「卓球ジャパン!」は、2週連続で伊藤美誠のスゴさを解説する「伊藤美誠スペシャル」前編。満を持して卓球界ナンバーワンの理論派と言われる上田仁(T.T彩たま)をゲストに迎え、現役トップ選手ならではのDEEPな解説をしてもらった。

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上田の解説は、卓球をしていない人にも経験者にもわかりやすいと定評があり、解説経験豊富なMC平野早矢香でさえ「勉強になる」と言うほど。 加えて「髪の分け目が真面目そう」というMC武井壮の印象通り、誠実感あふれる語り口でレギュラー陣をうならせた。

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取り上げたのは、今年から始まったWTTシリーズの試合。まずは3月3日からカタールのドーハで開催されたWTTコンタンダー・ドーハの女子シングルス決勝、早田ひなとの同士討ちの一戦をDEEP解説。

上田が注目したのは、ゲームカウント2-2となった第5ゲーム。伊藤が6-4からバック側に来た長いサーブを回り込んでフォア攻撃したものの得点できなかったのだが、次のサーブに対してまたもや回り込み、今度は得点をした場面だ。

この場面、早田は前のラリーで伊藤が回り込んで失点しているので、同じサーブに対しては回り込まないと予測したはずと上田。

そのために伊藤のボールに虚を突かれたようなミスをしている。伊藤は早田の読みの逆を突いてあえて回り込んでフォア攻撃をしたのだ。これが伊藤の勝負強さだという。

この後、早田がファインプレーで7-6と追いすがったが、ここで伊藤はこのゲームでベストと言えるスーパーラリーを制して8-6と2点差に突き放した。

「同点になるか2点差になるかという重要な局面での戦い方が伊藤選手は抜群に上手い。見事なポイント術です」(上田)

早田も良いプレーをしているが、ここぞという場面で伊藤がハイレベルのプレーを見せるために、どうしても追いつけない。

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スタジオを驚かせたのが、伊藤が8-7からのラリー。フォア側に大きく寄せられた後にバック側にドライブを打たれたのだが、絶妙なストップ性ブロックを見せたのだ。

エンドラインより後ろで打ったにもかかわらず、なんとネット際15センチほどのところに落として台上で2バウンドさせ早田がノータッチ。有り得ないボールコントロールだ。

「信じられない。なんであんなところに落ちるんだろう」(平野)

これもラリー中に相手をよく見ている伊藤ならではの技だと上田。

ここから早田が見事な逆チキータレシーブを見せて再度1点差の9-8と迫ったが、ここで伊藤はこれまでの巻き込みサーブから一転、この試合で初めて逆方向の横回転サーブを出して早田を戸惑わせ、見事な3球目攻撃を決めて10-8と突き放してこのゲームを奪った。

ところが次の第6ゲームでは通常の巻き込みサーブに戻し、8-6になると、またもや逆方向の横回転サーブを出して10-6と一気にマッチポイントを握り、最後はバックハンドレシーブで早田のフォアを抜き去って優勝を決めた。

まさに上田が指摘する、憎らしいばかりの「勝負強さとポイント術」だ。

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伊藤のあまりの圧倒的プレーに、早田ファンを公言する武井は「なんか早田選手が可哀そうになってきちゃった。お歳暮を贈りたい」とコメント。それほど伊藤のプレーがスゴかったということだ。


次に解説をしたのは上の試合の翌週行われたWTTスターコンテンダー・ドーハでの女子シングルス決勝のフォン・ティエンウェイ(シンガポール)との一戦。フォンは34歳のベテランながら世界ランク12位の猛者だ。

この試合、フォンは伊藤のチキータや逆チキータを嫌って、長いサーブを中心に戦う作戦。大きいラリーに持ち込んで、伊藤を台から下げたい考えだ。

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第1ゲームは一進一退となり、伊藤10-9とリードした場面が上田による注目ポイントだ。フォンの長いサーブに対して伊藤は回り込みフォアスマッシュをしたが、入らずに10-10となり、その後も失点が続いて10-12でこのゲームを落とした。

しかし上田は、ミスをしたものの、この伊藤の回り込みレシーブスマッシュが後のゲームの大きな鍵になっていると見る。

それは第2ゲーム10-10でフォンがサーブの場面だ。フォア前に来たフォンのサーブに対して伊藤が得意のチキータをして、フォンのミスを誘ったのだが、実はここに驚くべき秘密が隠されていた。

伊藤はフォンがサーブを出す瞬間、一瞬バック側に回り込む動きを見せているのだ。この動きと、第1ゲーム終盤での回り込みスマッシュの記憶があるために、フォンは急遽サーブをフォア前に切り替えたのだ。

伊藤はそれを待ってチキータをした。つまり伊藤は、この局面で、フォンのサーブをフォア前に誘導したのであり、第1ゲームの10-9のプレーはその伏線になっていたのだ。

「滅茶苦茶玄人目線ですけど、僕の中では鳥肌が立つくらいスゴいプレーでした」(上田)

このプレーで第2ゲームを取った伊藤は、その後3ゲームを連取して4-1でフォンを下し、2大会連続の優勝を決めた。

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