左上から平野美宇、張本智和、張本美和、吉山僚一、曽根翔、早田ひな、戸上隼輔、木原美悠 Photo:World Table Tennis
卓球史上初開催の「ITTF混合団体ワールドカップ」<12月4~10日/中国・成都>が開幕する。
参加チームは世界最強の中国をはじめとする全18チーム。日本は第1シードの中国、第2シードのドイツに次ぐ第3シードで今大会に臨む。
当初、日本はエントリー締め切りまでの準備期間が短いことやパリ2024オリンピックの国内選考会、WTTのスケジュールとの兼ね合い、世界ランクポイントの対象大会ではないなどの理由から出場を回避していたが、最終的に日本卓球協会が男女各4人を選出。
11月25、26日に開かれた全農CUP大阪大会(第6回代表選考会)でパリ2024オリンピックシングルス代表を確実にした男子の張本智和(智和企画/世界ランク11位)と戸上隼輔(明治大学/24位)、女子の早田ひな(日本生命/5位)らも男女一丸となって世界のトップ選手としのぎを削る。
日本出場選手
■男子
張本智和、戸上隼輔、吉山僚一(日本大学/143位)、曽根翔(T.T彩たま/279位)
■女子
早田ひな、平野美宇(木下グループ/17位)、木原美悠(木下グループ/23位)、張本美和(木下アカデミー/14位)
初開催のITTF混合団体ワールドカップは前例のない試合システムを採用しており、やや複雑なため整理してみたい。
・第1ステージ(4~5日)と第2ステージ(6~10日)がある。第1ステージは18チームが4グループ(4チーム×2グループ、5チーム×2グループ)に分かれ総当たり戦を行い、各グループの上位2チームが第2ステージへ進む。
・第2ステージは第1ステージを通過した8チームの総当たり戦。ただし、第1ステージですでに対戦したチームはその結果が持ち越され再戦はない。最終的に1位のチームが優勝する。
・それぞれの試合は3ゲームマッチ(3-0もしくは2-1)で先に計8ゲームを獲得したチームが勝利するリレー形式。
1番 混合ダブルス
2番 女子シングルス(混合ダブルスに出ていない選手)
3番 男子シングルス(混合ダブルスに出ていない選手)
4番 女子ダブルスまたは男子ダブルス
5番 男子ダブルスまたは女子ダブルス
とにかく先に8ゲームを取ったチームが勝ちという試合システムではスタートダッシュが鍵を握る。
先陣を切る混合ダブルスはエースペアの張本智和/早田が有力だが、混合ダブルスに出た選手はシングルスに出られないため、相手チームによって別ペアもあり得るだろう。
日本がどんなペアとオーダーで第1ステージ突破、そして第2ステージ上位進出を目指すのかに注目だ。
中国の顔ぶれは男子世界ランク1位の樊振東、2位の王楚欽、3位の馬龍、7位の林高遠。女子も世界ランク1位の孫穎莎、2位の王曼昱、3位の陳夢、4位の王芸迪というフルメンバー。
混合ダブルスのペアはこれまでの実績から世界卓球2021ヒューストン、2023南アフリカ連覇の王楚欽/孫穎莎が濃厚だが、シングルスのオーダーを考慮して、アジア選手権金メダルの林高遠/王芸迪というカードもある。どちらが来ても強敵だ。
ちなみに、張本/早田は世界卓球2大会連続、決勝で王/孫に敗れて銀メダル。林/王にも今年9月のアジア選手権、9~10月のアジア競技大会ともに準々決勝で敗れているため、もし今大会で対戦となればリベンジを懸けた一戦となる。
混合ダブルスから流れを引き継ぐ2番の女子シングルスも重要だが、パリオリンピック選考ポイント2位の平野、4位の木原、そして5位の張本美和と充実の布陣が控える。
特に全農CUP大阪大会(第6回代表選考会)決勝で女子のエース早田を倒し優勝した張本に勢いがあり、シニアの団体戦でも活躍が期待される。
平野も全農CUP大阪大会(第6回代表選考会)は5位にとどまったものの、自身がITTF混合団体ワールドカップ出場を決めた理由について、「中国の選手たちがTリーグに来てくれて日本のレベルアップになっている。日本も中国で行われる大会に出場することが日本の卓球界の発展につながると思う」などと話し、23歳になって女子日本をけん引する立場となり、より広い視野で卓球を捉える頼もしさを見せている。
今大会でも世界卓球や東京オリンピックなどの大舞台で団体戦を戦ってきた経験が生きるはずだ。
日本のライバルは中国以外にも第2シードのドイツ、第4シードの韓国がいる。
しかし、ドイツは今大会に男子のオフチャロフ(世界ランク12位)、チウ・ダン(13位)、フランツィスカ(29位)、女子のハン・イン(9位)らがエントリーしておらず、対戦した場合には日本に分があると見られる。
他方、韓国は男子のチャン・ウジン(10位)、イム・ジョンフン(17位)、女子のシン・ユビン(8位)、チョン・ジヒ(36位)らベストメンバーが揃っており、特にダブルス種目で実力を発揮するだろう。
第5シードのフランスも手強い。急成長の17歳F・ルブラン(8位)、A・ルブラン(23位)兄弟やゴジ(26位)、女子のユアン・ジアナン(26位)らがおり、ダブルス種目と男子シングルスでバランス良く得点できる布陣と言える。
なお、男子のエース林昀儒(6位)と女子のエース鄭怡静(18位)が出場しない第6シードの台湾や、A・シェルベリ(16位)とカールソン(37位)がいるものの、モーレゴード(19位)、ファルク(21位)を欠く第10シードの古豪スウェーデンは戦力が落ちる。
これらを踏まえ優勝争いはズバ抜けた強さの中国を軸に日本、韓国、フランスがいかに絡んでいくかになりそうだ。
懸案の世界ランクポイントだが、優勝チームに1000ポイント、準優勝チームに700ポイント、ベスト4に350ポイント、ベスト8に175ポイント、9~18位に20ポイントが付与され、個人の世界ランクポイントはシングルスおよびダブルスで勝利したゲーム数を基に算出される。
(文=高樹ミナ)
■ステージ1 組み合わせ
ITTF公式HPより
<グループ1>
中国
香港
スウェーデン
プエルトリコ
<グループ2>
ドイツ
ポルトガル
エジプト
スロバキア
<グループ3>
日本
フランス
ルーマニア
アメリカ
オーストラリア
<グループ4>
韓国
台湾
シンガポール
インド
カナダ