平野美宇 PHOTO:World Table Tennis
WTTコンテンダーアルマトイ(9月1〜6日/カザフスタン)で女子シングルを制覇。ダブルスでも木原美悠(トップおとめピンポンズ名古屋)とのペアで優勝を果たした平野美宇(個人)から、2冠達成の喜びの声が届いた。
平野の国際ツアー優勝は2023年のWTTコンテンダーザグレブ以来、約3年ぶり。2024年パリオリンピック団体銀メダルの活躍から、世界卓球2025ドーハでシングルス2回戦敗退の失意を乗り越え、WTTシリーズ優勝まで自身を立て直してきた平野。
これまで何度も逆境を力に変えてきた不屈の精神の持ち主は今、どんな心境でいるのか。WTT欧州3連戦を転戦中の彼女に聞いた
――2冠達成おめでとうございます。率直な気持ちを聞かせて下さい
優勝を目標にはしていましたが、まずは目の前の一戦一戦と思って戦っていました。2冠を達成することができて嬉しいです。
そして、新しい環境(木下グループから個人に所属変更。Tリーグの在籍チームも木下アビエル神奈川から九州カリーナへ移籍)で挑戦すると決めてから優勝という結果が出せたことも、とても嬉しかったです。
――ダブルスはストレート勝ちでしたが、第3ゲームはインドペア(ダス/S.ムカルジー)と競り合いになって、20-18というものすごいスコアでの決着でしたね
はい。2ゲーム目の後半から、相手のペアが思い切って来ている感覚があって、3ゲーム目も思い切り打ってきたボールが入ってきました。
こちらがリードしている場面ではよくあることなので、木原選手と冷静に、自分たちのやるべきことをすることに徹しました。3ゲーム目で(勝利を)決めることができて良かったです。
――シングルスは準決勝、決勝と日本人同士の対戦でした。長﨑美柚選手との準決勝、早田ひな選手との決勝を振り返って、それぞれ勝因を教えて下さい
準々決勝から左利きの選手との試合が連続しました。左利きの選手と対戦するときに大切になる台上技術やコース取りが良かったと思います。そして、2試合ともタイムアウトのタイミングを自分で冷静に判断できたと思います。
――8月下旬にはヨーロッパ チャンピオンズ リーグ(ECL)にもクロアチアのDr.チャッスルから初挑戦しました。出場理由とあわせプラスになったことは何でしたか?
劉潔コーチから、「卓球を通して世界を見てみたら?」とアドバイスをいただき、挑戦してみることにしました。初めての参戦でヨーロッパリーグの雰囲気を味わうことができました。
また、チームで先に8ゲームを取った方が勝ちという方式(1番から5番まで各マッチ3ゲーム先取)で、4番の私が5-7で5番の面田采巳選手(愛知工業大学)に回してしまったときの試合を見て、面田選手の気持ちの強さに本当に感動しました。
チームは負けてしまったのですが、私も頑張ろうと思うきっかけになりました。
――今年7月に行われた九州カリーナ入団会見で、「新しい環境で新ハリケーンを見せる!」と抱負を述べました。まさにそれをアルマトイで披露した形ですが、平野選手ご自身が考える「新ハリケーン」とは?
九州カリーナに入団してから、川面さん(川面創代表取締役)がどんなときも私のことを気にかけて、声をかけて下さってとても感謝しています。先日は、とある本を下さって、そこに書かれたポジティブな考え方が卓球に生きてきていると感じています。
プレーの面では、攻撃の幅と守備の幅も増やしていきたいです。今回は発揮できた部分があると思いますが、まだまだできると思うので進化していきたいです。
――今後も国際ツアーに積極的に出場していかれると思いますが、何を目指していくのか、何が競技のモチベーションになっているのかを聞かせていただけますか?
今回は3連戦(WTTコンテンダー アルマトイ、WTTコンテンダー パナギュリシュテ、WTTスターコンテンダー アスタナ)ですので、残りの2大会でも自分の全力のプレーを見ていただきたいです。
今回、アルマトイで気づいたのは、今までは外的目標(外発的動機づけによる目的)が多かった気がしますが、今は自分に自信が持てる状態、自分を好きな状態(内的目標=内発的動機づけによる目的)で人生を過ごしたいと思うようになりました。
そのためにも妥協をせず、卓球に向き合っていきたいです。
文=高樹ミナ