2019.11.21

伊藤、張本が五輪代表入り確実。シングルス2つ目の枠は誰が勝ち取るのか?そして団体メンバーは【2020東京五輪】

伊藤美誠、張本智和 Photo:Itaru Chiba


2020東京オリンピック 卓球競技(2020年7月25日~8月7日)の日本代表選手選考レースが佳境を迎えている。

代表の枠は、シングルスに出場できる選手が男女各2名。それに加えて、団体要員として各1名。男女それぞれで3名が選ばれる。シングルスの代表は、2020年1月発表の世界ランク日本選手上位2名が選出。団体要員の3人目は強化本部の推薦によって決定。

この1年間、選手たちは世界卓球、ワールドカップ、ワールドツアーなどの国際大会でポイントを獲得し、世界ランクを上げることを目標に戦ってきた。最後の試合となるのは、12月12日~15日に行われるITTFワールドツアー・グランドファイナル。あと3週間ほどで、誰が五輪のシングルス出場権を獲得するのかが決まるのだ。

石川佳純 Photo:Itaru Chiba


女子の2番手争いは石川と平野の一騎打ち

11月12日~17日に行われたITTFワールドツアー・オーストリアオープンが終わった段階で伊藤美誠(スターツ/世界ランク7位)のシングルスの代表入りが確定となった。この1年間でコンスタントに好成績を残してきた伊藤はランキングポイントで日本女子のトップを独走しており、加えて今回のオーストリアオープンの女子シングルスで今シーズン初優勝を果たしてポイントを加算。

あとを追う石川佳純(全農/同8位)、平野美宇(日本生命/世界ランク10位)が残りの大会で全部優勝したとしても、伊藤のポイントを抜くことができなくなり、伊藤の代表一番乗りが決まった。

一方、まだまだ行方がわからないのが石川と平野による2番手争いだ。現在の世界ランクでは石川が上位に位置するが、代表選考に直接関係する2020年1月時点で有効なポイントの合計点では、石川佳純【10230】に対して、平野美宇が【10295】で65ポイントのリード。とはいえ、その差はわずかであり、石川が1大会でも平野を上回る結果を残せば逆転は可能だ。

平野美宇 Photo:Itaru Chiba


平野と石川が出場予定の大会は、残り3大会。

・T2ダイヤモンド(シンガポール 11月21日~24日)
・ITTFチャレンジプラス・ノースアメリカンオープン(マーカム・カナダ 12月4日~12月8日)
・ITTFワールドツアー・グランドファイナル(鄭州・中国 12月12日~15日)

両選手の争いは、おそらくラストマッチのグランドファイナルまでもつれ、最後の最後まで目が離せない状況になるだろう。

2番手争いに加えて、団体メンバーの3人目が誰になるのかも注目だが、女子の場合は、伊藤、石川、平野の日本女子トップ3の布陣になる可能性が高いと言われている。

平野が2番手に選ばれた場合に、団体で重要になるサウスポーの選手を石川ではなく、伊藤とのペアリングで実績のある早田ひな(日本生命/同25位)を起用するという案がないことはない。しかしながら、シングルスでの実績や両者の経験値の差、また今月行われたワールドカップ団体戦で石川・平野ペアがまずまずの結果を残していることを踏まえると、現状の日本最強トリオで臨むほうがリスクは少ないだろう。

丹羽孝希 Photo:Itaru Chiba


男子は丹羽vs水谷の熾烈な争い。3人目の団体要員に吉村が選ばれる可能性も?

一方の男子は、団体メンバー選考も含めて、女子よりも複雑な状況になっている。まず日本男子のトップを走る張本智和(木下グループ/同5位)は、女子の伊藤と同様にオーストリアオープン後にシングルス代表入りが確定。

シングルスの残り1枠を争うのは、丹羽孝希(スヴェンソン/11位)と水谷隼(木下グループ/同13位)。両者の有効ポイントは、丹羽孝希【8365】、水谷隼【8425】で水谷がわずかにリードしている。

オーストリアオープン前は、残りの大会を考えると「水谷有利」というのが大方の予想だったが、ここにきて逆転の可能性が高まっているのが丹羽だ。オーストリアオープンでベスト8に入ってポイントを加算した丹羽は、水谷との差をわずか60ポイントまで縮めた。

そして、丹羽にとって大きいのがT2ダイヤモンドへの繰り上げ出場だ。ボーナスポイント扱いとなるこの大会は出場するだけでも(初戦敗退でも)400ポイントが確実に加算される。当初は、男子では張本と水谷のみに出場権が与えられていたのだが、中国選手が出場を辞退したことにより、丹羽が繰り上げ出場となった。

また、水谷は出場できない男子ワールドカップ(成都・中国 11月29日~12月1日)。ノースアメリカンオープンが丹羽にとっては大きなチャンス。元々、水谷はノースアメリカンオープンにエントリーしていたのだが、それを取り消している。これが最終結果にどう左右してしまうのだろうか。

水谷隼 Photo:Itaru Chiba


さらに、丹羽はグランドファイナルの繰り上げ出場の可能性も残っている。ワールドツアーの成績上位16名が出場できるこのグランドファイナル。張本、水谷は出場権を獲得しているが、丹羽は18番手となり出場権を逃していた。しかし、中国選手が大会出場停止処分を受けて、17番手の選手が繰り上げとなったため、あと1名の出場辞退者が出れば、丹羽に出場権が与えられる。

そして、男子の場合さらに悩ましいのが団体メンバーの3人目だ。順当に世界ランクで選べば、張本、水谷、丹羽になるが、簡単に決められないのが現在の男子の陣容。

今や日本のエースに成長し、先のワールドカップ団体戦でも活躍した張本は、シングルス2点使いが濃厚。そうなると残りの2名でダブルスを組むことになるが、交互に打つというダブルスの特性上、右利きと左利きのペアが有利とされるためサウスポー同士の丹羽と水谷のペアリングでは現実的に厳しい。初めて組んだ今年6月の香港オープンでは予選1回戦で敗退。その後二人はペアを組んでいない。

丹羽・水谷ペアの難しさを考えると、どちらかを外して、右利きの選手を加えるという案も検討せざるを得ない。そこで名前が出てくるのが前回のリオ五輪の団体メンバーでもある吉村真晴(名古屋ダイハツ/同48位)。

ダブルスのスペシャリストの吉村が入れば、丹羽と水谷のどちらと組むにせよダブルスはかなり強化されるだろう。その一方で、吉村が団体のシングルスで点が取れるのかという懸念もあったのだが、ワールドカップ団体戦では格上のボル(ドイツ/同8位)をストレートで下して、チームのメダル獲得に貢献。シングルスでも点が取れることを示したこの一戦は、吉村にとっては大きなアピールになったことは間違いない。

また、丹羽が逆転し、水谷が3番手になった場合、混合ダブルスも絡んでくる。現状はワールドツアーでも結果を残し、グランドファイナルにもエントリーされている水谷・伊藤ペアは五輪代表の有力候補。メダル獲得の可能性も高いペアなだけに、たとえ男子団体のダブルスが不安視されても、混合ダブルスを優先するという案も十分にありうる。水谷としては、グランドファイナルの混合ダブルスでも結果を残して、存在感を示したいところだろう。

男子の2つ目の切符は誰が獲得するのか。そして、団体はサウスポーペアでいくのか、右利きの吉村を入れるのか。それとも第3のサプライズメンバーが選ばれるのか。1月に発表される3人目の選手に大きな注目が集まっている。


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