飛行機に乗る天使

解説
物語
愛の画家
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ペイネ 愛の世界旅行


《第一部》
● 旅のはじまり……ベツレヘムへ ペイネの“恋人たち”、バレンチノとバレンチナ。二人は「本当の愛」を探す時空を超えた世界一周の旅に出かけます。 まずは、天使と悪魔が門番をしている天界での審査を受けなければなりません。“恋人たち”のリストを調べると“アダムとイブ”“ロミオとジュリエット”“アントニオとクレオパトラ”“カルロとソフィア”などの錚々たる恋人たちと並んで、“バレンチノとバレンチナ”の名前もありました。無事天使から<ラブ・パスポート>が手渡された途端に、天界から地上に落下してしまいます。
そこは、アラビアの砂漠。東方の三賢人に案内されて行き着いたところはベツレヘムです。馬小屋ではイエス・キリストが誕生し、新しい世界が訪れようとしていました。
● ギリシャ→オランダ→ベルギー→地中海底→ドイツ→スペイン
“戦争反対 恋愛賛成”爆撃により穴の開いてしまった空中に、天使が繕いをしています。まさにここは戦場。アイスキャンディーも大佐のかたちをしています。けわしい山道を登った丘はアクロポリス。そこにパルテノン神殿。兵士たちの不気味なダンスを鑑賞した二人は、一路オランダへ。レンブラントの絵画「トウルプ博士の解剖」がそのまま空になっているシュールな風景が続き、ベルギーでは“小便小僧”がビールを飲んでいます。地中海付近では、ネモ艇長率いる潜水艦“ノーチラス号”のおでまし。ジュール・ヴェルヌの名作「海底二万哩」の世界よろしく、美しい海底の世界を楽しむ二人。
ドイツからスペインへ。灼熱の太陽が身を灼く闘牛とフラメンコの国。弱きを助け、無法に抵抗し、邪悪と闘う孤高の剣士、ドン・キホーテの登場です。投獄された彼をバレンチノが知恵をしぼって救出します。
● スイス→イタリア
スイスではかわいい子どもたちがデモの真最中。「父親は横暴だ! 子供を虐待するな!」。ウィリアム・テルが息子の頭にリンゴをのせ、射ようとしていることへの抗議です。立場逆転し、息子の放った矢は見事テルのお尻に命中! 抗議に加わった“恋人たち”は衛兵に連行されてしまいます。
「カット! 休憩!」。なんのことはないフェデリコ・フェリーニの映画の撮影現場でした。そこは古都ローマ。「この遺跡の下に都会が埋もれている」とバレンチノ。コロセウム、伝説のロムルス兄弟 etc。フィレンツェの結婚式。「ボッティチェリのビーナス、ミケランジェロのダビデを夫とするか?」「芸術の名において汝らを結ぶ」信じられない光景の傍では、レオナルド・ダ・ビンチ発明の飛行機が墜落しています。フィレンツェではスパゲティやピッツァを堪能し、ベスビオスの噴火に出会います。やがて、聖フランチェスコが登場します。彼の手元から飛び立つ平和の鳩が高く高く飛翔します。



《第二部》
● イギリス→デンマーク
バレンチノとバレンチナを乗せた愛の飛行機<エア・ラブ>が霧もやの中をゆっくり都市に向って下降しています。ロンドンです。あまりにも濃い霧のため、二人は迷子になってしまいます。感激の再会を果たした場所はバッキンガム宮殿の目の前。横をパレード中のエリザベス女王とウィリアム王子が通過していきました。抱き合う二人を横目に「今の若い人は分からないわね」とエリザベス女王。二人はここで宮殿の舞踏会に招待されることになります。ビクトリア女王や、シェイクスピア、チャーチルなども招待される華麗なパーティ。ビートルズの面々も演奏を披露しています。
引留められつつ旅を急ぐ二人はコペンハーゲンへ。海辺には人魚たちが戯れ、楽しい遊園地から気球に乗って東洋に向う二人は、幸せ一杯で抱擁を交しています。
● 北極→日本→ブラジル→メキシコ→アメリカ→中国→ロシア
北極のエスキモーを眼下に見下ろし、桜の花咲く日本へ。フジヤマ、キモノ、エキゾチックな音楽、そしてネオン街とテレビ、テレビ。
再び<エア・ラブ>に搭乗した二人は広大なブラジルへ。カーニバル、ラテン音楽、南米の乾いた空気がワクワクした気分にさせてくれます。
メキシコ・アメリカ国境沿いでは『荒野の用心棒』ならぬ、ウェスタンな硬派な雰囲気がプンプン。
ミシシッピーあたりの深南部では、綿畑、黒人、ゴスペル音楽。 やがて首都ワシントンへ。ホワイトハウスを真っ二つに割ると中で電話をしているのはニクソン大統領。どうやらコスイギンとホットラインでもめている模様。その内容が夕食の献立だなんて…。おまけに毛沢東までもが「夕食に私も行っていいか」と言う始末。
曲芸技のホットラインの綱渡りで二人は中国を通過しモスクワへ。コーカサスの合唱団、科学者、赤の広場、ボリショイ劇場。広場のスターリングラード駅から帰国の途につく二人。
● 旅のおわり……フランス・パリへ
パリのメトロ、スターリングラード駅に無事到着。そうです、パリです。なつかしいパリ。モンパルナスの画家たち、ロートレック、ノートルダム寺院、ルーブル美術館前のセーヌ河沿いで涼むモナ・リザ。そして、五月革命。“恋愛賛成、戦争反対”のプラカードを掲げた学生たち。緑したたる五月のパリに、一面の花びらが舞い下りてきます。
旅の終わりが近づき、「本当の愛」に気づいた二人は、ブローニュの森の奥深く、静かで平和なキオスクへ向かい始めました。その場所こそ、二人の「愛の世界」だったのです。
「愛してる?」「もちろん」「どのくらい?」「とっても」「私はもっとよ」「僕はそれ以上」バレンチノとバレンチナは、ベッドで愛の言葉を語りあうのでした。 おしまい。
 
 


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