天使の肌
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天使の肌
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 春。早朝の農家の部屋では、たくさんの子供たちがひとつのベッドで眠っている。アンジェルは9人兄弟の最年長で唯一の娘だ。母親が父親に言う。「借金が多すぎて、村の人にも顔を合わせられない。弟は来年から働きに出るし、アンジェルにも出ていってもらうしかないわ」。間もなくアンジェルは、町のアルトー医師の家で家政婦として働くことになった。先輩格のジョジアーヌは、アンジェルと同じ年頃だ。部屋で一緒にレコードを聴くのが、二人の楽しみになった。ジョジアーヌはアンジェルに歌手になったらいいと言うが、アンジェルには思いもよらないことだった。

 昼下がり、駅前のカフェ。ジョジアーヌがジュークボックスでリタ・ミツコの曲を何度もかけて踊っていると、見かけない若い男グレゴワールが話しかけてきた。「歌手のマネージャーをやっている」「友達が歌手なの」「連れてきたら会ってあげるよ」。ジョジアーヌはお屋敷に飛んで帰る。
自転車を走らせてカフェに到着したアンジェルとジョジアーヌ。アンジェルはどう見ても歌手ではない。グレゴワールは列車の時間を確かめに席を立つが、日曜なので夜まで待たなければならないという。グレゴワールが戻ると、アンジェルだけがそこにいた。「彼女は仕事があって、帰ったの」仕方なく、グレゴワールが話しかける。「…歌手ならどこかいい店を知らないか?」

 夕立の中、ホテルのバーに走りこむ二人。ワインを飲みながら、グレゴワールは少しずつ自分のことを話し始める。酔いの回ったグレゴワールは、片隅のピアニストに歌の伴奏を頼む。「マネージャーは嘘なんだ」。アンジェルは“小さなカンタータ”を歌い始めるが、とてもプロのものではない。歌い終わり、いたたまれずに帰ろうとするアンジェルの腕を、グレゴワールが捕まえる。「一緒にいてくれ。独りになりたくない」。二人はホテルの一室へ。「君といると気が楽になる」。アンジェルの胸は高鳴った。これは恋なのだろうか。
翌朝、グレゴワールは母親の形見のペンダントをアンジェルに渡し、列車に乗って去っていく。寝坊したため、もうアルトー家には戻れないと考えたアンジェルは、町を出る。

  グルニエ製薬に就職したグレゴワールは、入社早々、会社のパーティーでひとりの美しい女性に目を奪われる。ロール、グルニエ製薬の社長令嬢だ。急速に惹かれあう二人。ある夜、ロールはアルトー家の晩餐会にグレゴワールを誘う。屋敷で再会したジョジアーヌとグレゴワールは動揺する。一方、アンジェルはヒッチハイクで行き着いた郊外で働いていた。ジョジアーヌに電話を掛けると、グレゴワールのニュースが飛び込んできた。ジョジアーヌは、アルトー家に出入りする医薬品のセールスマン、フェブルが住み込みのメイドを探していると教えてくれた。「同じグルニエ製薬の人なのよ。グレゴワールのことが何かわかるわ」

グレゴワールはロールとの愛を深めていった。結婚も近い。アンジェルはフェブル家で働き始めるが、夫婦仲は冷めていてフェブルは酒に溺れる毎日。ある夜、アンジェルは大きな物音で目が覚める。居間ではフェブルが酩酊状態、台所では夫人が倒れている。アンジェルはフェブルと共謀して夫人を殺害した容疑で逮捕される。弁護士はフェブルとの関係を問いただすが、アンジェルの供述はあいまいだ。
アンジェルの弁護士は、グレゴワールを捜し出す。グレゴワールは面会を迫る弁護士を拒絶し続けるが、苛立ちは募り、ロールとの中もしっくりと行かなくなる。

  刑務所の庭で修道女たちが花の手入れをしているのを見たアンジェルは、シスターと一緒に庭仕事をする許可を求める。そしてとうとう、グレゴワールが面会に来た。「…僕は君を愛してない。愛は嫌いだ。妻を愛してるかも、確信がない」。弱い自分をさらけ出すグレゴワールに、アンジェルは穏やかに応える。「愛は不確かなもの…でも、私はあなたを愛してる」

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