南アフリカ・ヨハネスブルク。
アパルトヘイトの爪跡が今も残る社会に生きるひとりの少年がいた。本名は誰も知らない。
ツォツィ=不良と呼ばれるその少年は、仲間とつるんで窃盗やカージャックを繰り返し、怒りと憎しみだけを胸にその日を生き延びていた。名前を捨て、辛い過去を封印し、未来から目をそらして…。
ある日、ツォツィは、奪った車の中にいた生後数ヶ月の赤ん坊と出逢う。生まれたばかりのその小さな命は、封印していたはずのさまざまな記憶を呼び覚ました。「生きること」の意味を見失っていたツォツィは、その小さな命と向き合うことで、はからずも命の価値に気づき、希望と償いの道を歩みはじめる。
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