テレビ東京アニメ公式サイト:あにてれ

ある日の夕方、隣町のスーパーまで買い物に行っていた主婦の女性。
彼女は晩御飯の支度をするため、自宅への帰り道を急いでいた。すると、自宅からほど近い、ある一軒家の前に人だかりができているのを見て足を止める。それは火事だった。
消防隊による消火活動が続けられている中、ふと二階にある子供部屋らしき窓に、まるで外を眺めるように座らされている可愛らしい女の子の姿をした人形が目に入る。きっとこの家の子が大切にしているオモチャなのだろう。
「子供が無事だといいけど…」
それ以上、とても見ていることができず、その場を後にする彼女。
翌朝、自分の子供を幼稚園に送るため、自転車で家を出た彼女がその家の前を通りかかると、焼け落ちた家の前の電柱に、もたれかかるように座らされた昨日の人形があるのに気づく。
黒焦げになった人形の髪はところどころ焼け落ち、プラスチック製の顔も火事の熱のせいだろうか溶けてしまい、まるで苦悶の表情を浮かべているように見えた。
子供を幼稚園に送った帰り、同じ道を通ると、例の黒焦げの人形は無くなっていた。
「捨てられちゃったのかな?」
自宅のアパートに帰ってきた彼女はドアの前に何か置いてあるのに気づく。
それはドアにもたれかかるように座ったあの人形だった。
「…誰がこんなことを?」
気味が悪かったため、すぐに近くのゴミ捨て場まで捨てに行く彼女。
その晩、人形のことなどすっかり忘れ、眠りについた彼女だったが、何かが焼けるような臭いで目を覚ます。
寝ぼけた目で室内を見回すと、何故かあらゆる場所から火の手が上がっている。
混乱しながらもすぐに子供を抱きかかえ、夫とともに部屋から逃げ出そうと玄関に視線を送った彼女は自分の目を疑った。
そこにはドアの新聞受けからこちらを観察するように覗き込む、あの黒焦げの人形の顔があったのだ。
その顔は以前よりもさらに溶けて変形し、まるで笑っているように見えた。
夏休み最後の日。大慌てで夏休みの宿題を片付けようとしている孝明、治、正樹の三人は気分転換に、治がいとこの兄ちゃんにもらったという幽霊が写っているビデオを観ることに。
肝試しに行った際に墓地に置き忘れたというビデオカメラには、撮った覚えのない映像が収録されているらしく、観ているうちに墓石に何やら人の顔のような影を見つける治と正樹。
そんな中、画面の隅に人間とは思えない巨大な人影が映り込んでいることに気づいた孝明は二人に教えようとするのだが…。
【この噂の続きはまたどこかで】
とある郊外の住宅街に住む女子高生。
彼女の自宅近くには事故が頻発する路地があり、先週も会社員の男性が脇見運転をしていた車とブロック塀の間に挟まれ、命を落とすという凄惨な事故が起きたばかりであった。
ただ不可解なのはこの路地が比較的、見通しの良い交差点であるという事。あまりにも事故が多いため、去年からカーブミラーまで設置されたが、それでも事故は減るどころか増える一方であった。
この路地を通学路としていた彼女は必要以上に気を付けて通るようにしていた。
そんなある日の夕方、部活で帰りが遅くなってしまった彼女が、いつものように例の路地あたりに差し掛かった時のこと、何気なく見たカーブミラーの中に何者かの気配を感じてしまう。
カーブミラーには当然自分の姿が映っているのだが、彼女から20メートルほど離れた位置で小学校低学年ぐらいの少女が電柱の陰に隠れながら鏡越しにこちらを見ていたのだ。
こんなところにいたら事故に巻き込まれてしまうと心配した彼女はカーブミラーの前で立ち止まり、笑いながら鏡越しに少女に手を振って見せた。
するとそれに反応するように恥ずかしそうにピョコンと姿を現す少女。声をかけようと彼女が振り返るが少女の姿はどこにも見当たらない。
動揺した彼女が再びカーブミラーに視線を戻すと、鏡の中の少女は自分のすぐ背後にまで接近してきている。何度、振り返って確認してみてもそこにはだれもいない。
「…どういう…こと?」
状況がよく理解できないまま鏡の中の少女を見ると、誰かに向かって手招きをしているのがわかる。
鏡越しに、少女が手招きする先に視線を送った彼女はさらに目を疑ってしまう。
そこには、きっとこの路地で悲惨な事故の犠牲になった人々だろうか…体中の骨は折れ、血まみれになった大勢の人々が、さっきまでの少女と同じように電柱や塀の影から顔を覗かせていたのだ。
恐怖のあまり、カーブミラーから目を離せなくなる彼女。
そのすぐ背後には猛スピードのバイクが接近していることにも気づかずに…。
高校の野球部に所属する大輔、隆司、彰信は合宿に来ていた。
三人は、その昔、少年野球のチームにいた頃、この合宿所に来たことがあり、その時に大輔がボットン便所に落ちたことを思い出す。
すっかりその時の記憶が抜け落ちていた大輔は腹が痛くなり、嫌な思い出のあるトイレへ。
「なんで忘れてたんだろう」と窓から見える月を見上げる大輔の脳裏に当時の記憶が蘇る。
ボットン便所の中から、ぽっかりと開いた便器の穴を見上げる大輔の背後で何者かの息づかいが聞こえたことを…。
【この噂の続きはまたどこかで】
ある日の放課後。
校内でクラスメイト7人とかくれんぼを始めた小学5年生の男子生徒。じゃんけんで鬼になることを免れた彼は身を潜める場所を探すため、ある教室に飛び込む。
教卓の下やカーテンの裏など、様々な隠れ場所を見て回るものの、どこもすぐに見つかってしまいそうな気がしてしまう。
とはいえ、廊下からは鬼の「もういいかい?」という声。もうこの教室のどこかに隠れるしかないだろう。
その時、掃除用具を入れる金属製のロッカーの中から扉を爪で引っ掻くようなガリガリという音が聞こえたような気がする。だが自分より先にこの教室に隠れた者はいないはず。
そんな中、鬼はゆっくりとこちらに移動し始めたようだ。
仕方なく勢いよくロッカーの扉を開けてみた彼は、中から何かが飛び出したような奇妙な感覚に襲われる。そうしている間にも鬼の足音が教室の前までやってきたため、確認する間もなく、ロッカーの中に身を潜めることに。
扉の隙間から覗き見ていると、鬼役の友達は教室に入ってきたものの、このロッカーに近づくことなくすぐに出て行った。その後、誰かが見つかったような声が校内に響き渡っていたが、鬼も隠れていた友達も、この教室にはやってこない。
いい加減、息苦しくなってきた彼はもう出ようかと思い始めるが、ふと薄暗いロッカーの扉の内側にビッシリと赤い字で何か書いてあることに気づく。
『開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて…』
気味が悪くなりロッカーから飛び出そうとするが、何故か扉はビクともしない。
その時、かくれんぼをしていたメンバーが教室に入ってくる。どうやら自分以外、全員見つかってしまったようだ。
ところが彼らの人数を数えてみると、おかしなことに気づく。何度、数え直してもそこには確かに8人いるのだ。
一人ずつその顔を確認していくと、今にも帰ろうとしているメンバーの中に、自分と瓜二つな人間の姿があった。
「…そいつは僕じゃない!!」
喉が張り裂けんばかりに叫ぶ彼の声も仲間には届かない。
あまりの狭さに身動きすらままならない彼は爪が剥がれようとも必死で金属の扉をガリガリと引っ掻いた。
友達と仲良さげに帰っていくもう一人の自分の背中を、ロッカーのわずかな隙間から見送ることしかできない彼は、指先から血を流しながら同じ言葉をブツブツと繰り返した。
「開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて…」
