ギンザケの養殖で日本一の水揚げ量を誇る、宮城県女川町。しかし近年、海水温の上昇などにより、大きな打撃を受けている。リージョナルフィッシュの梅川忠典さんたちは、地元の声を受け、高温に強いギンザケの開発に着手。昨年11月、現地で海面養殖を開始。そして今年4月、初の水揚げを迎えた。水揚げされたギンザケは、大手コンビニチェーン「セブン-イレブン」からも期待をかけられている。新技術による品種改良は、産地再生の一手となるのか。その行方を追う。
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2026年6月19日(金)放送 第1221回
"新しい地魚"をつくる!
かつて漁獲量で世界トップを誇った"水産大国ニッポン"。しかし、1980年代をピークに漁獲量は減少し、今や世界12位へと転落してしまった。国際的な魚の争奪戦だけでなく、温暖化による海水温の上昇で天然魚だけでなく、養殖業への影響がでている。こうした状況の中、最先端技術での品種改良によって、漁獲量や味を向上させつつ安定供給を実現する「新たな地魚」を生み出そうとしているのが、京都大学発のスタートアップ企業「リージョナルフィッシュ」だ。代表の梅川忠典さんは、「日本の魚は世界一。世界で勝てる産業」との信念を持って、日本の水産業の再生を目指している。最高技術責任者の木下政人さんと挑むのが、「ゲノム編集技術」。これまでに、筋肉量を増やしたマダイなど、新たな品種を生み出してきた。この新たな魚には、様々な大手企業も注目している。しかし、「ゲノム編集」に対する不安や反発は根強い。技術開発を進めつつ、漁業者や消費者、さらに政府などからの理解を得るために奮闘している。水産資源が危機的な状況の中、「フードテック」の力で、日本の水産業の未来をつくる挑戦を追った。
内容詳細
ギンザケを危機から救え!
新たな技術で「地魚」復活へ
2019年に創業した「リージョナルフィッシュ」。代表の梅川さんは、経営コンサルや投資ファンドに携わる中で「世界に勝てる産業」を模索してきた。製造業の現場を見て回る中で、日本の競争力低下を実感する一方、魚は今なお世界で評価が高いことに着目し、水産業に可能性を見出した。しかし、漁獲量は気候変動などの影響で減少が続く。養殖によって安定供給を実現し、水産業の再生を目指すには、それを可能にする品種改良の新たな技術が必要だった。そんな時、梅川さんが出会ったのが、京都大学で水産分野の研究に長年取り組んできた木下政人さんだった。木下さんが研究してきたのは、「ゲノム編集」。狙った遺伝子をピンポイントで変えることで、従来の約10倍のスピードで品種改良が可能になるとされる。2021年には世界初のゲノム編集による従来よりも可食部分が1.2倍大きい「マダイ」を販売。その後も、従来の2倍の速度で成長するヒラメやフグなど、次々と開発に成功。社名のリージョナルフィッシュの意味である「地魚」の復活に向け、各地との連携を進める。
オールジャパンで水産業復活へ
リージョナルフィッシュが掲げる「水産業の復活」には、様々な企業が賛同し出資や提携を進め、90以上の企業・団体が参画する「オールジャパン」の体制になっている。ミツカンなど大企業が参加する背景には、日本の魚食文化を守り、水産業の新たな可能性に大きな期待が集まるためだ。さらに梅川さんは、自治体や政府に対しても事業の理念を訴え続けている。一方で、ゲノム編集に対する不安は根強い。安全性や表示のあり方など、社会的な論点も多い。木下さんは研究を進める一方、自ら試食会や説明会に立ち、消費者へ直接語りかける活動を続けている。京都で行われた試食会では、抽選で選ばれた一般消費者にゲノム編集の仕組みを説明し、実際に試食してもらった。不安を抱いて参加した人は、どう感じたのか?梅川さんもまた、行政や企業との連携を進め、社会実装に向けた動きを加速させる。果たして、日本の水産業復活にかける彼らに夜明けはやってくるのか?
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2025年4月28日










