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STORYストーリー

2025年6月13日(金)放送 ストーリー No.0011

インフラ危機に挑む!

内容詳細

「見えない危機」

案内人は、一枚の浮世絵を見上げた。
「歌川広重が描いた『東海道五拾三次 日本橋・朝之景』。
江戸と京都を結ぶ旅路の出発点、日本橋。
かつてこの場所では、物流と人の流れが交差し、独自の文化が育まれていた」
描かれているのは、朝焼けの中、大名行列が橋を渡り旅立つ景色。
当時、この橋の上からは、江戸城はもちろん、遠くの富士山も、そして海から昇る朝日までも見渡せる、江戸の玄関口だった。
やがて、案内人の目に映る光景が移り変わる。現れたのは今の日本橋。
高速道路が頭上を覆い、橋には深い影が落ちている。
地下には水道管やガス管などのライフラインが密集している。
「建設から50年以上が経過したインフラは、劣化による陥没や崩落のリスクという形で、その限界を迎えつつあります」
案内人の声が、静かに警鐘を鳴らした。

「発想の転換」

部屋に転がるひと塊のコンクリートを、案内人は手に取った。
慎重に観察する彼の目が捉えたのは、一目ではわからない綻びだった。
ひび割れ、空洞、さびついた鉄筋——
「外からは見えなくても、内部では確実に劣化が進んでいます」
案内人はチョークで、コンクリートに何かを描いた。
「これまでは、壊して中を確認するしかありませんでした。
けれど今は、“壊さずに診る”技術が生まれています。
さらに、補修した場所も一目でわかるようになってきている」
静かに描かれていくそのサインは、目に見えない内部を見通す瞳。
「“見えないリスク”を“見える安心”に変える。
今、発想の転換が求められています」

「日本の青空」

再び映し出されたのは、現在の日本橋。
案内人は未来を見つめるように、その景色を眺めた。
「2040年、この橋の上を走る高速道路は、地下へ移される予定です」
切り替わると、青空が広がる未来の日本橋の完成予想図。
広い空の下、かつてのように開かれた橋と、広々とした歩道。
「この場所に青空が戻ってくる時、私たちは、今のインフラ危機を乗り越えているだろうか」
見えない危機に立ち向かうため、見えないものを見つめる技術と、その意志。
それが、次の時代を支える礎になるはずだ。

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2025年4月28日

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