PERSON 社員紹介

ドラマづくりの醍醐味は自分の考え方や信念を
作品を通して世の中に伝えられること

テレビ東京のドラマ室は「プロデューサー集団」

現在テレビ東京にはレギュラードラマの放送枠が8枠あります。これは、テレビ東京の歴史上最も多く、他局と比較してもトップクラスの放送枠数を誇りますが、反対に部員数は非常に少ないです。人が少ないのに枠は多いため、必然的に登板回数が多くなります(笑)。ドラマ室内でそれぞれの放送枠の担当者が決まっているわけではなく、企画を通した人がその枠のプロデューサーとなる為、クールごとに様々な時間帯を担当することもあります。同じ放送枠を連続で担当することもあれば、同じクール内で作品を掛け持ちすることもあります。大変ではありますが、次々とチャンスが回ってくることがテレビ東京のドラマ室の特徴です。また、テレビ東京のドラマ室は、部員全員がプロデューサーの、いわゆる「プロデューサー集団」であることも特徴的です。部員は他のセクションでキャリアを積み上げてから異動してきた人で構成されることが多く、新入社員が配属されることはほとんどありません。私はバラエティの制作現場から異動しましたが、営業、人事、報道など、所属部員のバックグラウンドは様々です。テレビ東京はドラマの制作実務の機能をもたないため、他局にあるような監督や助監督などのポジションがなく、外部の制作会社と協業する形をとっています。たまに勝手に自分で監督をやってしまう人もいますが(笑)。

ドラマづくりのクリエイティビティの根幹を担う

ドラマプロデューサーと聞くと、管理や調整がメインの非クリエイティブな仕事だと思われることもありますが、ドラマ企画の立案、脚本づくりやキャスティングも担当業務の一つです。ドラマづくりは、脚本やキャスティングが命だと言われますのでそういう意味では、ドラマづくりのクリエイティビティの根幹はプロデューサーが握ることになります。
放送枠ごとの企画募集がかかると、プロデューサーは企画書の提出に向けて準備を行います。例えばマンガ原作のドラマ企画を提出する場合はまず、出版社のライツ事業部や編集部に確認をとり、企画書を作成して、応募する。そこで自分の企画が通ったら脚本づくりを行い、スタッフやキャスティングを決めて、撮影、仕上げ、オンエアといった順番で進みます。企画からオンエアまで10か月のケースもあれば、2~3年かかることもあります。一日の勤務内容は撮影の有無で変わりますが、撮影がない時期は資料作成や、出演者の取材の立ち会いがあり、兼務しているクリエイティブビジネス制作チームの業務として、イベントに参加することもあります。撮影がある時期は朝から撮影現場に行き、一度局に戻って打ち合わせをして、また現場に行くなんてことも多いです。空いた時間でタレントや俳優の資料を見たり、巷で流行っているものをチェックしたり、原作になりそうなマンガを読むのも大切な仕事です。

過去の人生経験が何一つ無駄にならない、ドラマ制作

入社当初からドラマ室志望でしたが、現場での経験を積む為、最初はバラエティ制作チームに配属されました。その後みっちり10年間バラエティ番組を担当し、11年目にようやくドラマ室に異動することになりました。異動が決まったことを報告する上司の第一声は、「お待たせしました」でした(笑)。今でこそ言えることですが、バラエティで経験を積んだことが、ドラマづくりにおける私の強みになっていると思います。バラエティ制作チームに所属していた時は『モヤモヤさまぁ~ず2』や『YOUは何しに日本へ?』など、一般の方が多く登場する番組を担当していました。その中で本当に色んな人に出会い、その生き様に触れて、見聞が広がりました。それが今のドラマづくりに全て注ぎ込まれていると思います。バラエティ制作を学んだことで表現の幅も広がりましたし、ドラマのテーマとして扱いたいものがたくさん見つかりました。もし入社一年目からドラマ室にいたら、手掛けられるドラマの幅が狭まっていたかもしれません。ドラマにはそれぞれ、つくり手の「伝えたいこと」が込められています。だからこそ、これまでの人生経験が何一つ無駄にならないんですよ。私は個人的に報道出身の方がつくるドラマってすごいなと思うんです。社会問題に対する考えが深くて鋭いので、その想いがドラマにも表れるんですよね。なので、テレビ東京のドラマ室を目指す人は、まずはどこの部署でもいいから腐らずに頑張ってほしい。どんな経験でも、必ずその先に役立ちます。

「自分自身が観たい」ドラマをつくる

ドラマ室のなかでは「これがテレ東らしさだ」というイメージ共有は特にないですね。逆にこの言葉を嫌がっている社員も結構いるはずです。結果的に「テレ東らしい」と呼ばれるが、最初からそれを目指してはいけない。この絶妙なバランスで出来上がってるのが今のテレビ東京のドラマだと思います。単純に尖っているから「テレ東らしい」わけではないと思うんです。昔はただ単に過激で、ただ単にシュールであれば「尖っている」と評価されることもあったかもしれませんが、そのようなコンテンツは特別ではなくなってきています。私は今や「尖り方を変えていく」フェーズにきていると感じていています。例えば、性的なテーマを扱うにしても、ドラマ『来世ではちゃんとします』では肌の露出がほとんどないんです。その代わりにマニアックで細かい性的描写がちりばめられています。エロいから尖っているではなく、「エロ」の中身まで工夫することが今の時代には求められているのかなと思います。私がドラマづくりでなにより大切にしていることは「自分自身が観たいものを作る」ということです。企画を考えるとき、世の中にウケがいい内容を想像し、そこに寄せようとする考え方も大事だとは思います。しかし、世間に求められているドラマ像を考えて、色んな所に気を遣ってしまうと、誰にも刺さらない無難なものしかできない可能性があります。平均点は取れても満点が絶対に取れないドラマを作ってしまうことを、何よりも恐れています。『来世ではちゃんとします』をはじめ、いくつか作品を手がけて思ったのは、「自分が観たいと思うならば、他にも同じように考える人がいるはずだ」という妙な確信でした。

感覚をアップデートしていく必要性

とにかく古いものにこだわらないように気を付けています。「ドラマは時代を映す鏡」とよく言われますが、テレビはその時々の社会に寄り添うものなので、考え方をどんどんアップデートしていかないといけない。そうしないと、古いものしかつくれない上に、人を傷つけてしまう可能性があり、視聴者にそっぽを向かれてしまいます。そういった意味では、メディアの世界では「昔はよかった」というノスタルジーは危険だなと思います。例えば、ドラマ『きのう何食べた?』を手がけたときに感じたことですが、昔はLGBTというテーマが、一部のバラエティの中で笑いの対象や物珍しさの象徴として消費されてしまうことがありました。以前と比べると今は、LGBTを含めた多様性への理解と尊重が社会的に深まっています。しかし残念ながらまだ、過去の演出方法を面白いと感じている古い価値観の制作者も世の中には存在します。私はそうならないよう、「誰も傷つけずにドラマを作ることはできないとしても、傷つく人が1人でも少ないように」という心がけを大切にしています。ドラマづくりの醍醐味は、自分の考え方や信念を、作品を通して世の中に伝えられることに尽きます。等身大の自分でドラマづくりを行った結果、私が手がけたドラマには「現代を生きる女性の生きづらさ」みたいなことをテーマにした作品が多くなっています。社歴は12年目ですが、ドラマ室ではまだ2年目の新人なんですよね。だからかもしれませんが、ドラマ室内では「祖父江にはとりあえず自由にやらせてみるか」という空気を感じています。とてもありがたい思いでいっぱいです(笑)かなり好き勝手やらせてもらっているので……そういう意味では、本当に懐の深い会社だなと思います。

プロフィール


2008年入社/総合職採用
入社後、制作局CP制作チームに配属。バラエティ番組制作を担当した後、2018年に制作局ドラマ制作部(現:制作局ドラマ室)に異動。『だから私はメイクする』『共演NG』『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』プロデューサー。過去には『来世ではちゃんとします』などを手掛ける。

担当番組


だから私はメイクする
共演NG
38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記
3来世ではちゃんとします

思い出の一枚


バラエティ番組を担当していたころの街頭インタビューをしている一枚。
ドラマとは全然関係ない仕事に見えますが、こういったすべての経験がドラマ作りに生きていると今では思います。

制作局紹介