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2011年5月24日放送
池上秀畝の屏風
| 鑑定依頼人 | 矢島太郎さん |
|---|---|
| 鑑定士 | 田中大 |
| ジャンル | 日本画 |
| 本人評価額 | ¥ 6,000,000 |
| エピソード | 俳句が趣味の矢島さん。45歳から始め、今も毎月欠かさず俳誌に投稿している。 お宝は、父が遺したもの。地元・伊那は、かつて養蚕業で栄えた町。父は蚕種協同組合を立ち上げた名士で、最盛期には100人もの従業員を雇っていた。芸術をこよなく愛し、数々の美術品を集めたが、中でも一番のお気に入りが今回のお宝。 元々は地元の製糸会社の社長が、伊那出身の画家に直接頼んで描いてもらったらしい。しかしある時その社長がお宝を手放すことになったとの噂を聞きつけた父が買い取った。以来「信州が誇る第一級品のお宝だ」と自慢していた。父が家宝だと言って愛したお宝が一体どれだけ価値があるのか知りたい。 |
大変すばらしい名品。昭和15年以降、おそらく最晩年に描かれた屏風。六曲一双になっているが、伝統的な描き方では右隻に春の景色を描けば左隻には秋の景色、というように対称にするものだが、依頼品は「初雪」という題で左も右も一体の冬の風景を描いている。普通はそういうことをすると全体が単調になってしまいがちだが、依頼品はそうなっていない。これは右隻のオシドリは休み、左隻のオシドリは勢いよく飛んでいるというように“静と動”を対称にしているため。雪の描き方にも対称があり、右の雪は白で描き背景に薄墨を塗っている。対して左では白い背景に黒で雪を描いている。全体の色彩は淡い褐色で描かれており、一見淡白に見えるようだが、雄のオシドリの色が、背景の様々な色を集約させるかのように鮮やかに描かれており、画面を引き締めている。飛んでいる一瞬の動きを捉えた筆致も見事。最高傑作の一つといっても不思議ではない。
※当番組の鑑定結果は独自の見解に基づいたものです。 ※サイトのデータは、2010年1月放送回からのものです。
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