純白のサラブレッド・ソダシをより輝かせる3人のホースマンたち

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2021.10.11

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2021桜花賞 ソダシが優勝 白毛馬初のクラシック制覇 写真:日刊スポーツ/アフロ

緑のターフを駆ける純白のサラブレッドとして世界中の注目を集めるようになったソダシ。

奇跡の毛色と呼ばれる珍しい毛色で1勝を挙げることさえ難しい競馬の世界においてGI制覇を成し遂げた彼女。ソダシにたっぷりの愛情を注ぐ3人のホースマンと純白の女王の素顔を紹介。

ドラマとロマンを生んでくれる「つよかわアイドル」

今、世界で最も注目を集めるサラブレッドと言っても過言ではないソダシ。馬名の意味はサンスクリット語で「純粋」「輝き」を意味する。純白の馬体に似合う様にと名付けられたまさにピッタリなネーミングだ。

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そんなソダシが調教から馬房へと帰ってくる際、真っ先に甘えたのは調教師である須貝尚介だった。「かなり頭がいい子で、すごく甘えたがり」という調教師の言葉通り、ソダシは須貝にべったりとなついている。

須貝尚介と言えば今でこそ「ソダシの調教師」として知られるが、以前は天皇賞(春)などを制した芦毛の怪物・ゴールドシップらを管理し、国内外のGIで14勝を挙げている日本を代表する名伯楽。

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そんなトップトレーナーはソダシを「つよかわアイドル」と称した。

「(ソダシが)つよかわアイドルになったことで、小さい子からお年寄りまでソダシと言えば『あの白い馬』と覚えてくれている。『競馬を見て初めて泣いた』なんて声もあるくらい。それだけソダシの存在は大きいし、こういう馬がいるからこそドラマとロマンも生まれてくる。本当にソダシには感謝です」

須貝厩舎前には特別に芝生が敷かれたエリアがあり、ソダシはそこがお気に入り。調教を終えて厩舎に戻ってくると彼女は芝生のエリアをゆっくりと歩き、芝を食べてリラックスする。

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リラックスさせるときにはとことんリラックスさせるという須貝調教師ならではの気配りこそ、ソダシが活躍するベースになっているのかもしれない。

自由気ままの振る舞いこそが信頼の証

8月、ソダシは札幌記念に出走するために北海道に滞在し調教を積んできた。降りしきる雨にもめげずに走るソダシを真っ先に出迎え、愛情を注ぎ続けているのが厩務員の今浪隆利だ。

「(ソダシが)僕の遊び相手になってくれている。馬は大きいけれど、小さな娘と遊んでいる感じ」と、馬房から顔を出しては今浪が着ているトレーナーのポケットにいたずらをするソダシを怒るわけでもなく、頭をなでながら優しくこう話してくれた。もともと綺麗好きな馬だというが、彼女の白い馬体をより輝かせるためにシャンプーで丁寧に磨き上げている。

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須貝尚介厩舎に所属する今浪の厩務員としてのキャリアを振り返ると、ここでもゴールドシップの名前が出てくる。

数々のタイトルを獲得してきたことで知られる名厩務員だが、管理馬に対する愛情の深さは競馬界でも随一。Twitterでソダシの近況をつぶやけば、あっという間にいいねが1万件以上も集まるという人気を博している。

そんな今浪のことを信頼しきっているからだろう。ソダシは彼の前でだけはおてんばな姿を見せるという。

「ご飯を食べるときに飼い葉桶を振り回すんです。ストレス解消の意味で。でも、無理に怒らないで自由気ままにさせようと思ったんです。させないようにする事はできるけど、それでストレスが溜まるくらいなら好きにさせてあげたいんです」

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ソダシのことを1番に考えているからこそ、こうした優しい言葉が出てくるのだろう。ソダシの強さの秘密は今浪の無償の愛から生まれているのかもしれない。

そんな名厩務員、今浪は現在63歳。定年の65歳まで時間はあと少ししかなかったが、それでもソダシを任された。その時の思いをこう振り返った。

「白毛の馬はいつかはやってみたい、触ってみたいという気持ちがあった。それを実際にできる僕は誰よりも一番幸せな男じゃないかと思っています。この馬をどうにかしてやろうという気持ちでいっぱいです」

ソダシへの愛が溢れる今浪は厩舎からあるケースを取り出した。その中にはファンから送られてきたというお守りや手紙がぎっしりと詰まっていた。

「これらは全部競馬場に持ち歩いているんです。これだけファンが一生懸命に思ってくれて、無事を祈ってくれるのが一番嬉しい。お守りをくれて無事に競馬が終わればいいなと思います」

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今浪、そしてファンから多くの愛情を一身に受けたソダシは8月22日に行われた復帰戦の札幌記念に出走。

初古馬相手のレースとなったが、4角で先頭に立つという強気のレース運びでペルシアンナイト、ラヴズオンリーユーらのGIホースを相手に快勝。白毛伝説がまだまだ続くことを予感させた。

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特別な馬だからこそ、世界にもその魅力を見せたい

この札幌記念はもちろん、デビュー以来ソダシの鞍上を務める騎手の吉田隼人はソダシについてこう語った。

「さすがにプレッシャーはあるけれど、ソダシとパートナーを組んでいないと経験できないことばかりで、ワクワクする人生を味わせてもらっていると思います。僕にとっては本当に特別な馬。世界でも活躍できる馬だと思うし、世界にもソダシの魅力を見せたい」

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秋の最大目標として調整を続けてきた秋華賞まであと数日。レースを終えたソダシには果たしてどんな未来が待っているのか――

ソダシが紡ぐ純白の物語はまだまだ続く。

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【vol.3】武豊騎手と白毛馬~日本初の白毛物:https://youtu.be/AHHq9lwh9vE
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