世界を驚嘆させたソダシ 白毛馬が起こした奇跡の物語とは

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2021.10.15

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緑のターフを駆ける純白のサラブレッドとして世界中の注目を集めるようになったソダシ。奇跡の毛色と呼ばれる珍しい毛色で1勝を挙げることさえ難しい競馬の世界においてGⅠ制覇を成し遂げた彼女。

海外のトップジョッキーによるソダシの印象、そしてソダシをはじめとした白毛一族のルーツを紹介。

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世界のホースマンたちも白い奇跡に酔いしれる

日本の競馬界に白毛旋風を巻き起こしたソダシ。その衝撃は海外のメディアにも大きく注目されることになった。

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「白い奇跡 ソダシが日本で歴史を塗り替える」(racing.com)
「"アイドル"極めて珍しい白馬ソダシ」(thesun.co.uk/)
「無敗の日本の白い牝馬 ソダシ桜花賞を勝利」(bloodhorse.com)

海外のあらゆるメディアがソダシの走りを紹介することで、世界中にソダシの名前が広まった。そしてそれは海外のトップジョッキーにも強く印象付けられた。

まず、ソダシに魅了されたというのがフランスの女性トップジョッキー、ミカエル・ミシェルだ。

「フランスにソダシがいたら、大人気よ。フランスには今まで強い白毛馬はいないし、純白のサラブレッドに乗れる機会はほとんどない。日本に行ったら強い白毛馬に乗りたいわ」

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2018年にフランスで72勝を挙げて女性騎手の年間最多勝記録を更新し、2020年には地方競馬の短期免許を取得して来日。その可愛らしいルックスも相まってアイドル的人気を博した彼女もソダシの走りには衝撃を受けたという。

再び日本での騎乗を強く希望しているだけにもしかすると近い将来、純白のサラブレッドにまたがったミシェルの姿が見られるのかもしれない。

そして、ソダシの魅力に取りつかれた騎手がもう1人。イギリスで現在2年連続となるリーディング騎手に輝いたオイシン・マーフィーである。

「GⅠを勝つ白毛馬が現れたのはスゴイ事。ヨーロッパで白毛を生産するのは難しい。そもそも白毛のサラブレッドがいないし、さらに良血馬でなんて信じられない。こんなことができるのは日本だけだよ」

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ミシェル同様、マーフィーも白毛の希少性について語りつつ、日本競馬界が起こした唯一無二の奇跡を称賛してこう続けている。

「ソダシは海外のレースでも活躍すると思う。ヨーロッパでも大きなニュースになってみんなショックを受けるよ」

ソダシに繋がる白毛馬たちの奇跡の物語

およそ1万頭にわずか1頭の確率で誕生するという白毛馬。それだけ希少なケースにもかかわらず、マーフィーが語ったようにGⅠレースでも活躍できる良血な馬が白毛として日本に誕生した。ではなぜ、ソダシのような強い白毛馬が誕生したのか?

その理由を白毛研究の第一人者である競走馬理化学研究所の遺伝子分析部上席調査役を務めている戸崎晃明博士はこう語った。

「『強い白毛馬を作りたい』という熱い情熱を感じる。生まれた牝馬に強い種牡馬を掛け合わせることでより強い子供が生まれる。これを繰り返していき、積み重なったことで最近の白毛馬は強くなったと思います」

「白毛で強い馬を作りたい」―― そんな途方もない願いを叶えたソダシ。彼女の血縁の馬たちを振り返るとそうした思いを強く感じることができる。

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まずはソダシの祖母に当たるシラユキヒメ。生まれ故郷である北海道のノーザンファームはソダシの一族を絶えず生産しているため、いつしか「白毛の聖地」として知られるように。

シラユキヒメの父は日本競馬史を塗り替えたともいうべきスーパーサイアーのサンデーサイレンス。母はアメリカでも活躍したウェイブウインド。

青鹿毛と呼ばれる漆黒の馬体を持つ父とサラブレッドらしい鹿毛の母との間に突然変異で生まれたのが白毛一族の始祖とも彼女である。

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シラユキヒメの誕生に立ち会ったのが若き日の長浜淳調教主任。その当時の状況をこう振り返った。

「(当時は)ノーザンファームに白毛は1頭もいなかった。初めての白毛で僕も初めて見たので本当に驚きました。馬には見えなかったくらいですよ」

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生まれた瞬間から注目を集めたシラユキヒメはノーザンファームで競走馬として調教を積まれたが、結果は9戦未勝利。3着が最高という成績に終わった。それでもシラユキヒメはノーザンファームに戻り繁殖牝馬になった。

「また牧場に帰ってきてくれたことが嬉しかったし、このお母さんからまた白毛が生まれてくるのが楽しみだった」(長浜)

長浜の思いが届いたのか、シラユキヒメはその後、繁殖牝馬として白毛を継いだ産駒を10頭も出産。その父親たちはクロフネやキングカメハメハといった日本を代表する種牡馬ばかり。そしてこの交配が日本における白毛馬の躍進へとつながっていった。

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まずは2007年、息子のホワイトベッセルがJRAで初めてとなる白毛馬の勝利を挙げると、翌年には娘のユキチャンが関東オークスで白毛馬として重賞初制覇。シラユキヒメから白毛を継いだ子供たちがどんどん活躍するようになっていった。

そして2012年に生まれたのが、後にソダシの母となるブチコである。

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その名の通り、ブチコにはある特徴があった。白い馬体は母やきょうだいたちと同じだが、やこれまでとは違い、ダルメシアンのようなブチが身体全体にあった。

その姿が愛くるしく、アイドルホースとしても高い人気を誇った。肝心の走りはダートを中心に4勝をマーク。重賞にも出走するなどの活躍も見せた。

そんなブチコは2017年に繁殖牝馬となり、クロフネと交配。そして翌2018年にブチコは自身初の産駒となる女の子を出産。シラユキヒメから数えて孫にあたるこの馬が後のソダシである。

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初めての子育てとなるブチコをサポートし、ソダシを幼少期から育ててきた船田武彦厩舎長は当時の印象をこう語った。

「ブチコはソダシとも近づきすぎず、離れすぎずといった距離を取ったすごくいいお母さんという印象でした。ソダシはすごく人懐っこい馬で私が放牧地に行くと、ずっと背中に着いて来るくらい。好奇心が強い馬でした」

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好奇心の塊だったという若き日のソダシ。そんな彼女が2021年の春、ホースマンの目標であり、生涯一度しか走れない牝馬クラシック1冠目の桜花賞を制した。

「本当に感慨深かったし、改めてすごい馬だと思った。金子オーナーが桜花賞の表彰式で嬉しそうな顔をされていたのでよかったなという思いと、これからもしっかり管理していかないとなという思いがあります」(船田)

ちなみにノーザンファームにはソダシに続けとばかりに彼女の一族の期待馬たちが今か今かとデビューの日を待っているという。

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例えば、ソダシの叔母に当たるユキチャンは今年6頭目の白毛馬を出産し、ソダシの母であるブチコはモーリスとの間に牡馬を生んだ。

ソダシの半弟となるこの馬をはじめとした仔馬たちが白毛馬の新しい伝説を紡いでいくに違いない。

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テレビ東京スポーツ公式Youtubeチャンネルでは「純白のサラブレッドたち ~白毛の軌跡、ソダシ誕生~」を見逃し配信中!
ソダシと白毛ファミリーの詳細はこの動画をチェック!

【vol.1】ソダシ 活躍の舞台裏:https://youtu.be/zI7iDFccmyE
【vol.2】世界に衝撃!ソダシ誕生の軌跡:https://youtu.be/3UC00xoOx4U
【vol.3】武豊騎手と白毛馬~日本初の白毛物:https://youtu.be/AHHq9lwh9vE
【vol.4】第2のソダシへ!新たな白毛伝説:https://youtu.be/nG53zQJJnNs