アーモンドアイのベストレースは?3頭の三冠馬対決よりも胸熱!? 衝撃の世界レコード!

その他

2022.6.3

467bec77b447489baa5028ad3fbfccf756d6156e.jpg
2018ジャパンカップ アーモンドアイが世界レコードで優勝 写真:中原義史/アフロ

 テレビ東京スポーツYouTubeチャンネルの配信限定競馬バラエティ「競馬大好きママのスナック美馬女 #6」

競馬好きのメンバーが当時のレース映像とともに当時の思い出を熱く振り返るという内容だったが、最後にママである田中道子がプッシュしたのはアーモンドアイによる「最強女王の衝撃のラストラン」。

 2年前に引退したばかりのアーモンドアイ。そのラストランは今や伝説と言っていいほどの名レースに。

なんといっても一緒に走ったライバルが牡馬三冠馬のコントレイルと、牝馬三冠馬のデアリングタクト。そしてアーモンドアイ自身も牝馬三冠を達成しているので、三冠馬3頭が一堂に会するという歴史的なレースともなった。

多くのファンからの注目を集めたこのレースは、アーモンドアイが追いすがる2頭の後輩三冠馬を振り切る形で勝利を収め、見事に引退レースを飾ったが......

アーモンドアイのファンからは「2018年のジャパンCこそ、アーモンドアイのベストレース」という声も根強い。

では、2018年のジャパンCはいったい、どんなレースだったのか......ここで振り返ってみたい。

407a361ef7675bf24d9b629153fcf6898164d1b3.jpg
2020ジャパンカップ アーモンドアイが引退レースでGI9勝目 写真:日刊スポーツ/アフロ

この年で38回目の開催となったジャパンCだが、その主役となったのはもちろん、牝馬三冠を制したばかりのアーモンドアイだった。

前年の暮れにデビューしたアーモンドアイは、シンザン記念を制して臨んだ桜花賞では2歳女王のラッキーライラックを並ぶ間もなく差し切って女王の座を奪還すると、距離が延びたオークスでは同レースで史上2位となる好タイムを記録して圧勝。

そして牝馬三冠目となる秋華賞にはオークス以来のぶっつけで挑戦することになったが、直線では逃げたミッキーチャームから10馬身近く離されたにもかかわらず、直線で次元の違う脚を繰り出して1馬身半差をつけて快勝。

牝馬三冠を達成するなどその勝利には全くスキがないものばかり。

初の古馬相手となるジャパンCでもこうした走りが見られるのでは?と期待され、アーモンドアイは単勝オッズ1.4倍という断トツの支持を集めていた。

1番人気こそアーモンドアイに譲ったものの、日本を代表するGIレースということもあり、この日のジャパンCのメンバーは当然豪華なものだった。

この年の大阪杯でGI初制覇を果たし、前年のダービーで2着に入ったスワーヴリチャードをはじめ、2年前の菊花賞&有馬記念を制した実力馬のサトノダイヤモンド。

そして前年の菊花賞を勝っているキセキなど、日本所属馬はアーモンドアイを含めGI馬が6頭。そして、海外から遠征してきたカプリも合わせると出走14頭中7頭がGI馬という豪華な顔ぶれとなった。

1枠1番からスタートしたアーモンドアイをはじめ全馬が遅れることなくスタートした中で逃げの体勢を取ったのはキセキ。

1コーナーを回るころには2番手に3馬身近く差をつけると、アーモンドアイは外にいるノーブルマーズと並ぶ体制で2番手を追走と、今までと比べるとかなり前に付けてレースに望んでいた。

前半の1000m通過タイムは59秒9という平均ペースで逃げたキセキその。

そのあとの1000mを57秒3、1200~2000mまでの各ラップがすべて11秒台で走るという具合にペースを上げた逃げを見せたことで一気に締まった展開になった。

迎えた直線、余力十分に逃げるキセキを残り200mを過ぎたところでアーモンドアイが交わして先頭に立つと、そのまま押し切る形で後続との差を広げてゴール。

2着キセキには1馬身3/4、そしてそのあと3馬身半離れてスワーヴリチャードが3着に入るなど、3歳牝馬のアーモンドアイが堂々たる勝ちっぷりを見せた。

その走りに驚かされたのも束の間、場内のファンが大きくどよめいたのはアーモンドアイが記録した勝ち時計である。

電光掲示板に記された勝ち時計の2分20秒6は2005年にアルカセットが記録したレコードタイム2分22秒1を1.5秒も上回るどころか、1999年にアルゼンチンで記録された芝2400mの世界レコード2分21秒98をも更新するという大記録である。

これを3歳牝馬のアーモンドアイが軽々と成し遂げたのだから、その衝撃は計り知れない。「三冠馬対決を制した2度目のジャパンC以上のパフォーマンス」と称されるのも納得がいく。

18jc02.JPG

レース後に鞍上のクリストフ・ルメールは「素晴らしい、それ以上の言葉がない。特別な馬だ」とアーモンドアイを絶賛。その言葉通り、この後のアーモンドアイはドバイターフや天皇賞(秋)などGIタイトルを5つも積み上げ、通算GI勝利数は歴代最多となる9勝をマーク。日本史上最高の牝馬として競馬史にその名を刻むことになった。

それほどの活躍を収めた彼女だからこそ、コントレイル、デアリングタクトらとの後輩三冠馬との対決でも動じることなく立ち振る舞い、圧倒的な強さを誇示したのだろう。

衝撃のレースを終えて2年、今や繁殖牝馬としてアーモンドアイは生まれ故郷に戻ったが、今度は母親として自身の血を受け継ぐ子供たちをターフへ送り込むことだろう。すくすくと成長する彼女の子供たちが競馬場に姿を現す姿が本当に待ち遠しい。


■文/福嶌弘

■アーモンドアイ 成績
馬主:有限会社シルクレーシング
調教師:国枝栄(美浦)
生年月日:2015年3月10日
血統:父 ロードカナロア・母 フサイチパンドラ
成績:
JRA通算成績 14戦10勝
JRA獲得賞金 1,519,563,000円(付加賞含む)
海外通算成績 1戦1勝
海外獲得賞金 395,700,900円
競走成績:
年 レース名 着順 1着馬(2着馬)
2020 ジャパンカップ(GI)1着(コントレイル )
2020 天皇賞・秋(GI)1着(フィエールマン)
2020 安田記念(GI)2着 グランアレグリア
2020 ヴィクトリア(GI)1着(サウンドキアラ)
2019 有馬記念(GI)9着 リスグラシュー
2019 天皇賞・秋(GI)1着(ダノンプレミアム)
2019 安田記念(GI)3着 インディチャンプ
2019ドバイターフ(G1)1着(ヴィブロス)
2018 ジャパンC(GI)1着(キセキ)
2018 秋華賞(GI)1着(ミッキーチャーム)
2018 オークス(GI)1着(リリーノーブル)
2018 桜花賞(GI)1着(ラッキーライラック)
2018 シンザン記念(GIII)1着(ツヅミモン)
2017 2歳未勝利 1着(コスモフェリーク)
2017 2歳新馬 2着 ニシノウララ