【安田記念】ソングライン悲願のGI制覇!やっと見つけた、私の歩むべき道

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2022.6.6

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ソングライン 写真:東京スポーツ/アフロ

 安田記念のゴール目前、ソングラインとシュネルマイスターが並んだ瞬間...... 1年前のNHKマイルCを思い出した方も多かったのではないだろうか?

だからこそソングラインがシュネルマイスターを振り切ってゴールした瞬間、大きな歓声が上がったのだろう。

 それくらい、ソングラインや陣営にとってこのレースは悲願の一戦だったと言える。

 振り返れば昨年春、紅梅Sをステップに挑んだ桜花賞でソングラインは出遅れて大敗を喫して以降、彼女はマイルにこだわってきた。

牡馬を相手にしたNHKマイルCでは3角で不利を受けながらも直線で抜群の伸びを見せ、あと一歩でGI勝利というところまで迫りながら、ゴール目前に外から来たシュネルマイスターにハナ差交わされて2着に惜敗。

当時7番人気ながらこの激走は素晴らしいの一言だったが、完璧なレースをした上での敗戦だっただけに言葉では言い表せないほどの悔しさがあったはずだ。

それ以来、ソングラインの最大目標は春の東京のマイルGIの制覇になった。

さらなるレベルアップを目指してNHKマイルC以降は関屋記念、富士Sと古馬相手のマイル重賞に果敢に挑み、富士Sでは重賞初制覇を飾ってみせた。

そして明け4歳となった今年は緒戦に海外遠征を敢行して1351ターフスプリントを制するなど、そのスピードは国際レベルに達していることを周囲に知らしめた。

あれから1年、ソングラインはひとまわり逞しくなって東京競馬場に帰ってきた。そして、迎えたのはヴィクトリアマイル。

GI馬が5頭もエントリーし、近年稀に見るほどの豪華メンバーが揃った中で彼女は2番人気の支持を受けるなど、ファンもまた、彼女の成長を認めて高い評価が与えた。まさにGI制覇に向けて機は熟したと言えるだろう。

だが、ソングラインは敗れた。

道中、馬群の中でバランスを崩すというアクシデントがあったとはいえ、直線で上がり33秒2という猛烈な追い込みを見せても5着が精一杯。1年前のNHKマイルCの走破時計よりもお1秒ほど遅い時計でのフィニッシュとなった。

「うまく乗れずに申し訳ない」―― ヴィクトリアマイルのレース後、鞍上の池添謙一はインタビューでこう話していた。

仕上がりも抜群、返し馬の感じも良好でいざGIダッシュをもくろんでいた中で不利を受けての敗戦は無念以外の何物でもなかった。

だが、この馬にとって春の東京のマイルGIはもう一戦ある。3週間後に開催される安田記念でリベンジを果たすことになった。

ヴィクトリアマイルから安田記念までのレース間隔は中2週。

ともに高速決着となるGIをこのレース間隔で走るのは体力的にかなり厳しく、過去10年、このローテーションを組んだ馬は[0・4・0・11]と勝ち星がない。

思えば昨年のグランアレグリアもこの臨戦過程で走り、ダノンキングリーの2着に屈した。得意の東京でのレースとは言え、一抹の不安を残しながらソングラインは安田記念へ挑むことになった。

 そうして迎えた安田記念のパドック。

この時点で1番人気に支持されていたのはシュネルマイスターだった。年明け緒戦となったドバイターフで8着に敗れた後に迎えた国内復帰緒戦ということで注目を集めたが、馬体は昨秋のマイルCSよりもプラス10キロの490キロとあってか、いつもよりも少しばかり緩く見えた。

 一方、ソングラインは前走時と比べてマイナス4キロ。

中2週というローテーションで調教でもしっかりと負荷をかけても大幅に減らずに馬体をキープ。周回する様子にも心なしか気持ちが入っているようにも映り、彼女の瞳も「今日は負けない」と闘志を燃やしているような様子がうかがえた。

 彼女の想いはスタートから伝わってきた。

昨年までは出遅れることもしばしばあった馬にしては好発を決めると、はやる気持ちを抑えるかのように中団に下げて脚を溜めると、3角過ぎから進出開始。直線に入るころには外に持ち出していた。

逃げたホウオウアマゾン以外の17頭が外へと進路を見出だした最後の直線。

先に抜け出したダノンザキッドを外からジワジワと差すように上がって行ったのがサリオスとそしてソングラインだった。

残り200mを過ぎたところでソングラインがサリオスを交わして先頭に。その姿はまるで1年前のNHKマイルCの再現VTRを見ているかのよう。

このまま、このまま粘りこめば念願のGIタイトルを獲得できる......と、ソングラインの勝利が目前に迫ったその時、シュネルマイスターが昨年と同じく上がってきた。

ゴール目前、内から馬群を捌いて渾身の一伸びを見せるシュネルマイスターに抵抗するソングライン。

もしかして、また差し切られるのでは......と1年前のレースが脳裏によぎったが、彼女は「もう今までの私とは違う!」とばかりにシュネルマイスターをクビ差振り切って念願のGI制覇を果たした。

前走の無念を晴らす形になった鞍上の池添謙一は「今回は本当に期待に応えたい一心でした」とインタビューで安堵の表情を浮かべた。思えば1年前のこの舞台でハナ差敗れた相手に競り勝ってGI制覇を果たしたのだから、その思いはひとしおだったことだろう。

 そしてこの勝利こそがソングラインが歩んできた道の先にあったもの。この後も彼女はきっと、ただひたすらにその1本の道を歩んでいくことだろう。

 激闘の末にようやく見つけた、自分が輝ける道を。


■文/福嶌弘

第72回 安田記念(GI)着順
6月5日(日)3回東京2日 発走時刻:15時40分

着順 馬名(性齢 騎手)人気
1着 ソングライン(牝4 池添謙一)
2着 シュネルマイスター(牡4 C.ルメール)
3着 サリオス(牡5 D.レーン)
4着 セリフォス(牡3 藤岡佑介)
5着 ファインルージュ(牝4 武豊)
6着 ダノンザキッド(牡4 川田将雅)
7着 エアロロノア(牡5 幸英明)
8着 イルーシヴパンサー(牡4 田辺裕信)
9着 ナランフレグ(牡6 丸田恭介)
10着 ロータスランド(牝5 M.デムーロ)
11着 レシステンシア(牝5 横山武史)
12着 ホウオウアマゾン(牡4 坂井瑠星)
13着 ソウルラッシュ(牡4 浜中俊)
14着 ダイアトニック(牡7 岩田康誠)
15着 ヴァンドギャルド(牡6 岩田望来)
16着 カラテ(牡6 菅原明良)
17着 カフェファラオ(牡5 福永祐一)
18着 カテドラル(牡6 戸崎圭太)

※結果・成績・オッズ等は主催者発表のものと照合してください。