箱根駅伝2連覇の名門が復活へ!大東文化大学・真名子新監督のチーム改革 本選出場決定までの道のり
大東文化大学・真名子圭監督
かつて彼らには黄金時代があった。
1990年代、箱根駅伝2連覇を果たした大東文化大学。出場50回、総合優勝4回という数字は箱根路に刻んだ輝かしい伝統を物語る。しかし、歴史は変わるもの。
3年前には本戦へのシード権を失い、予選会から箱根を目指す形になった。およそ40校から上位10校だけが通過できる狭き門。しかしこの3年、思いは叶わず去年もあと一歩で涙を飲んだ。
望まれたチーム改革。建て直しを託されたのが真名子新監督だ。
目覚めたチーム。改革は成功する。熱血監督は何を変えたのか?部下や後輩を育てるヒントがそこに。 6月、半年後の箱根駅伝を占う注目のレースが行われた。8人の合計タイムで競う。
緑のユニフォーム、大東文化大学をカメラは追った。4組2名ずつの出場だったが、大東文化は次々に上位でゴール。好タイムを連発した。チームは5位で、去年の12位から大躍進。真名子新監督の改革が、わずか三ヶ月で早くも低迷期脱出への希望を灯した。
何が変わったのか?ひとつは心。
真名子監督はイマドキのツールを使って選手の気持ちをつぶさに把握し、メンタルを整えていった。
部の公式インスタグラムでは、選手が今日の一言で思いや願いを発表することで、自分の内面と向き合っている。真名子監督はひとりひとりにコメントを添える。
負け癖がついてしまった中でマイナス思考になっていた選手たちのメンタルを変えていった。
こだわりがひとつ。今日の一言は直筆で書かせている。
隊列を組んでのジョッグ
心技体の技にも改革が。毎日繰り返す基本の動きを見直したのだ。
真名子監督が注目したのはジョッグと呼ばれる基本の走り。毎日、どんな日でも必ず行うがそこに違いが出るようだ。
ジョッグは言わば走りの土台。その観点から大東文化は今、みんなで隊列を組んでジョッグをしている。苦しいときに耐えることでその人にベストな走りが身についていくと言う。
大東文化大学陸上競技部男子長距離・谷口辰煕主将
菊地くんの願い
真名子監督は部のOB。21年前に箱根路を走り区間新記録を打ち立て、チームを6位に導いた。
卒業後は実業団に進み、引退後は仙台育英高校の監督に。そしてそこでチーム作りに手腕を発揮。全国高校駅伝優勝という美酒を味わった。 この春、母校に戻ったのは強豪復活の使命を帯びてのこと。
期待する一人に仙台育英での教え子がいる。優勝メンバーだった菊地くんだ。高校時代、監督と一緒に栄光をつかんだ菊地くん。
だが、大学に来てから大きな挫折が。入学当初はチーム3位にも入ったがその後スランプになり無理をして故障。そこでまた無理をしてタイムを落とす悪循環。去年の夏には寮を出て実家に帰る。
当時は今と違う監督。自分に目をかけてくれているのは分かっていたが、でもそれが重たくて...。
救ってくれたのは恩師・真名子監督だった。実家から電話したところ、自分の経験談を教えてくれ、辞めずに続ければその経験が宝になると諭された。
ここでやめたら逃げた結果が残るだけ。そう気づいた菊地くんは部に戻り、前監督とも和解した。
仲間たちも温かくて。だからこそ箱根駅伝予選会で結果を出したい。それが菊地くんの願いだ。
4年ぶり51回目の本選出場決定
大会まで3週間。チーム作りは仕上げに入り最後の合宿。予選会は10人の合計タイムで競う。ひとつの鍵はブレーキと呼ばれる、著しく遅い選手を出さないこと。
浮き沈みが激しい菊地くんは監督の心配の種。12キロのコース。5キロ過ぎから集団が崩れ、遅れる選手が。菊地くんは、大きく遅れていた。
もしもこれが本番だったら、最初の7人こそは好タイムだが菊地くんは大ブレーキに。
12キロの後、続けざまにもう3キロ。スパート力を鍛えるためだ。その3キロ、菊地くんはなんと1位。好不調は気持ち次第。菊地くんはチームに貢献できるのか。
大東文化大学 陸上競技部男子長距離
大東文化大学、強豪復活へ。熱血監督のチーム改革、その成果は?
10月15日、43校がエントリーした箱根駅伝予選会は、大東文化大学が1位となり4年ぶり51回目の本選出場を決めた。
そして、菊地くんはチーム4位の好タイムで箱根本選出場に貢献した。